INTERVIEW
Amiliyah
2018.04.05UPDATE
Member:kimi(Vo) Ambii(Gt)Wester(Ba)
Interviewer:杉江 由紀
まばゆい光の世界と、病みの色合いさえ見せる闇の世界。Amiliyahがこのたび同時発表する3rdアルバム『HIDDEN DOOR』と4thアルバム『Departure』は、このふたつの世界をそれぞれに音楽のかたちで具現化したものとなる。光の国の王家で育ったkimi姫が、とある事情から塔に幽閉されていたところを、やがてモンスターたちに助けられ共に旅をするようになる、という壮大な物語を下敷きとしたAmiliyahの作品は、極めてファンタジックであるだけでなく、時にヘヴィで時にダークで、時にとても力強い。この対となる2作品は、必ずやあなたを異世界へと誘うはずだ。
-Amiliyahは、このたび3rdアルバム『HIDDEN DOOR』と4thアルバム『Departure』を同時に発表されますが、なんでもこの2枚には深い相関関係があるそうですね。
kimi:Amiliyahの表現してきているものは、大きく分けると光の世界と闇の世界になるんですが、これまでは光の世界を主に描きつつ、物語が進んでいくうえで、必要に応じて闇の世界のことを歌った曲も作ってきていたんですね。今回はそのふたつの世界を、それぞれ1枚ずつのアルバムとして完全に振り分けて、こうして作品化することにしたんです。つまり、この2枚は"対になっているもの"なんですよ。
-しかも、そのことは音や歌詞だけではなく、CD自体のアートワークにおいても表現されているのだとか。
kimi:中を開けていただければわかると思うんですが、今回の作品はブックレットだけではなく、CDの内ケースのところにも絵柄などが印刷されているんですよ。ここでわかるのは、ふたつの世界が繋がっているということなんです。今回のアートワークの中には、私がかつて光の世界で幽閉されていたときの部屋も描かれていますし、そこからどうやって抜け出ていくことになったのか、ということなどもわかるようになっています。
-闇の国ではなく、kimi姫は光の国に幽閉されていたわけですね。
kimi:私が幽閉されていたのには理由があるんです。私は光の国の姫だったのですが、闇の国から攻め入られた際に光の国の従者たちが私のことをかくまうべく、塔に幽閉したんですね。ところが、他の者たちはいずれも死んでしまったので助けに来る人がいなくなってしまい、私は長い間その塔に閉じこめられていたんですよ。ただ、あるとき幽閉されていた部屋にあった映し鏡の存在をきっかけにして、私はそこから抜け出すことになりました。
-もとをただしますと、Amiliyahはkimi姫と5体のモンスターにより構成されているそうですね。改めて、姫とモンスターたちの関係性というものを教えてください。
Wester:ならば、ここで初めてAmiliyahの世界に触れる者たちにもわかりやすいように、もう少しこの物語の詳細について説明しよう。まず、Amiliyahの世界は光の国と闇の国、そしてその間にある森という領域に分かれておる。
kimi:そこは"恐ろしの森"という場所です。どうやらどこかで人間界と通じているみたいです。。
Wester:そして、俺様がもともといるのはその3つのエリアともまた違う、下の方にある冥界というところだ。ちなみに、光の国は春と夏が交互にやってくる場所で、闇の国は秋と冬しかやってこない。だが、そのうち秋までもが光の国の方にしかやってこなくなったため、闇の国には冬しかやってこないことになってしまうのだ。
-そこが、光の国に闇の国が攻め入る原因だったということですか。
Wester:そういうことになる。冬しか来ないために作物を生産することができなくなった闇の国は、その代わりにテクノロジーを発達させ、高度な機械化国となっていったのだ。ただし、光を浴びる機会の少ない闇の国の住人たちは精神が病んでいき、だんだんと光の国を怨むようになってしまったというわけだな。
-なかなか根深いお話です。
Wester:だが、本題はここからだ。冥界の悪魔である俺様や、土の国にいるトロール、森にいるモンスターを始めとして、我々がなぜこうして姫と行動を共にすることになったのか、という点についても説明しようではないか。我々は、以前からまことしやかな伝説として広まっていた、なんでも願いごとが叶うという神様からの"標(しるし)"なるものを探していてな。どうやら、その鍵を握る人物が光の国の姫らしい、しかも姫はどこかに幽閉されているらしい、という噂を聞きつけたのだ。そこで、それぞれに願いごとを叶えたいと思っているモンスターたちが5体集まり、姫の幽閉されていた塔を見つけ出して破壊し、姫とともに"標"を探す旅を始めることになった、というわけだ。