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LIVE REPORT

ステミレイツ

2024.02.25 @川崎CLUB CITTA'

Writer : 山口 哲生 Photographer:曽我 美芽/Mime Soga

5人組YouTuberガールズ・バンドによる初の全国ツアー、ついに開幕。笑顔と涙に溢れたツアー初日の川崎CLUB CITTA'公演をレポート


全国8ヶ所を回るワンマン・ツアー"STMLT STORMBREAKER JAPAN TOUR"をスタートさせた5人組YouTuberガールズ・バンド、ステミレイツ。激ロックでは、3ヶ月にわたって彼女たちの座談会企画を実施。TRiDENT、アイリフドーパ、a crowd of rebellionの3組をそれぞれゲストに招き、自身初の全国ツアーを成功させるべく、活動していくなかで感じていた疑問を、シーンで活躍する先輩バンドたちに訊ねてきたが、2月25日、いよいよツアー初日となる川崎CLUB CITTA'公演の日を迎えた。なお、ライヴ前日には台湾で開催された "浮現祭 EMERGE FEST. 2024"に出演し、初の海外公演も経験。現地のオーディエンスを沸かせたあとに帰国し、ワンマン・ライヴを行うというスケジュールになっていたが、疲れを微塵も感じさせることのない満面の笑みと、重くて熱いバンド・サウンド、ラストには涙を垣間見せるエモーショナルな一夜となった。

高揚を煽るエレクトロ・サウンドが流れるなか、ごみちゃん(Dr)、あきら(Ba)、輝星(Gt)、あやのん(Key/デスボ)、ゆきっぺ(Vo)の順にステージに登場。歓声を上げるオーディエンスに向けて、メンバーそれぞれがアピールすると、"ツアー初日、全員かかってこいよ!  行くぞ!"とゆきっぺが叫び、ツアーの開幕を告げる「刺激」へなだれ込むと同時に音玉が炸裂! 強烈なまでに低音を効かせたバンド・サウンドを高鳴らし始めた。あきらがステージ前に飛び出して重音を放つと、あやのんもフロアにシンガロングを求めながら前に出てくる。

力強いギター・ソロを輝星が弾き上げれば、ゆきっぺも透明感のあるハイトーン・ヴォイスを張り上げて、ぐんぐんと場内の熱気を高めていくと、曲のラストではあきら、あやのん、輝星、ゆきっぺがステージ最前線でオーディエンスを煽りながらプレイ。そんな4人を後ろから見守るごみちゃんも、笑顔で鋭いフィルを叩き込んでいた。高まったフロアの熱をさらに引き上げるべく、5人が次曲に選んだのは「イナズマ」だ。"飛べ! 踊れ!"とゆきっぺが観客を煽りながら、テンション高めに歌をぶつけていけば、ショルダー・キーボードに切り替えたあやのんがオーディエンスを先導し、場内が一体となってライヴを楽しんでいた。

MCでは、ゆきっぺが"上京してきて初めて住んだ街が川崎だった"と明かし、"つらいことも楽しいことも過ごした第2の地元です。なので、今日は凱旋ライヴと言っても過言ではありません! 今日はみなさんと熱い夜を過ごしたいと思います!"と改めて宣言すると、"声を出す準備はできてますか!?"とあやのんが叫び、「AnimaZ」がスタート。各パートのソロ回しとコール&レスポンスを組み込んだメンバー紹介でオーディエンスの声を求めていくと、輝星がエグい音のギター・リフを轟かせて「追求」へ。「dream walker」ではあやのんが笑顔で強烈なデス・ヴォイスを響かせると、その勢いのまま「TWILIGHT」を叩き込み、ヘヴィ・サウンドでフロアを席巻し続けていた。また、今年1月に発表した新曲「EVOL AI」も披露。ステミレイツらしい重量感のあるサウンドを軸にしつつも、シンガロングでオーディエンスをまとめ上げていくアッパーチューンでは、ステージ後方で巨大な火柱が何度も立ち上がり、大迫力のパフォーマンスを繰り広げた。


ぶつかったりしたこともあったけど、どこまでも行けるなと思ってます。


MCは控えめに、矢継ぎ早に曲を繰り出していくライヴ構成になっていたが、輝星いわく"みんなを苦しめるためのセトリにした"とのこと。まさに全力で駆け抜けていくパワフルなステージになっていたのだが、現状の持ち曲は7曲ということもあり、瞬く間にすべて演奏し終えて本編は終了。アンコールで再びステージに戻ってきたメンバーたちは、オーディエンスを巻き込みながら、賑やかにトークを繰り広げていた。

全曲終了後、メンバーそれぞれが自身の思いをオーディエンスにまっすぐに話し掛ける。声を張り上げていたオーディエンスに"めっちゃ頑張ってくれてありがとう! すげえー!"と叫んだあやのんや、このステージに立つに当たって、いろいろな人たちの支えや、自分がドラムを好きなこと、ファンの温かさやメンバーとの絆を改めて感じることができたと話したごみちゃん。本当にできるのか不安もあったけれど、大好きな会場に立てたことが嬉しいと、涙で言葉を詰まらせながら話したあきら。

そのMCを受けて、"結構うるっときてしまった"と話す輝星は、涙を見せながら"みんないい子たちなんですよ、上から目線ですけど。私が一番年下なんですけど"とフロアを和ませつつ、"ぶつかったりしたこともあったけど、どこまでも行けるなと思ってます。みんなも一緒に行きましょう!"と叫ぶ。メンバーのMCを聞いていて、"自分がしゃべる前に泣いてしまった(苦笑)"と話すゆきっぺは、この日に向けてそれぞれが課題を見つけ、その壁を乗り越えてきたが、もし自分ができなかったらみんなの努力を壊してしまうのではないかというプレッシャーを感じていたそう。しかし、ひとりで悩んでいたらメンバーが支えてくれたと話し、"ここにいるみんなも含めて、全員で作り上げることができたツアーの初日だったなと思います。これからもついてきてくれますか!?"と絶叫。それに応えるように、オーディエンスが大音量の歓声を上げ、この日のライヴを締めくくった。

メンバー全員が終始楽しそうにプレイしていたものの、緊張もあってか、前半は少し動きや演奏が固い場面も見受けられたのだが、曲が進んでいくにつれて少しずつリラックスしていったような印象も。後半はかなり伸び伸びとパフォーマンスをしていたこともあり、ここからツアーで場数を踏んでいくことによって磨かれていく部分はかなりあるだろう。初の全国ツアーを通して、彼女たちは何を得るのか。楽しみにしていたい。


[Setlist]
1. 刺激
2. イナズマ
3. AnimaZ
4. 追求
5. dream walker
6. TWILIGHT
7. EVOL AI
En1. 追求
En2. TWILIGHT
En3. EVOL AI
En4. dream walker

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