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INTERVIEW

Amiliyah

2018.04.05UPDATE

Amiliyah

Member:kimi(Vo) Ambii(Gt)Wester(Ba)

Interviewer:杉江 由紀

-なお、5体のモンスターたちは個々に特色があるそうですね。

Wester:俺様は冥界の悪魔で、Amiliyahではベースを弾いておる。

kimi:悪魔なんですけど、彼は人間界にいる眼の見えない女の子と深く関わってしまって、その女の子から"Wester"という名前を貰ったんですよ。

Wester:昔は312番と呼ばれていたぞ。冥界には名前の制度はないからな。

kimi:本来であれば、彼はその女の子を殺さなければならない運命にあったのですが、彼女と仲良くなってしまったために"殺さない"という選択をするんですね。それが原因で、彼は冥界から追放されてしまった立場でもあるんです。

-では、ここにいらっしゃるAmbiiさんは? とても小柄でかわいくていらっしゃいますが、この方もモンスターなのですか??

Ambii:......迷子です。

Wester:解説しよう。Ambiiは、アルバム単位で言うと今回の3rdと4thから我々と旅をするようになった吸血鬼だ。

kimi:光の国の奥には海があるのですが、Ambiiはその海辺にある洞窟に住んでいた吸血鬼たちのひとりで、夜になって棺桶に入って眠っていたときに、洞窟が満潮で海水で溢れてしまい、係留していたはずの棺桶が流されて彼女だけが迷子になってしまったんですよ。しばらくして、光の国の海岸に打ち上げられて彷徨っていたところ、辿り着いた森で5体のモンスターのうちのGacciと出会い、彼女の母親を探すことを目的として、私たちと一緒に旅をするようになりました。

Wester:GacciはAmiliyahのギタリストでな。AmbiiはGacciにギターを教わって、弾けるようになって今に至っている。

-なんと言いますか。とても面倒......いえ、とても壮大な設定を持っているバンドなのですね。Amiliyahは。

Wester:おい、何を言っておるのだ! これは設定などではないぞ。我々は、ただ事実を述べているだけに過ぎん。

-大変失礼いたしました。では、ここで再び今回の3rdアルバム『HIDDEN DOOR』と4thアルバム『Departure』についてのお話に戻させてください。対比の強いこの作品を作っていくうえで、特にこだわったのはどんなことだったでしょうか。

Wester:Amiliyahの公演では、これまでも"黒バージョン"という形式をとることがあってだな。曲のバックの雰囲気をがらりと変えて、メロディはオリジナルと一緒なんだけれども、聴いたときの印象がかなり変わるようなショーというものをやってきているので、まず、旅立ちを意味する4thアルバム『Departure』の前に、3rdアルバム『HIDDEN DOOR』でいったんそのAmiliyahが持つ闇の部分を具現化することにした、というわけなのだ。

-ちなみに、Amiliyahにおけるメイン・コンポーザーというのはどなたになるのです?

kimi:メロディはすべて私が作っていますし、歌詞もすべて私です。原曲については、モンスターたちがそのときによっていろいろと提示してくれていますが、それはあくまでも原形なので、実質的にはAmiliyahの全員で練っていることになりますね。

Wester:作業工程的には、各々が持ってきたパーツをみんなでこねくり回しておる。と同時に、3rdアルバム『HIDDEN DOOR』については機械化された闇の国を軸に描いたものであるという点で、音的にもかなりデジタルな要素が多く含まれているな。要するに、インダストリアル色が強いのだ。

-完全に音と物語がシンクロしているのですね。

kimi:描くべき物語と表現すべき世界はすでに私たちの中にしっかりとあるものなので、あとはタイミングを見計らいながら、Amiliyahとして忠実に作品化していくようなかたちですね。

-ギター隊のアンサンブルに関しては、AmbiiさんとGacciさんの間でどのように構成していくことが多いのでしょうか。

Wester:俺様が先に答えさせてもらうと、メインになるリフをまずはどちらかが作って、それに対してもう一方はハモりで音を乗せてツイン・リード的なかたちでいくのか、あるいはまったく違うアプローチからのカブせをしていくのか、というところを考えながらギターはアレンジしていくことが多いな。そこの方針は、もちろん曲ごとの持っているイメージによっても大きく変わってくるわけだ。そして、最終的にどちらのやり方がいいのか、どうするのがいいのかという判断はみんなの意見をまとめて決めていくことになっておる。

-では、今回の3rdアルバム『HIDDEN DOOR』と4thアルバム『Departure』の中でAmbiiさんがイニシアチブをとられた楽曲はありましたか。

kimi:Ambiiは、今回『HIDDEN DOOR』に入っている「FOG」の元ネタを持ってきてくれましたね。

Wester:『Departure』では、「air」もAmbiiが持ってきたものだな。

Ambii:「air」は、勢いのある明るめな曲を作りたくて持っていったものでした。リフとかは重めなんですけど、部分的には音をキラキラさせたりもしてあって、自分なりにギタリストとしてはいろいろな要素を詰め込めたと思います。それと、「FOG」については曲自体が私のことについて歌われている曲なんですよ。姫が、詞で私のことを書いてくださいました。悲しい内容ではあるんですけどね......。

Wester:「FOG」に関しては、もともとAmbiiが曲としての断片を持ってきたというよりはバックトラックを作ってきたので、それを我々が曲として膨らませていくようなかたちだったのだ。結果、そうやってできた曲がこいつの生い立ちとリンクするような雰囲気を持っていたので、詞も姫がこいつのことをテーマに書いたということになる。

-かくして、Amiliyah全体的なことをいろいろと掌握しているWester様ですが、今作たちを仕上げていくうえで、いちベーシストとしてのこだわりはどんなところに対してお持ちだったでしょうか。

Wester:言い出せばキリはないが、1曲1曲にどれだけの魂を込めていけるか? というところだったろうな。そこに関しては強い手応えを得ているし、全体的なことも含めたサウンド・プロダクションの部分でも、今回は実験的な試みをやれて満足しておる。音の分離を前作よりも良くしたくて、いろいろと研究したからな。その甲斐あって、重厚感はありつつも風通しの良い聴きやすい音になったと自負しているのだ。