DISC REVIEW
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オープニングを飾るインスト「Lost In The fire」から期待感を煽られる。結成10年目の節目に放たれる1stフル・アルバムは、ブリブリゴリゴリのメタルコア特有の凶暴性を押し出しながらも、ドラマチックな展開を織り込み、起伏激しいサウンドで攻め立てる。特に前半4曲目まではアドレナリン噴出のいきり立つエナジーが満載だ。そして、中盤にはインタールード的な「Presage」を挟み、「S.P.I.T」はラップ・パートを導入するなど、新たなチャレンジも試みている。さらにYojiro(Vo)のクリーン・ヴォーカルを積極的に取り入れた終盤の「Lullaby」から「繋ぐ詩」への流れも今作の大きな聴きどころと言っていい。スケール感のある叙情的なメロディが映えわたり、特に後者は日本語の響きが胸に突き刺さる。 荒金 良介