DISC REVIEW
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一時脱退していた初代ヴォーカリストJimの復帰作として発表された今作。まずは、その荒削りなサウンドに驚かされる。Jimの穴を埋めるヴォーカルとして加入していたIGNITEのZoliが参加した前作は、初期のアグレッションに洗練されたメロディとテクニカルなサウンドが融合した非常にフレッシュな作品だったが、今作は、完全に懐かしの初期PENNYWISEサウンドが全開。それもそのはず、これは1996年に亡くなった初代ベーシストJason存命時代の未発表曲を音源化したものなのだ。楽曲自体のパワーを活かすために敢えてプリミティヴな手法を起用。バンドが、あるべき形に戻って再スタートするために、今一度精神的に大切なものを取り戻したことを感じさせる感動的な1枚だ。 山本 真由