INTERVIEW
A Ghost of Flare
2017.10.04UPDATE
2017年10月号掲載
Member:Yojiro(Vo) YU-TARO(Gt/Prog)
Interviewer:山本 真由
相次ぐメンバーの脱退を乗り越え、最強の布陣となったA Ghost of Flareが、新体制初のフィジカル・リリースとなる新作『Aerials』を発表。今作は、バンドの健在ぶりと進化を見せつける、アグレッシヴ且つフレッシュな作品となった。和楽器の琴を用いたり、ヴォーカルの掛け合いを充実させたりと、より自由な表現でパワー・アップした彼らのサウンドと充実した現在のバンドの状況に迫るべく、YojiroとYU-TAROのふたりにメール・インタビューで語ってもらった!
-ニューEP『Aerials』の完成、おめでとうございます。激ロックでは初めてのインタビューになりますので、まずはメンバーの紹介と、新メンバーが多いので簡単に経歴など教えていただきたいと思います。
YU-TARO:A Ghost of Flare自体は2009年に結成してまして、現在初期のメンバーは僕だけになります。ベースのTakuyaはもともとOcean From The Dead Screamというバンドでベース・ヴォーカルをしていて、現在も並行して活動中。ギターのYU-YAはTake ambulanceのギターとして4年活動し、半年間のサポート活動ののちに加入。ドラムのHibikiはSEVER BLACK PARANOIAの活動と並行して活動中。その傍ら様々なバンドでサポートとして参加してます。
Yojiro:僕は2015年半ばから、現在のシーンで本格的な音楽活動を開始しまして、1年近く活動していたバンドを脱退したのち、2016年10月にA Ghost of Flareへ加入しました。
-初期メンバーで残っているのは、YU-TARO(Gt/Prog)さんだけになっていますが、同世代のバンドもシーンに残っているバンドは減ってきていますよね。YU-TAROさんが以前在籍していたFEAR FROM THE HATEもそうですし、Remembering SensationやTHE TWISTED HARBOR TOWNも解散してしまいました。そんななかでメンバーの脱退もあり、バンドの存続には困難な時期もあったのではないでしょうか?
YU-TARO:メンバーが次々と脱退したときは、解散を考えたこともありました。新しくバンドを始めることも考えてはいたのですが、やはり僕はA Ghost of Flareをやりたかったんです。2009年、最初はAGOF(A Ghost of Flare)の前身バンドのベースとふたりで始まりました。幾度となくメンバー・チェンジがあり、挫けそうなときもありました。失うものも多かったし、つらいこともたくさんあったけど、その歴史を含めてこのバンドが好きだから、続けてこれました。ここで諦めて辞めてしまったらA Ghost of Flareの歴史はそこで終わってしまうし、新しい曲も生まれなければ、今までの曲たちもバンドと共に消えてしまう気がして。作ってきた1曲1曲に込めた想いがあります。積み重なった歴史には意味があり、これからも進んでいきます。今も昔も表現したいこと、理想の形は変わりません。
-新体制となってから、新曲をフリー・ダウンロードにて公開していますが、やはりシーンやファンにバンドの健在ぶりをアピールする、というような目的があったのでしょうか?
YU-TARO:そうですね。早く新生AGOFの音を聴いてほしいという思いからフリー・ダウンロードといった方法を試みました。
-そして、今作『Aerials』が新体制初のリリース作品となりますが、制作はいつごろから開始していたのでしょうか?
YU-TARO:曲自体は新メンバーが集まる前から、復活を見据えて書き溜めてました。中には2年ほど前から基盤ができていた曲もあります。今のメンバーが集まり、試行錯誤しながらやっと形にできたことを嬉しく思います。
Yojiro:加入した当時から、"2017年の夏終わりにはミニ・アルバムをリリースしたいね"という話になっていたので、今作のヴォーカル・ワークも去年ごろから進めていましたね。
-メンバーが入れ代わったことで、各パートの役割やソングライティングに関して、変化はありましたか?
YU-TARO:みんなにはそれぞれ役割分担して協力してもらってます。ベースのTakuyaはもともとベース・ヴォーカルなので、加入前にはあまりなかったヴォーカルの掛け合いなどが多くなりました。そこは強みでもあります。デザインや動画編集ができるメンバーもいるので、非常に助かってます。"AGOF FEST"(※A Ghost of Flare主催イベント)の映像などはヴォーカルのYojiroが作ってます。前々から映像編集などをやっていたみたいで、僕は素人なので詳しいことはわかりませんが、素直に"カッコいい映像作るな"って思いますね。ソングライティングに関しては、基本的には変わってないです。僕は前からヴォーカルの譜割り、メロディなどは作ってこなかったので、一番の大きな変化としてはヴォーカルが多才なことですね。
-今作は、作品を通してとてもアグレッシヴで挑戦的且つフレッシュな印象を受けました。久々のフィジカル・リリースになりますが、完成した作品をご自身で客観的に聴いた感想は?
YU-TARO:想い描くA Ghost of Flareを表現できてるかと思います。もちろん、新しい試みもしていますし、新しいメンバーが加わったことによる変化も大きいです。芯の部分は変わらず進化していると思います。
Yojiro:今の5人でしか表現できないものができあがったんじゃないかと確信しています。僕自身の方針として、以前のヴォーカル・スタイルをまるっきり踏襲するという気はまったくありません。そうしてしまったら、AGOF(A Ghost of Flare)が死んでしまう、そう思ったからです。正直、それはコピー・バンドをやってればできることですし。僕が一番大切にしている考えは、自分はAGOFで何を表現したいのか、そしてこのメンバーで何が表現できるのか、ということを意識することです。言い換えるならば、自分の精神性や人間性、感性をいかにしてAGOFの音楽に昇華できるか。今作は、そういった軸やプロセスを踏んだ結果がしっかり出てると思います。