DISC REVIEW
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1988年結成のベテランが未だ健在であることを物語る12作目のアルバム。レゲエをベースにした演奏は、まさに311の真骨頂。緩んだりシャキッとしたり、振り幅の広さを使い分けながら、曲ごとに様々な要素を巧みに取り入れた曲の数々は、ミクスチャー・ロックとしても楽しむことができる。ラップ・メタル風のTrack.5「Perfect Mistake」のようなガツンと来る曲がある一方で、ギターのフレーズがむせび泣く哀愁ナンバーのTrack.10「Hey Yo」やソウル・バラードのTrack.11「Places That The Mind Goes」のようなじっくりと聴かせる曲がアルバム全体をより聴き応えあるものにしている。ベテランならではの味というよりは、311は昔からそういうバンドだった。そんな魅力を改めて印象づける会心の1枚だ。 山口 智男