DISC REVIEW
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前作『VI』(2018年)でダンス・ミュージックを取り入れ、ポップな路線に進んだYOU ME AT SIX。UKを代表するバンドのひとつとして、普遍的なサウンドを手に入れたかつてのポップ・パンク・キッズは、今作ではさらなる探求心によって、よりディープな進化を遂げた。ダンス・ミュージックを取り入れるという方向性は変わらないが、今回は、ダークでヘヴィなインダストリアル/オルタナティヴ・ロック色が強いサウンドに舵を切り、全体的に大人っぽい仕上がりとなっている。タイのパタヤという非日常な環境にこもってレコーディングしたこともあり、細かな部分にも様々なこだわりが見て取れ、Josh Franceschiのヴォーカル・ワークもこれまでにないほど幅広い表現を見せる。また、グルーヴ感がありつつもバンド・サウンドにこだわっているので、重厚感もあり、存在感のあるギター・リフなどには彼ららしさが光る。 山本 真由