DISC REVIEW
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デス・ヴォイスと美しいメロディを使いこなす紅一点ヴォーカリストOtep Shamaya率いる、ロサンゼルスの4人組による6枚目のアルバム。なんとShamaya曰く、このアルバムが最後の作品になるとのこと。内容は非常にコンセプチュアルで、あるストーリーに基づいた少女の物語。どこまでも陰鬱で残虐性を帯びており、囁くようなポエトリーディングからメロディへと展開していく、静と動のコントラストの絶妙さにゾクゾクする。Shamayaがいかに優れたストーリー・テラーであるかが証明されており、まるでホラー映画を見ているかのようだ。スロー・テンポの曲が大半で、キャッチーでもないのだが、圧倒的な世界観と、徹底して独自のヘヴィネスを追求する姿勢に、命を削るような覚悟を感じる。 KAORU