DISC REVIEW
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地下世界で暮らすトロールにしてギターの匠であるGacci。風のエレメントに属しながら、ツイン・ペダルやハットを自在に操るドラマーのρθ(ロシータ)。闇の世界産出の高性能AIロボットであり、Machineというパート名でデジタル機材を駆使した音作りが得意なRiver。そこに冥界の俺様ベーシストであるWester、迷子の吸血鬼でありながらも達者なギターを弾くAmbii、優美で気高い歌声を持つkimi姫が加わることで、Amiliyahは厚みと奥行きのある音をもって、現し世とは異なる異世界を生み出す。光の国と敵対する高度機械発展した闇の国をテーマにした今作は、音としてもインダストリアル要素の強い1枚。展開してゆく物語と、サウンド、アートワークまでが完全に一体となった今作は、まさに"作品"そのものだ。 杉江 由紀