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INTERVIEW

311

2009.07.06UPDATE

2009年07月号掲載

311

Member:Nick Hexum(Vo&Gt) Aaron P-Nut Wills (Ba)

Interviewer:ムラオカ

-4年ぶりの新作リリースですね?
久しぶりにアルバムをリリースして今どのような気持ちですか?

Nick Hexum(以下N):バンドとして戻るべきところに戻ってきた感じだよ。個人的には過去最高のアルバムが出来たと思うしデビュー・アルバム『Music』や『311』(※セルフタイトル・アルバム)のリリース直後に感じたような楽観的な空気を感じてるんだ。意識は高く持ってるよ!

Aaron P-Nut Wills(以下P):長いことツアーやレコーディングに追われてきたから、その生活を抜けて自分のペースで生活することができたことでいろんな武器を持って今回のリリースに備えることが出来たと思うんだ。バンドが書く初めてのアルバムってのは何十年もの人生経験の絶頂で、だからこそ大抵のデビュー・アルバムはいいものになる。初期衝動もあるしね。これは個人的な見解だけど。今回は大きなスケールの深みと創造性で聴く人に衝撃を与えたいと思ってたんだよ。

-前作のリリースから4年間と、期間が空いたようですが、この4年間どのような活動をされていたのですか?

N:毎年夏はツアーに出るからライヴは続けてたけど、レコーディングのために構想を練る時間を設けなけいけなかったから休止期間もあったよ。いいアルバムを作るためにゆっくり時間をかけなければいけなかったし締切りを排除しなきゃいけなかった。音楽的に次の一歩を踏み出すことが俺らにとってなによりも重要で量よりも質に集中したことで本当にいいものができあがったよ。

P:アルバムの間隔が4年間空いた間、毎年夏にツアーを続けた。それは自分たちの思いに従ったものでもあったし、ファンとの距離を空けないためのものでもあった。俺はギターのレッスンを取ったり、スケールや音階に取り組んだりしてそれ以前の習慣から抜けようとしたよ。LAの近郊に引越しをしたからそれもよかったね。それまではローレル・キャニオンに住んでてハリウッドの喧騒やそこらの雰囲気が本当に肌に合わなかったんだ。今は少し土地も持ってるし樹齢100年ちょっとの古いオークやシカモアの木を所有してたりする。今は生活が整然としてるよ。たくさん読書もするし、ウォークラフトっていうゲームもよくやるし、庭の手入れをあちこちやったり、1年半くらいトレーナーについてもらったり、家にいるときには週に二度はバスケをやったり、とにかくそんなことをやってたよ(笑)。

-今回、長年タッグを組んでいたRon Saint GermainからBob Rockにプロデューサーを変えましたが、長年組んでいたパートナーを解消して別のプロデューサーと一緒に仕事をするというのはかなりの決断だったんではないでしょうか?

N:いや。311のメンバーは変わらないけどミキシングに新鮮な視点とエネルギーを取り入れるためにプロデューサーは変えてきたんだ。Bobは確実に新しいアイディアを持ち込んでくれたよ。俺たちはよく「311は今までこんな感じだった…」っていうんだけどBobは「それはそれでいいけど新しい方法を試してみよう」って感じで返してくる。彼は正しかったよ!

P:そんなに難しい決断じゃなかったよ。311のシーンを新たにプロデューサーを迎えて一新するのはいいステップだってみんな思ってたからね。

-プロデューサーをBob Rockに決定した理由を教えてください。

NICK: Bobは何でもやってくれるんだ。楽器の最高の音色を作ってくれたり、曲の構造をアレンジするのを手伝ってくれたり、とにかくアイディア(キーボードやギターのオーヴァー・ダブなど)の宝庫なんだよ。歌詞や歌入れも手伝ってくれたし、なによりも最高のミキシング・エンジニアだしね。すべての領域をカヴァーしてるんだ。

P:『Uplifter』のプロデューサーの候補としてBob Rockがあがって以来、俺はもうそのつもりでいた。すでに確立されたバンドを次のレベルに引き上げた功績が彼にはあるからね。俺たちに必要だったのはまさにそれだったし。

-Bob Rockがプロデュースした作品の中で、気に入っている作品がありましたら教えてください。

N:彼の作品はすべて好きだよ。でも実際に会ったときにお互いにメタルよりパンクやポップスのほうが好きだってことで意見が一致したんだ。間違いなくお互いに共感できたね。

-9枚目にしてキャリア最高傑作と言い切れる完成度ですね?
長い年月、クオリティの高い魅力的な楽曲を作り続けていくことほど難しいことは無いと思いますが、あなたがたにとってこのアルバムをここまで完成度の高い作品に作り上げることが出来た原動力はなんでしょうか?

N:ありがとう。そんな言葉を聞けて嬉しいよ。作曲家として自分を知り、個人的なことに向き合うことで成長することが出来た。そんな成長がこのアルバムの原動力になったんだよ。

P:『Uplifter』がいいのは良い経験からも悪い経験からもきてるからだと思う。みんな興奮してくれるような作品にしたかった。時に311はテクニックに偏りすぎることがあったけど今回は味があって複雑過ぎない物が出来上がったから良い選択ができたと思うよ。