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FEATURE

PENNYWISE

2018.04.19UPDATE

2018年04月号掲載

衰え知らずのアグレッションでシーンの最前線をひた走る、PENNYWISEの真価を見せつけた、10年ぶりのJim Lindberg復帰作!

Writer 山本 真由

"本当に本当にお帰りなさい、Jim!"と叫びたくなってしまうような、PENNYWISEのニュー・アルバムが完成した! 今作に至るまで道のりは本当に長かった。その長い話を短く説明すると......2009年にオリジナル・メンバーでもあるフロントマンのJim Lindberg(Vo)が脱退し、その代役としてIGNITEのZoli Téglásをヴォーカリストに迎えて活動を続けたPENNYWISEは、新体制によるアルバム『All Or Nothing』(2012年)をリリースしているが、その後Zoliも怪我で離脱を余儀なくされてしまう。そこでバンドは、なんとかJimとの関係を取り戻し、JimがPENNYWISEに復帰することになったのだ。そして、バンドは原点に返り、1996年に亡くなった初代ベーシスト Jason Thirsk存命時代の未発表曲を音源化したアルバム『Yesterdays』(2014年)をリリース。私たちのよく知るPENNYWISEは、あるべき姿に立ち戻り、活動を続けている。そんな彼らの最近の活動はみなさんもご存じのとおり、今年初開催となった"Vans Warped Tour Japan 2018 presented by XFLAG"で来日し、それに伴う東京での単独公演も開催している。
 
そんななかでリリースされる今作は、Jimの一時脱退前にリリースされた9thアルバム『Reason To Believe』(2008年)以来、実に10年ぶりにJimがレコーディングに参加した新作アルバムということになるのだ! というわけで、"お帰りなさい、Jim"!
そして、そんな今作はアルバムの内容自体もまさに"お帰りなさい!"というような、初期衝動に満ち溢れた、アグレッシヴな作品に仕上がっている。アルバムの冒頭を飾るTrack.1「Never Gonna Die」から、スピード全開、ヘヴィでキャッチー、思わず拳を握るアツいコーラスが満載なのだ! 血の滾るような疾走感と、妥協のない全力の破壊力を持った演奏、哀愁を帯びたメロディといった"ぺニワイ節"に彩られた楽曲が、ひとつの休憩ポイントもなく続く。怒濤のようなアルバムだ。
プロデュースは、10年以上タッグを組んでいる盟友 Cameron Webbが今作も手掛けている。ここ数年の彼らのモダンな音作りには、少なからず彼の影響もあるだろう。PENNYWISEのやっていることは、結成から30年間まったく変わっていないのに、いつ聴いても彼らのサウンドは生き生きとして新鮮で、不思議と新しいのだ。それは、レコーディング技術の向上なんていう簡単な言葉では済ませられないような、衰えを感じさせない攻撃的なまでにパワフルなソングライティングの成せる業でもあり、時代に左右されない普遍的なパンクの精神を歌い続けているからでもあり、変わらずエネルギッシュであり続けるライヴ・バンドとしてのパッションを感じられるからでもある。近年のRANCIDやGREEN DAYを見てると、いい意味で"円熟"というか、もうなんでも好きなことを自由にやっていいリタイア後のオジサンたちよろしく"楽しく音楽やってていいね!"っていう感じがするけれど、PENNYWISEはいつまでも"最前線の戦闘員"、年金暮らしで悠々自適なんてまったく似合わないバンドなのだ。
Jimは今でもたまにサイド・プロジェクト的なバンドをやったりしていて、相変わらず自由人なようだが、バンドの要でもあるFletcher Dragge(Gt)には、ぜひしっかりと、そんなJimの手綱をきちんと握って、パンク・ロックが衰退しつつあるこの時代に光を灯す存在として、今後もPENNYWISEがPENNYWISEであり続けられるよう努力をしてもらいたい。
 

 
▼リリース情報
PENNYWISE
ニュー・アルバム
『Never Gonna Die』

[WARNER MUSIC JAPAN]
2018.04.25 ON SALE!!
WPCR-18031/¥2,376(税込)
amazon TOWER RECORDS HMV
※国内盤初回プレスのみジャケット・ステッカー封入
 
1. Never Gonna Die
2. American Lies
3. Keep Moving On
4. Live While You Can
5. We Set Fire
6. She Said
7. Can't Be Ignored
8. Goodbye Bad Times
9. A Little Hope
10. Won't Give Up The Fight
11. Can't Save You Now
12. All The Ways U Can Die
13. Listen
14. Something New

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