LIVE REPORT
THE LIVING END
2009.06.02 @渋谷O-EAST
Writer 山本 真由
当日の渋谷O-EASTはライヴ前から熱気ムンムン。会場を埋め尽くした「まだかまだか」という高揚感が最高潮に達した午後七時。ライヴはオンタイムで始まった。
一曲目は、最新作より「Raise the Alarm」!安定した演奏とコーラスは、流石の貫録。オーディエンスのテンションもいい感じだ。続けて、畳み掛けるように名曲「Roll On」!ベースのScottが、ウッド・ベースに乗ってのパフォーマンスでさらに盛り上げ、早くもクラウド・サーファーが続出!
ScottとAndy(Dr)は最初からノースリーブだったけど、Chris(Vo&Gt)は長袖のシャツにベストという出で立ち。いきなり汗だくですが大丈夫?(笑)なんて余計な心配をしてしまうくらい、熱のこもった演奏とヴォーカルでライヴは続く。
それにしても、ウタもののメロディック・パンクと、激しいロカビリー調の曲と、硬派なロックンロールをこんなにも事も何気にモノにしているバンドは、他に居ないんじゃないだろうか。Scottのベースは柔軟で、スラップをしないウタものの曲ではウッド・ベース独特の歪のある低音を美しく効かせ、ロカビリーになればガンガンにビートを打って曲を走らせる。また、オーディエンスにコーラスを促したり、派手なパフォーマンスで沸かせる盛り上げ上手でもある。言わば、バンドのエンジンだ。
3rdアルバム『Modern Artillery』からTHE LIVING ENDに加わったAndyも、本当にこのバンドに適任のドラマーだ。この日のライヴも、こんなに派手な演奏をしながら何でコーラスが出来るんだろう・・・という程パーフェクトなパンク・ドラマーっぷりを見せつけてくれた。
今回意外と少なかった前作からは「What's On Your Radio」、この日一番の盛り上がりとアグレッシヴな演奏でライヴはクライマックスへと突入!そして「E-Boogie」、Chrisのギターソロ!!ファンの中にも、このChrisのギターソロが長いとか要らないとかっていう人も居るのは事実。しかし、これがまさにTHE LIVING ENDをTHE LIVING ENDたらしめている、このバンドの性格なんだと思う。パンク・バンドにしてはトゥーマッチな演奏、音や演奏への純粋なこだわりが、彼らをパンク・バンドに止まらないロックンロール・バンドとして私たちの心を掴んで離さないのだ。
全体的には新作を中心としつつも、全アルバムからバランス良く選ばれた楽曲、特に1stからの曲にファンは大興奮だった。「Prisoner of Society」は勿論、全員で大合唱!
アンコールも2ndから「Pictures in the Mirror」、1stから「West End Riot」と、初期の名曲できっちりしめてくれた。
前回のSUMMER SONICでのコンパクトなショウと比べると、本当に「たっぷり一時間四十分」という大満足の非常に濃密なステージだった。
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