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INTERVIEW

luz

2021.11.09UPDATE

2021年11月号掲載

luz

インタビュアー:吉羽 さおり

2010年に初めて動画共有サイトに動画を初投稿して以来、ネット上での活動をはじめ、ソロのライヴ活動と合わせて、自身がオーガナイザーを務めるライヴ・イベント"XYZ TOUR"では2019年に横浜アリーナ公演を成功させるなど、多くのファンを抱えるluz(ルス)。10月27日にリリースした4作目のアルバム『FAITH』では、さらにこれまでのイメージの枠組みや固定観念を壊すように、様々なタッグで音楽的な広がりを得た。堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)をサウンド・プロデューサーに据え、ボカロPなどのクリエイターから、山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)、明希(シド)などもソングライターに迎え、ケミストリーを楽しみながら、ダークで妖艶で、それでいて爆発力のあるロック・アルバムを作り上げた。今作へと至る背景を訊いた。

-アルバムとしては前作『Reflexión』以来、約4年ぶりの作品で、昨年の10周年という節目を経て、今回のアルバム『FAITH』へと向かっていくうえでは、ご自身の中で変化の時だなとか、新たなチャレンジをしようという思いはあったんですか。

昨年の10周年のタイミングでは何かやりたいとは思っていたんですが、コロナ禍ということもあって自分の中での願いは叶わずだったんです。ただそのときに思ったのが、これは状況が落ち着くまで待っても自分から動かないことには何も始まらないなということで。それなら、時間はかかるかもしれないけどコロナ禍だからこそできることをやってみようと思って、アルバムの制作に向かっていったんです。PENGUIN RESEARCHの堀江晶太(Ba)さんには、以前からサウンド・プロデューサーをお願いしたいということは話をしていたので、このタイミングでどうかということを言ったら、二つ返事で引き受けてくださったので。時間をかけてでもめちゃくちゃいいアルバムを作りたいなと思ったんです。

-昨年にはもうアルバムに向け、スタートしているんですね。

昨年の9月くらいには構想があって、そこからリモートではありましたけど打ち合わせも何度か重ねていました。

-今年1月に「Rose」がシングルとしてリリースされて、この曲は初めてluzさんが自分で作詞作曲をした曲でしたね。これも新たなチャレンジのひとつですか。

そうですね。全部コロナきっかけにはなってしまうんですけど。僕自身このコロナ禍になるまでは、1年中ライヴ・イベントがある状態でほとんどスケジュールが埋まっていたので、自分で曲作りをするにもじっくり取り掛かれる時間がなかったんです。これを機に、今までできなかったことに挑戦してみるのはありだなと思って、シングルになった「Rose」で曲作りにチャレンジしてみようとなりました。

-「Rose」はどんなふうに作っていった曲ですか。

もともとluzのアーティスト・イメージや、グッズのモチーフなどもそうですけど、バラを用いることが多いんです。お客さんも僕のファンマークとしてバラをつけてくださる方が多くて。それなら1作目はファンに対する感謝も込めて、バラをテーマにした曲を作りたいと思ったんです。それでバラをモチーフに男女の報われない恋じゃないですが、そういう曲を作りました。

-アレンジを手掛けたのがケンカイヨシさんで、歌謡ロックやジャズっぽい雰囲気になっていますね。このアレンジのイメージもluzさん自身が具体的に描いていた感じですか。

ケンカイヨシさんと話し合って、いろんな要素をオマージュとして入れているんです。もちろん歌謡ジャズとかもあるんですけど、僕の中でのイメージはMichael Jacksonで。Michael Jacksonの「Dangerous」という曲の要素を入れていますね。ガラスが割れる音だったり銃声だったりとかもそうですね。

