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INTERVIEW

BAD RELIGION

2010.10.04UPDATE

2010年10月号掲載

BAD RELIGION

Member:Greg Graffin(Vo)

Interviewer:山本 真由 Interpreter : ジンジャー国田

-まず、デビュー30周年おめでとうございます。30年という長い間、LAそして世界のパンク・シーンの最前線を歩んで来た中で、BAD RELIGIONというバンドが最も大切にしてきた事とは何だったのでしょうか?

多分これほど続いたのは家族のような感じだから。家族がどんなことがあっても一緒にいるのと同じように、俺たちもずっと一緒にいた。うまくいく家族って、それぞれの役割分担があったり、常に一緒にいなくてもよかったりするんだ。俺たちも離れた場所に住んでいるけど、家族のように休暇や大事な集まりの時は一緒に過ごす。俺たちの集まりはライヴだったり、アルバムを作ることなんだけど、その集まりが特別なもののように思えるんだ。

-そんな中、記念すべき15作目となるNewアルバム『Dissent of Man』がリリースされるわけですが、この作品の出来には満足していますか?

とても満足しているよ。どんなものになるかはっきりしてなかったんだ。30周年ということで、あまりセンチメンタルとかあまり感情的にしたくなかったけど、結果としては非常に正直で心からのアルバムになった。この30年と言う節目には相応しいアルバムになったと思う。

-タイトルやアートワークから、今作も社会的なメッセージの強い作品であることが伺えますが、本作の一番のテーマは何ですか?

タイトルはチャールズ・ダーウィンの本、『Descent Of Man』(人間の由来)からとって「Dissent Of Man」(人間の反対意見)と、言葉のあや的に使った。ダーウィンは人間の進化論を語ったけれど、このアルバムはBAD RELIGIONの進化を祝福している。ダーウィンが本の中で最も優れた結果が人類であると述べているように、俺たちはこのアルバムが今までの中で最も優れて進化した自分達を映し出していると思っているんだよ。

-今作の作曲面で、Brett Gurewitz(Gt)が “自分の作った曲はソフトになってしまったから、パンク・ソングを書いてくれ”と依頼したそうですが、作曲面においてあなたが意識したことは何ですか?

彼と俺はチームなんだ。チームワークがあってこそBAD RELIGIONの音楽を作り出せる。彼はソフトな曲を作ったけど、全体としてのアルバムはソフトなアルバムではないんだ。ただ、誰がどの曲を作ったか分からないのがこのバンドのいい所だと思う。二人共ソフトな曲、速い曲、どちらも作る。
長年BAD RELIGIONのファンはどっちがどの曲を作ったか当ててみるゲームを楽しんできたみたいだけど、誰にも分からないんだ(笑)。Brettが作ったか俺が作ったか、本当に分からないようにしているからね。でもね、このアルバムで俺たちはパンク・シーンに於ける自分達の役割に気づき、パンクの“ゴッドファーザー”(笑)として今まで以上にソング・ライティングに自信が持てたと思う。

-二人のチームワークがつくる、独特のメロディ・センスはBAD RELIGIONの楽曲の魅力の一つとして、多くのリスナーが挙げる要素だと思います。
私は1996年作の『The Gray Race』で、そのメロディに深みが増したように感じていて、個人的なフェイバリット・アルバムなのですが、1995年~2001年のBrettが不在の間とそれ以前、現在とで、ソング・ライティングの面で変化があったと思いますか?

Brettが不在の時はバンドがバラバラにならないように、そしてバンドの伝統を続けることが自分の役割だと思っていた。その時はBrettがいないことに気づかなかったし、あとになってから、実感したよ。さっき話したチームワークがなかったからね。
でも当時は苦しんだ訳じゃないんだ。一生懸命うまく行かせることに忙しかった。その間、俺の曲作りはとても良かったと自分でも思っているし、自分のキャリアの中でハイポイントになる曲も多いけど、二人でやっている方がずっと楽しいって分かったんだ。

-そして、本作収録の楽曲の中でも一際展開のドラマティックな「Only Rain」は、BAD RELIGIONの過去の代表曲「American Jesus」や「Supersonic」、そして「Punk Rock Song」のようなライヴ・アンセムになるのではないかと感じました。既に新曲はライヴで披露しているのですか?

ライヴ・アルバムを作ったんだけど、その時に2曲くらい新曲を演奏しただけだよ。ヨーロッパをツアーした時は、新曲を演奏しなかったんだ。

-アルバムの中では異色ですが、SOCIAL DISTORTIONを彷彿とさせるミドルテンポ・ナンバー「Won’t Somebody」では、BAD RELIGIONの新たな魅力を感じました。これが今作でいうところの“ソフトなBAD RELIGION”なのでしょうか?

そうだね。