LIVE REPORT
COBRA STARSHIP
2010.03.08 @恵比寿LIQUIDROOM
Writer MAY-E
08年9月にディケイダンスフェスにて初来日を果たし、ヘッドライナーのTHE ACADEMY IS...にも劣らない人気ぶりを見せつけたCOBRA STARSHIP。2010年2月に行われたファン待望の単独公演に足を運んだ。
開演時間の19時を回ると、明るくなったステージに小柄な男性が一人出現。YMCAの音楽がどこからともなく流れると、曲に合わせて一人踊り出すではないか。バンドの登場を待つオーディエンスも一瞬肩透かしを食らったが、このユニークなパフォーマンスに拍手喝さい。サビではオーディエンスと共にYMCAのポーズを取るほどの盛り上がりを見せるのだった。サングラスをかけ、Tシャツを脱ぎ、イケイケで踊っていた彼だが、3分ほど経過したあたりでステージ袖をチラチラと気にし出し、もうもたないよ!というリアクション。フロアからも笑い声が飛ぶ。とうとう場がもたなくなったのか、最後はそのまま客席にダイブしてみせた。
どうやらバンドのスタッフを務める人物らしいのだが、やらされた感バリバリだった(笑)パーティー大好きなCOBRA STARSHIPらしいサプライズ演出と言ったところか。スタッフさん、お疲れさまでした。
そのまま待つこと10分。いよいよバンドが登場だ!
メンバーが登場した時の歓声は初来日の時の比ではない。カラフルなTシャツに身を包んだ若い女性ファンが圧倒的に多く、客席の後方には小学生くらいの小さな男の子までいて、ステージに向かって一生懸命手を振っていた。『Hot Mess』を機に日本でもより広いファン層を獲得したことを物語る。
長身のフロントマン、Gabe Saporta(Vo)はストリート系のカジュアルなファッションで登場。だがセクシーな身のこなしは健在だ。クラシカルな雰囲気を纏う紅一点のVictoria Asher (Keytar)がステージに華を添えている。GabeがVictoriaの腰をぐいっと引き寄せる度にフロアから"キャー!"と歓声が。
最新アルバム『Hot Mess』だけでなく、『While the City Sleeps, We Rule the Streets』『¡Viva La Cobra!』からもくまなくプレイ。アルバム毎に少しずつ変化してきたCOBRAサウンドだが、ライヴで聞くと一つのアルバムから切り取ったように、まるで違和感がない。COBRA STARSHIPらしいグルーヴ感はもちろん生きているが、ロックらしい鋭さも強まっている。原曲よりややピッチを上げてプレイした曲もあったが、リズム隊が安定しているから気持ちよく、ライヴ感が増していてとても良かった。
「日本ダイスキー!アリガトーゴザイマス!」と日本語を織り交ぜながら、Ryland Blackinton (G)が悠長に自己紹介。初来日公演では"どんだけ~"を何度も繰り出していたが、今回は"トゥース!"を取得。ファンにも大ウケだ。
オーディエンス全員が作り出したコブラお馴染みのハンドサイン、フロア後方から見ていると実に壮観である。COBRA STARSHIPはロックを武器とする最高のエンターテイナーだ。
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