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INTERVIEW

黑猫

2025.10.06UPDATE

2025年10月号掲載

黑猫

Member:或花(Vo) ヒナタ(Gt) おーる。(Ba) haku(Dr)

Interviewer:山口 哲生

-歌詞もヒナタさんが書かれていますが、いつもどういうふうに書いていくことが多いですか? 楽曲の持っている空気感を膨らませていくようなものが多いなと思ったんですけども。

ヒナタ:いつもテーマを先に考えてから曲を作るので、大体のことはもう決まっていて、歌詞はそれを言語化していくだけというか。だから曲のほうが後なんですよね。

-"痛み"というお話があった通り、そういったものが表現されていますけど、「孤独少年ゼットマン」(2024年2月リリースの2ndシングル)は、他とはだいぶテンションが違いますよね。

或花:結構ストレートな歌詞ですよね、唯一ぐらいの。

-言ってしまえば、前向きとも捉えられるというか。

ヒナタ:あれは2ndシングルなんですよね。深夜テンションで書いたというか。出した当時はバンドが結構荒れていたので、なんでや! っていう気持ちで作っていたんですけど、人によって捉え方が全然違いますね。前向きという人もいれば、孤独を感じる人もいるし。自分としては孤独を押し出してるんですよ。でも、なぜか知らないけど前向きになってるっていう。

-あと、現在音源を制作されていて、そちらも先にデモ段階のものを聴かせていただいたんですが、或花さんが作詞作曲されている「夢堕アリス」という楽曲が収録されていて。シンセをかなりフィーチャーしたものになっていますけども。

或花:自分が黑猫に入るのが決まる前から、こういうのをやりたいなみたいな感じで作っていた曲なんですけど、明らかに今までの黑猫みたいな密室的な世界観じゃないから、さすがに採用されないだろうなと思って。でも、一応ヒナタさんにこういうデモがあるんですけどって聴かせたら、"いいじゃんいいじゃん。いろんな曲があっていいと思うからやろう"ってことになったんです。

-ヒナタさんとしてはやろうと。

ヒナタ:そうですね。そっちのほうがいいし。自分が触れてこなかった感じの曲だったので、新しいしかっこいいし、なんだこれはっていう衝撃でしたね。

或花:イメージ的にはマーキュロとかペンタゴンとか、そういう世界観を意識しつつ、Another Storyだったり、MEJIBRAYだったり、ヘヴィさときれいさをいい感じに融合させようと思って作ったので、今までの黑猫には全然ない方向性の曲ではありますね。

-hakuさんは「夢堕アリス」を聴いた印象というと?

haku:クオリティ高かったです。音大生が作る曲だなって。

或花:ははははは(笑)。

haku:楽器以外の音の入り方とか、出るところと引くところの塩梅とか、細かいところまで全部がクオリティ高くて。難しい(笑)。

或花:あぁ(笑)。ギターは自分で弾いたんですけど、ライヴで弾くことを全く想定せずに打ち込みで作ったので、最近やっとライヴで弾けるようになったぐらいで。

おーる。:激ヤバだなって思いました(笑)。自分はボカロを通ってきたので、曲調は好きだったんですけど、自分が弾くことを考えると、もうそれどころではないなっていう感じでしたね。それこそライヴでやっと弾けるようになってきてはいるんですけど、もうパッションのことなんて考えられず(笑)。すんごい大変な曲ですね。

-あと、現在制作されている音源にはボーナス・トラックでSEを収録される予定とのことですが、これはライヴで使っているものだと。

ヒナタ:そうですね。SEも音源化してほしいという声があったので、まとめちゃおうかなと思って。

-いただいたデモの中に、"もっちゃりネイル屋さん"っていうSEがあったんですけど、なんでこのタイトルを付けたんですか?

ヒナタ:いや、SEってタイトルの付けようがないんで、思いついたことを入れただけです(笑)。

-"閉鎖病棟"とか"東京崩壊"とかはイメージが浮かぶんですよ。あとは"煽り"も。ただ、"千葉県"と"もっちゃりネイル屋さん"にすごく引っ掛かっちゃって。

ヒナタ:タイトルがちゃんとしてるやつは、それこそ他の曲と一緒で、テーマがある上で作ってるんですよ。こういうSEを作ろうっていうところから始めていて。だけど、タイトルがそんなやつは、自分が今どのレベルまで作曲できるんだろうって実験というか。作ったシンセの音とかを試してみて、これいいじゃんっていうのを書き出してるだけなので、タイトルも何もないんです(笑)。

-なるほど。自分で実験的に作ったものをシンプルにアウトプットしたのが「もっちゃりネイル屋さん」。

ヒナタ:あと「千葉県」。

-(笑)なんで"千葉県"だったんですか?

