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FEATURE

DEFTONES

2016.04.08UPDATE

2016年04月号掲載

デビューから21年――メンバーの死を乗り越え制作された8thアルバムが完成。暴力的嗜好を内包し、さらなる美しさを際立たせた芸術作品

ライター:宮原 亜矢

デビュー・アルバム『Adrenaline』リリースから今年で21年、2018年にはバンド結成30周年が控えるカリフォルニア州出身のロック・バンド、DEFTONES――彼らをロック・バンドとサラッと紹介していいのだろうか? オルタナティヴ・メタル、アート・ロック、ポスト・メタル、はたまたトリップ・ホップ......彼らをカテゴライズしようとすれば往年のファンの間でも議論が起こるに違いない。であれば、DEFTONESが愛される理由とは何だろうか? Chino Moreno(Vo)のヴォーカル? 激しさ? それとも美しさであろうか? そのいずれも当てはまるのだが、絶対的な理由をひと言で言い表すことなど限りなく不可能に近い。
 
彼らにとって通算8作目である『Gore』の口火を切ったのは「Prayers/Triangles」。この楽曲には、音源公開と同時に無数のフラミンゴが舞い続ける映像が添えられていた。序盤こそ穏やかで浮遊感があるものの、コーラスは歪んでおりエモーショナル。しかし、我関せずとばかりに優雅にフラミンゴが飛び続けるのだ。なんというコントラスト。アルバム・カバーもフラミンゴが飛び交い、きれいというよりむしろ可愛げすらある。考えてみればアルバム・タイトルの"Gore"という単語自体、"血糊"や"暴力"といったどちらかというとアートワークとは真逆の意味を持っている。そのことについてFrank Delgado(Samples/Key)が以下のように答えてくれた。
 
"言葉そのものに意味合いを込めたとは思わない。言葉の響きとアルバムの見た目とサウンドとの対比だね。ピンクの可愛いジャケットと美しいサウンドに、「Gore」という醜い言葉。これらの間にあるダイナミクスって俺たちが普段鳴らしていることと共通していると思う。俺たちは常に醜くて美しく、ヘヴィでライト。ラウドでクワイエット、そしてソフトでハード。今作のジャケットは可愛いのにタイトルはとても醜いだろ? そんなコントラストこそが俺たちらしさなんだ"
 
そう、彼らをカテゴライズできずにいたのもそんなコントラストの成せる技なのだ。例えば前作『Koi No Yokan』(2012年リリースの7thアルバム)のタイトルには驚かされたが、Chinoが持ち込んだ英語に訳せないこの言葉を"自分たちの音楽みたいだ"と気に入って採用したのも、なんだか彼ららしくて微笑ましい。
 
"ひとつだけルールがあるとするならば、同じことを繰り返さないってこと。それはときに難しいこともあるが、自分たちが望まないサウンドっていうのはわかっている。コンセプトを持たず、またサウンド・スタイルを限定した作品を作らないっていうのは俺たちに合っているんだ。曲同士の印象がまるで取り憑くように右往左往させてシンプルになりすぎないように心がけたよ。まぁそれがコンセプトと言われればそうかもね。頑張りすぎず、自分自身をエキサイトさせるものを作ったんだ"
 
彼らは何より自分自身のマインドに忠実なのだ。そしてそのマインドには2013年4月13日に他界したベーシスト、Chi Chengの存在が今もあるという。
 
"Chiはいつだって俺たちと一緒に存在している。俺たちみんなが行うことのマインドの中にはいつも彼がいるんだよ"
 
きっとその場にChiがいれば興奮していたに違いない、ALICE IN CHAINSのJerry Cantrell(Gt/Vo)のゲスト参加(Track.10「Phantom Bride」)も今作の注目ポイント。DEFTONESには珍しくギター・ソロが入っているということも含めエピックであり、今作でも大きな存在感を示している楽曲でもある。
 
"これまでに俺たちが行ったコラボレーションのほとんどはとても自然な形で実現したんだ。今回も変わらないよ。この曲をトラッキングしているときにあるセクションがあって、Jerryのギターが入ったら完璧だって思ったんだ。それでコンタクトを取ってみたところ彼も気に入ってくれたんだ"
 
自らの音楽に耳を傾けて、エキサイトできるものを見出していく。今作はこれまでとは違い、メンバーがオレゴンに住むChinoのもとに3週間集まって制作、次の3週間をそれぞれの時間に費やしながらまた制作に戻ってというサイクルを繰り返した結果、当初の予定よりも時間がかかったそうだが、その分浮かんだアイディアを練るチャンスがあったそうだ。今作で特徴的なヴォーカルのリバーブ、そしてきめ細かなアレンジのレイヤーはまさにそんな彼らの挑戦の賜物かもしれない。
 
"正直言ってまだ学びながら進んでいるという感じがする。一緒にプレイしながら学び、共に曲を書き、一緒に生きている。まだ学んでいるところだよ"
 
学び続ける彼らに我々もマインドを開いて楽しもうではないか。

 

DEFTONES
ニュー・アルバム
『Gore』
Gore-jk.jpg
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WPCR-17145 ¥2,457(税別)
[Warner Music Japan]
 
1. Prayers / Triangles
2. Acid Hologram
3. Doomed User
4. Geometric Headdress
5. Hearts / Wires
6. Pittura Infamante
7. Xenon
8. (L)mirl
9. Gore
10. Phantom Bride
11. Rubicon

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