DISC REVIEW
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2010年に動画サイトに初投稿し、歌い手として、クリエイターとしてファン・ベースを築きながら横アリでイベントを開催するなど、活動規模を大きくしているluz。今作は堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)をプロデューサーに迎え、山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)や明希(シド)といったバンドのソングライターから、音楽プロデューサー ケンカイヨシ、そしてすりぃやかいりきベアといったボカロPなどが楽曲提供した。また今年1月のシングルから初めて作詞曲を手掛けた「Rose」、「棘 FAITH Ver.」も収録し、新たな挑戦や表現の枠を広げていく意欲的なアルバムになっている。ヘヴィなサウンドからゴージャスな歌謡ロック、ダーク・ファンタジー的な濃い音世界と、そこに情緒的で繊細な物語を綴っていくヴォーカルが冴える。新しい扉や地平を開いていると同時に、ファンとの変わらぬ共犯関係も練りこんだ。 吉羽 さおり