DISC REVIEW
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懐かしくも、新しい。いや、今となっては希少なサウンドだろう。前作『Landscapes』から3ピース編成になった彼ら。それ以降もライヴを積み重ねて、この新作を作り上げた。90年代のパンク、ハードコアを通過し、waterweedとしか言いようがない音を構築している。シンガロングできるメロディやコーラス・ワークにも目を配り、3ピースのカタマリ感を強くしたタイトな演奏も素晴らしい。「July 31」はTony Sly(NO USE FOR A NAME)に対する思いを綴った楽曲で、よりエモーショナルな感情が爆発している。以前と比べ、ポジティヴな歌詞も増え、それもエネルギッシュな曲調とマッチしている。くよくよするよりも、前をキッと向いた力強さが今の彼らにはあるのだ。 荒金 良介