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LIVE REPORT

魔訶不思議変革者 -デスデス-

2025.02.17 @渋谷clubasia

Writer : 宮﨑 大樹

昨年2024年の"サマソニ(SUMMER SONIC 2024/TOKYO)"で鮮烈デビューを果たしたデスデス(魔訶不思議変革者 -デスデス-)が、初のワンマン・ライヴを渋谷clubasiaにて開催した。

依杯おをいの"退屈な日常を破壊しに来ました。魔訶不思議変革者 -デスデス-です"の声をきっかけに、「現実逃避☆ギャラクシー」でライヴがスタート。グループの武器である個性的な声色とパート分けから生まれる、カラフルな歌唱で観客を魅了した。さらに月姫澪乃がフロアを煽ってから、グループのコンセプト"ダーク・ヒーロー"に沿った楽曲「DARK HERO」を続け、ここからメンバーの自己紹介ラップへ。デスデスのラップ担当と言えばNANAIとなまけ・ものの2名だが、この2人が高いスキルでラップを披露しただけでなく、他メンバーも独自の色を出したラップで魅せていた。

そのままシームレスに「ナンダ・カンダ・サンバ~夏夏夏~」へ繋げ、コミカルでアッパーな楽曲の世界観でフロアをブチアゲる。間奏では不二子のハンドスプリングも飛び出しフロアを沸かせた。 不二子が突然の空腹をカミング・アウトすると、依杯おをいがまさかのカップラーメンを持ってきた。すると、"これ(カップラーメン)作れる曲あったよね"と3分ピッタリの楽曲「スリーミニッツ・ダイエット」を投下。曲が終わると天嶺まおがなぜか肝心のカップラーメンを食す。しかもそのまま倒れ込む→輸血が必要、という流れから血液型あるあるトークに移っていく。そんな寸劇だらけでなんともハチャメチャなライヴが展開されていった。上述の茶番から、血液型をテーマにした「BLOOD HUMAN」をパフォーマンス。この曲に限らずだが、作詞を担当している小柳(夕闇に誘いし漆黒の天使達/ブス担当/Vo)節が炸裂するコミックバンド調の歌詞と、丸山 漠(a crowd of rebellion/Gt)によるゴリゴリのラウドロック・サウンドの融合で生まれるデスデスの楽曲は、なんとも中毒性が高い。

ここからラウドロックを軸に世界中の音楽が目まぐるしく展開していく「ワールドアルティメットツアー」へ突入した。会場全体で肩を組んだ光景は1stワンマンとは思えない一体感だ。さらに、高層ホテルから落ちる、某テーマパークのアトラクション風アナウンスが流れてから披露したのは、「アースマンション」だ。テーマパークのBGMをラウドロックで魔改造したような奇天烈な楽曲は、シーンでもオンリー・ワンの存在感を放っている。さらに「ガチ可愛い」で畳み掛け、依杯おをいがMCのマイクを握る。

"僕たち7人はもともと事務所が一緒というわけでもなくて、本当に何もない状態から集まった7人です。そのため最初はみんながどういった気持ちでデスデスとして集まったのか全然分からない状態で練習が進んでいました。だからデビューの直前になって喧嘩みたいになってしまったことがあります。真剣な話し合いをして、みんなはデスデスとしてどうやって生きていきたいのかとか、どういうステージに立ちたいだとか、そういう話をしました。そのとき分かったんです。「絶対にでっかいステージに立ちたい」という気持ちだけはみんな一緒でした" そうして、デスデスの始まりの曲「超 寝てない」を披露。依杯おをいのMCに触発されたのか、メンバーもファンも持てるエネルギーを出し切るかのような声を出し、1stワンマンは大盛況のうちに幕を閉じた。

デスデスはデビューからまだ半年程しか経っていない。そんな駆け出しの彼女たちだから、やはりまだ荒削りな部分はある。それでも制作陣は豪華だし、メンバー個々の持つポテンシャルの高さも確かに感じられた。これから彼女たちが経験を積み重ねてデカいステージに上り詰めていく、その過程に期待したい。

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