-そのMichael Jacksonや、80年代、90年代の洋楽もルーツにあるものですか。

自分の中でかっこいいと思ったものがかっこいいという感じで。年代的なものよりも、このアーティストのこの曲がかっこいいなというので聴くことが多いですね。世界観や歌声、表現の部分で自分が一番影響を受けたアーティストは、Janne Da ArcとAcid Black Cherryのヴォーカリストのyasuさんだと思います。ヴォイス・トレーナーの先生も一緒なんですよ(笑)。

-では改めてアルバムのお話をうかがいます。サウンド・プロデューサーに堀江晶太さんを迎えて、luzさんとしてはどういうアルバムを作っていきたいとなったんですか。

今までの作品では、ひとりのサウンド・プロデューサーを立てる感じではなくて、それぞれ提供をしていただいた曲を僕が歌うという形だったんです。今回は、ひとつのコンセプトを決めて、それをもとにいろんな作家、アーティストに楽曲を提供していただいて、1枚のコンセプト・アルバムを作ったらいいんじゃないかという話を堀江さんが提案してくれて。僕自身も、ひとつの世界観を作り上げることは好きなので、それはいいなと思ったんです。"FAITH"というタイトルの案も、堀江さんが出してくれたもので。

-それくらい堀江さんには信頼を置いているんですね。

4年前の3rdアルバム『Reflexión』に、堀江さんが楽曲提供をしてくれた「Dearest, Dearest」というロック・チューンがあるんですけど。その楽曲から、堀江さんとの親交が深まっていって。堀江さんとの2曲目が、今回の『FAITH』にも入ってる「FANATIC」なのですが、「FANATIC」はファンの中でもかなり人気の高い曲で、堀江さんと僕のコラボがマッチングしていたもので。だからこそ今回のアルバムでも、堀江さんにサウンド・プロデュースの面もそうなんですけど、世界観のアドバイスなどもいただきながら方向性を決めていった感じでした。

-堀江さんはプロデューサーとして、luzさんというアーティストをどう見ていたかっていう話もしていたんですか。

これは自分で言うのも恥ずかしいですけど(笑)、世界観を作るのがうまいと言ってくれますね。あとは、自分にしかないものを出せる人だっていう。今回のコンセプトが信仰で、楽曲の中で教祖や信者をテーマにしたものが多いんです。それが僕とファンの関係性にも似ているというか、ステージに立ったら、お客さんすべてをひとつにするような能力があるっていうのは、堀江さんが言ってくれたことでした。

-それだけのパワーを持っているからこそ、これだけ幅広いサウンドでも大丈夫だろう、ひとつの作品として世界観を描けるだろうというのが堀江さんの中でもあったのかもしれないですね。

そうだと嬉しいですね。

-自分ではアルバムが仕上がって、これほどの広がりになっていくというのは最初の段階から想像はしていたんですか。

僕自身は広がりというよりも、音の質を良くしたいなと思っていたんです。4年ぶりのアルバムということもあったので、この4年間で培ったものがどれだけお客さんに届けられるかが課題としてあって。ちゃんと進化がないといけないなっていう。この4年間の答えが音として出ているものにしたかったんです。それは歌声の進化なのか、音源としてのクオリティの進化なのか、すべてにおいての進化という意味で。それが出せたらいいなと思っていましたね。

-一曲一曲へのアプローチ、音へのこだわりに向き合った作品ですね。

そうですね。本当に時間がかかりました(笑)。

-堀江さんの曲では先ほど話が出た「FANATIC」もそうですし、タイトル曲「FAITH」など、ロックのダイナミズム、スケール感が大きな曲が多いですね。

スケール感がありますね。自分の強みとして出したいのが、音は重いけれど、例えばロック好きじゃない人が聴いてもキャッチーさがあるものにしたいんです。自分の声自体は、それこそロック・ヴォーカリストのような尖った声質ではないと思っていて。だからこそそれを生かして、アンバランスなんだけど、ロック・サウンドではありつつ、自分の声との対比で聴く人に刺さってほしいなというものを作りたいんです。