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FEATURE

YOU ME AT SIX

2018.10.08UPDATE

2018年10月号掲載

ポップ・パンクから脱皮し、さらなる成長と広がりを目指したYMA6! ニュー・アルバムはポップでダークなダンス・ロック!

Writer 山本 真由

これまでにリリースしたアルバム5作品中4作品がゴールド・ディスク、UKチャートで5位以内にランクインするなど、もはやUKを代表するロック・バンドと言っても過言ではないYOU ME AT SIX。昨年1月に3年ぶりとなるアルバム『Night People』をリリースし、"SUMMER SONIC 2017"と初のヘッドライン公演のため来日するなど、日本のファンを大いに沸かせた彼らが、早くも6作目となるニュー・アルバム『VI』をリリースする。
 
前作でポップ・パンクから完全脱皮し普遍的なロックへと進化を遂げた彼らだが、多くのリスナーを魅了したその洗練された楽曲の数々は、必ずしも彼ら自身を満足させるものではなかったようだ。変化の過渡期にあった彼らは、プロデューサーにNorah JonesやKINGS OF LEON、James Bayなどを手掛けたJacquire King、そしてエンジニアに、RED HOT CHILI PEPPERSやAdeleなどを手掛けているAndrew Schepsを起用し、音楽の街として有名なアメリカ、ナッシュビルのスタジオでレコーディングされた前作で、これまでの彼らの音楽性を解体した。そのうえで、ただの変化に飽き足らず、さらに自分たちらしさや自由を求めたバンドは、前作『Night People』の完成後、すぐに新曲を書き始めたのだという。前作を単調なアルバムだと自己評価する一方で、メンバーのMax Helyer(Gt)は次のように語っている。"あれは俺たちにとって音楽的に違う方向に踏み出すステップだったんだ。破壊だったんだよ。どんなバンドにも破壊するためのアルバムが必要なんだ"。その言葉どおり、今回のニュー・アルバムでYOU ME AT SIXは、また新たなフェーズに突入した。
 
そんな野心に満ちたバンドの前進をサポートしたのは、新たなレーベル、マネージメントという彼らの挑戦に寛容な環境、そして、LINKIN PARK、Kylie Minogue、FLORENCE AND THE MACHINEなどの作曲に参加してきたEg Whiteとのセッション、さらには、以前シングルでも彼らの作品に参加しているDan Austinが6人目のメンバーとしてバンドをインスパイアしたこと、などなど......。それら多くの要素が、今作『VI』を特別な作品へと導いた。
 
まず、ミュージック・ビデオも公開されているリード曲「3AM」は、80sリバイバル・テイストもあり、2000年代初頭の踊れるロックが盛んだったUKシーンの名残もあり、1周どころか2周くらい回って、古臭くないギリギリのクールなラインを乗り越えた楽曲。このへんの線引きを見極めるセンスというのは、さすがとしか言いようがない。ポップでダンサブルでありながら、どこか影を帯びたダークな雰囲気を持つエレクトロ・サウンドも彼らの世界観にマッチしている。MAROON 5ばりの都会的でコンテンポラリーなファンクネスやソウルを取り入れ、バンド・サウンドにこだわりを持ちつつも、ダンス・ミュージックの要素を最大限に利用した今作の音作りからは、彼らが自身のアイデンティティを大切にしつつも新機軸を打ち出したいという強い信念と意欲を持っていることを、アルバム全体を通して感じることができる。

10代でデビューし、華々しい経歴を持つ彼らは、まだ20代後半という若さ。前作リリース時に"今自分が何を好んで聴いているのか、それが明確に表れている作品作りを心掛けている"と語った彼らは、年齢を重ねた成熟と、まだまだ変化を追い求める若さを同時に兼ね備えた稀有な存在でもある。そんな彼らが、今の自分らしさというものを追求した今作は、彼らの音楽と共に成長してきたかつてのキッズ、そして今のトレンドを追い求める現在のキッズにとっても、興味深い作品であるはずだ。


VIDEO MESSAGE


▼リリース情報
YOU ME AT SIX
ニュー・アルバム
『VI』
youmeatsix_jkt.png
2018.10.10 ON SALE!!
SICX-112/¥2,400(税別)
[Sony Music Japan International]
amazon TOWER RECORDS HMV
 
1. Fast Forward
2. Straight To My Head
3. Back Again
4. Miracle In The Mourning
5. 3AM
6. I O U
7. Pray For Me
8. Predictable
9. Danger
10. Losing You
11. Back Again(Acoustic Ver.) ※ボーナス・トラック
12. Fast Forward(Acoustic Ver.) ※ボーナス・トラック

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