DISC REVIEW
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バンド結成25周年を迎えたゴシック・パンク・ロック・バンド AFIが、10作目にしてセルフ・タイトルのニュー・アルバムをリリース。全体を通してエモーショナルで濃厚な世界観が展開されているが、歪んだギターが前面に出た「So Beneath You」や、疾走感溢れる「Dumb Kids」、ダイナミックなラウド・ナンバー「White Offerings」など、ハードコアだった初期の荒々しさを感じることができるトラックも。もちろん、AFI特有の湿り気を帯びたメロディもすべての楽曲に活かされており、妖しくも切ないゴシック・ロックの薫りは、日本人にはどことなく馴染み深い。情熱と知性が溶け合った今作は、まさに彼らの25年という歳月が1枚に凝縮された渾身のアルバムと言えるだろう。 山本 真由