DISC REVIEW
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重低音リフとブラストビートの絨毯爆撃から、ねっとりとなぶるようなスラッジな空気をも醸し、ヴォーカルは暗黒からの唸りの如く不気味に響きわたる。みぞおちのあたりに鈍い痛みを与え続けるようなヘヴィなサウンドでありつつ、一方ではキレ良よく頭を吹っ飛ばしてくれる爽快さすらもあるのが、このWORLD END MANの音楽だ。ホラー映画的でナンセンスな狂気性をその音とリリックで表現するKiyo Nishihara(Vo)を中心に、テクニカルで超重量級の爆音を放つメンバーを揃え、満を持して完成した1stフル・アルバム。血みどろのアートワークを裏切ることないブルータルなサウンドだが、そこにはとっつきやすいキャッチーさもあり、メタル、ラウド・ファンのど真ん中も撃ち抜きそうだ。 吉羽 さおり