ヒナタ:そのときたまたま旅行で千葉にいたんです。

-はははは(笑)。今後の予定についてですが、12月1日に渋谷近未来会館で"黑猫一周年記念単独公演"を開催されます。こちらのライヴへの意気込みと、今後黑猫としてどんな活動をしていきたいか、個人としてはどんな存在になっていきたいかも併せてお聞きできればと思います。

或花:1年前の段階では、もう少し小さいハコでやる予定だったんですよ。近未来(渋谷近未来会館)の半分かそれ以下ぐらいのところを押さえていて。ただ、今年に入ってからぐらいのタイミングで、もっと大きいところで挑戦できるんじゃないかっていう話をおーる。が投げてくれて、そこからみんなで話し合って、挑戦の意味を込めてそのときの俺等からしたら大きいハコを押さえたんですけど。そこから少しずつお客さんも増えていったり、いいイベントに呼ばれるようになったりしてきて、結果的にその選択は間違ってなかったと思うので、決めたときに想定してた以上のお客さんを入れたいですね。やっぱりやるからにはパンパンにしたいので。

-間違いないですね。

或花:あと、本当に最初の頃はただただ必死で、とにかく他のバンドに追いつこうみたいな感じだったんですよ。特にヴォーカルって、経験値がものを言うというか。ただ歌が上手いだけじゃなんの魅力もないから、いろんな人のライヴを観たり、動画とかを観て研究したりっていうのをしてきて。まだ全然ですけど、自分としてもバンドとしても、ようやく周りが少し見えてきたぐらいの段階になってきた、いいライヴができるようになってきたと思うので、この1年間で一番いいライヴをしたいし、それをたくさんのお客さんに観てもらえたらなって思ってます。

-それを踏まえて、今後はどんな活動をしてきたいですか?

或花:もう来年の話も結構していて、身の丈以上のハコを押さえたり、押さえようみたいな話になったりしていて。最初は12月の近未来会館が目標だったんですけど、その先を見据えてやっていこうみたいな段階にはなっていますね。理想のヴォーカリスト像としては、歌が上手いとか、歌がいいっていうのはもちろんなんですけど、言葉とか煽りとかに説得力があって、オーラとか雰囲気のある人になりたいですね。この1年間はとにかく必死だったので、ここから先はバンドを背負って立てるようなフロントマンとして、俺がこのバンドのヴォーカルだっていうのを出していけたらいいなって思ってます。

おーる。:12月1日は、自分がヴィジュアル系を始めて1年であり、10代最後のワンマンになるので、結構気合が入ってますね。黑猫に入ったばかりの頃は、自分はどうすればいいんだろうみたいな、自分らしさをずっと探し続けていて。まだ確定はしてないんですけど、この1年間で探し出してきたものを全部ぶつけるライヴにしたいなと思ってます。ベーシストとしては、まだ"この人に似てるね"って言われてしまうことが多くて。そこは嬉しさもありつつ、コンプレックスになっているところでもあるので、黑猫のおーる。はこうだよねって言われるようなベーシストとして、動きやパッションを大事にしていきたいなぁと思ってます。

-10代最後というお話がありましたけど、黑猫は平均年齢21歳っていうことを公表してますよね。ヴィジュアル系で年齢に触れるのって結構珍しいと思うんですけど。

ヒナタ:出したほうが強みになるっていうのを周りの人に言われて、じゃあ出そうかって(笑)。逆に出せるのは今しかないんで。

或花:たしかに、30になってから"30になりました!"って言っても。

ヒナタ:そうそう。

-たしかに(笑)。では、hakuさん、意気込みをお願いします。

haku:12月1日のワンマンは、この1年かけてついてきてくれたお客さんとか、そこで初めて観る人に分からせる日ですね。俺等の音じゃないと満足できない身体にしてやろうか? っていう感じです。今後については、ヴィジュアル系として、ヴィジュアル系じゃないバンドといっぱい対バンしたいです。黑猫はヴィジュアル系なんですけど、バンドなんで、俺は音で勝負したいし、ヴィジュアル系って狭いんでやっぱりバンドとしていろいろなところと戦いたい。今はまだそうなれていない気がして。顔の良さとか、衣装の派手さとか。音楽で正面でぶつかっている感は、個人的には今はまだそんなにないので、そういう戦いをしていきたいです。

-ヒナタさんはいかがでしょうか。それこそ見返してやるつもりで再スタートを切って1年という時間が経つわけですけども、当日はどんなライヴにしたいですか?

ヒナタ:でも、お客さんにしたら内部事情は知ったこっちゃないので、お客さんが楽しめるようにできたらなと思います。とにかく目の前のお客さんに楽しんでもらう。それだけですね。そこで沸かせられたら、来年もあるんで。

-かっこいですね。言ってみたら復讐心から始まった現体制だけど、それよりも目の前にいる人を沸かせるほうが大事というのは素敵だなと思いました。

ヒナタ:お客さんが胸を張って"黑猫通ってます"って言えるように、日本でも海外でも千葉県でも通用するバンドになりたいですね。

LIVE INFORMATION
"黑猫一周年記念単独公演"

12月1日(月)渋谷近未来会館
OPEN 17:30 / START 18:00
前売 ¥4,000 / 当日 無料(D代別)
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