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FEATURE

AFI

2021.06.10UPDATE

2021年06月号掲載

結成30周年イヤーでもなお、進化の止まらないAFI! 耽美なニュー・ウェーヴ・サウンドで新たな輝きを見せる新作を発表!

ライター:山本 真由

今年、結成30周年を迎えるAFI。この30年間独自のスタイルを貫きつつも、作品を発表するたびに雰囲気をガラリと変え新鮮なサウンドを届けてくれた、アメリカ西海岸のパンク・シーンの中でも特に異彩を放つバンドである。
そんな彼らが、前作から4年ぶりとなる11作目のフル・アルバム『Bodies』をリリースする。今作では、セルフ・タイトルの前作『AFI』(通称:The Blood Album)に続き、メンバーのJade Puget(Gt)がプロデュースを担当。バンドを知り尽くした彼だからこそ可能な、楽曲への深い理解と、表現の自由度の高さは、もちろんこの作品からも感じ取ることができる。

今の時代、楽曲単体の魅力については"まずはYouTubeで公開されているシングルを聴いてみて!"というのが早い話だが、結成30年、アルバム10枚を超えるバンドともなると彼らが辿ってきた歴史を含めて理解することで、楽曲にまた違った色合いを見ることができるというのも事実だ。AFIというバンドは、90年代~2000年代初頭にかけて特に、ひとつのムーヴメントを代表する存在として語られてきたが、もしかしたらその時代の彼らを知らない世代からすると、"名前は知っているけれど......"というくらいの認識になってしまっているかもしれない。そこで、新作の詳細について触れる前に、少しバンドの歴史を振り返っておこう。

AFIは、1991年にカリフォルニアで結成。THE OFFSPRINGのDexter Holland(Vo/Gt)に見いだされ、彼が主宰するレーベル Nitro Recordsを代表するバンドにも成長し、世界的な成功を収めた。初期のサウンドは、90年代の西海岸パンク・バンドらしいメロディック・ハードコア・サウンドであったが、そのあとゴシック・パンク・ロック・バンドとしての個性を開花させ、シーンに圧倒的存在感を示す。中でも、プラチナ・ディスクとなった2003年リリースの『Sing The Sorrow』、そして2006年リリースの『Decemberunderground』あたりのイメージが強いので、ゴス×エモ・ファッションと言えば、AFIのフロントマン Davey Havokを思い浮かべる方も多いのでは。また、日本を代表するロック・アーティストのひとりでもある氷室京介が、自身のアルバムでAFIの楽曲(「Miss Murder」)をカバーし、それから共演を果たしたことが話題となるなど、ここ日本でもエモ・キッズに限らず、幅広いロック・ファンから愛されてきた。そして、90年代後半からはメンバー・チェンジもなく、安定したラインナップで活動してきたということも彼らの特徴だ。いい関係性で、同じヴィジョンを共有する者同士が制作に携わってきたことが、逆に音楽性の進化に影響しているのかもしれない。

そんな彼らがリリースする新作『Bodies』は、どこか懐かしいニュー・ウェーヴ的な響きもあり、ゴス/パンクの持つ"黒"のイメージと、ポピュラー・ロック/シンセ・ロックの持つ"白"のイメージが、せめぎ合う新機軸のアルバムだ。しかしながら、まったく新しい世界観を生み出している今作は、一方でどこまでもAFIらしいとも言える。これまでの彼らの音楽性を下敷きにしつつ、大人のロックの趣を湛えた彼らの進化形態なのだ。シンセを用いたドラマチックなサウンドの中にある、独特のミステリアスな響き。そして、アングラになりすぎない絶妙なキャッチーさ。それらはまさに、彼らが長く愛される上質なロック・バンドたる所以だ。もちろん、Daveyの妖しく美しいヴォーカル・スタイルは健在。というか、この部分だけはいつまでたっても若々しいのがすごい。

今作でAFIの音楽に触れ、耽美性とアグレッションを兼ね備えた彼らの世界に興味を持ってくれたら、ぜひ彼らの過去作にも触れてほしい。今は少し影を潜めているハードコアやパンクの中にある自由な精神や、エモの様式美は、AFIの血肉になって今作の壮大なロック・サウンドに脈々と受け継がれているのだ。


▼リリース情報
AFI
ニュー・アルバム
『Bodies』
afi_bodies_jkt.jpg
2021.06.11 ON SALE!!
amazon TOWER RECORDS HMV
[RISE RECORDS]

1. Twisted Tongues
2. Far Too Near
3. Dulcería
4. On Your Back
5. Escape From Los Angeles
6. Begging For Trouble
7. Back From The Flesh
8. Looking Tragic
9. Death Of The Party
10. No Eyes
11. Tied To A Tree
 
配信はこちら

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