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INTERVIEW

Tweyelight

2025.09.25UPDATE

2025年09月号掲載

Tweyelight

Member:Juno(Vo) Kabaya'n(Gt) せきゆ(Ba) Tkken(Dr)

Interviewer:サイトウ マサヒロ

繊細に絡み合うエモーションを宿した唯一無二のクリーン・ヴォイスと、獰猛なスクリームで空間を支配するJunoを擁する4人組、Tweyelight。昨年9月に現在の4人体制となり、3ヶ月連続のシングル・リリースや自主企画の開催を経て、激しくも艶やかな最新型のラウドロックに磨きを掛けている。11月に4thシングルをリリース、そして12月には初のワンマン・ライヴ開催と攻撃態勢に入ろうとしている彼女たち。改めてこれまでの軌跡を振り返りながら、その美学を紐解く。

-Kabaya'nさんがJunoさんを熱心に誘ったことが結成のきっかけだそうですね。

Kabaya'n:次にバンドを組むときには、ヴォーカル選びで妥協せずに、こいつとならバンド人生を終わらせてもいいと思えるような人とやりたいと思ってたんです。そんなとき、SNSでJunoちゃんを見つけてピンと来て。たまたま共通の知り合いがいたので連絡させてもらって、一度スタジオで会いましょうと。で、合わせたらもうバンドを組む流れになってたよね。改めてやりましょうって言うでもなく、"バンド名どうする?"みたいな。

Juno:彼、めちゃくちゃ真面目なんですよ。バンドマンっぽくないっていうのが第一印象で、その熱量とまっすぐさを買ったところがありますね。細かいところまで、自分の芯があるんです。頑固で真面目なやつがバンドに1人は必要なんですよ。

-始動時点で、こんなバンドをやりたいっていう明確なヴィジョンはあったんですか?

Kabaya'n:それは全くなかったかもしれないです。そもそも2人の聴いてきた音楽が全然違っていて、Junoちゃんはがっつりラウド系や洋楽。

Juno:LINKIN PARKとか、Pay money To my Painとか。

Kabaya'n:僕はB'zとか90年代の邦楽が好きだったので、最初は音楽性に迷ってましたね。なので、とにかくJunoちゃんの声に合ったものを書きたいなと。それをまた彼女が歌いたいようにアレンジして、それをまた僕がアレンジして......っていう試行錯誤を繰り返して曲ができるので、当初のデモと結構違うものになることも多いです。

Juno:今のメンバーになって、それぞれの根底にある好みが融合してようやく今の形に辿り着いたかな。最初に思い描いていたよりも、もっと面白いヴィジョンを持てています。

-理想像を追い求めるというよりは、メンバーみんなで音楽に向き合いながらアイデンティティを模索しているような。

Kabaya'n:そうですね。まさに模索っていう言葉が合うと思います。

Juno:お互いのインスピレーションを織り重ねることで良いものができるんじゃないかなって。聴いたことのない、面白いサウンドを追求してます。

-ちなみに、"Tweyelight"というバンド名の名付け親は?

Juno:私です! LINEで話し合ったのをめちゃくちゃ覚えてますね。最初はメタルコア・バンドにありがちな、略したら英語4文字になるような名前にしようとしてたんですよ(笑)。でも長すぎるって止められて。そこで思いついたのがTweyelightでした。Two、Eye、Lightを組み合わせて"2つの目で見た光"っていう意味を込めて。響きはTwilight=黄昏だけど、見たことのない綴りだから、検索しても我々しか出てこないです。

-エゴサ対策もバッチリですね。

Juno:そうそう。だからKabaya'nが正しかったんですよ(笑)。止めてくれてありがとう。

-最初に考えてた候補はどんな感じだったんですか?

Juno:"Hope In Wonderland"みたいな(笑)。なんか、中二病で長い名前でした。

-その後、せきゆさんとTkkenさんがまずはサポート・メンバーとしてバンドに加わった経緯は?

Kabaya'n:ケンケン(Tkken)は始動ライヴからサポートしてもらってたんですけど、もともと専門学校で同期だったんですよ。ただ当時は接点が全くなくて。2年間、同じ学科なのに喋ったことは何回かしかなかったよね。

Tkken:そうだね。授業もほとんど被らなくて。すれ違って挨拶するくらいの、いわゆる"よっ友"みたいな(笑)。

Kabaya'n:ケンケンは当時からcoldrainとかやってたし、ラウド系が好きだったよね。すごく上手だっていうことは学科の中でも有名でした。で、卒業してからあるバンドのサポートでケンケンを見る機会があったんですけど、ヴォーカルじゃなくてケンケンにしか目がいかなかったんです。それですごく好きになって、自分のソロ・プロジェクトでもサポートしてもらうようになって。Junoちゃんとラウドロックをやるという流れの中で、もうケンケンしかいないんじゃないかと。

-せきゆさんに関してはいかがでしたか?

Kabaya'n:友達からの紹介でした。ベーシストのヴィジュアルやサウンドについては僕なりの理想像があって、せきゆ君はそこにピッタリ当てはまったんです。ただ、ベース・プレイは思っていたのと180°違ったんですよ。

-表層的な部分はイメージ通りだけど、演奏している内容は全然違ったと。

Kabaya'n:はい。でも、それが逆に面白いと思ったんです。今もデモを作るときはベースをほとんど打ち込まずにせきゆ君にお任せしてるし、本来ギターを目立たせようとしてたパートに派手なベース・フレーズが入ってきて、後からギターを引っ込めることもよくあります。

-Kabaya'nさんのプラン通り、妥協なしの最強メンバーが揃いましたね。

Juno:戦隊モノみたいな感じやんな。キャラも被ってなくて。

-そんなお2人は、サポートを経て昨年9月に正式メンバーとなりました。

Juno:サポートのときから2人が好き勝手やっててそれが自然だったから、ハマってるなと思ってたんですよ。もう、完成しとるなって。だから、どうやって口説くかをKabaya'nとずっと考えてました。

-Tkkenさんはサポート期間中、Tweyelightというバンドについてどう感じていましたか?

Tkken:とりあえず、こいつ(Juno)めちゃくちゃよく喋るなっていう(笑)。

Juno:間違いない(笑)。

Tkken:でも、ステージでは人がガラッと変わるから、それも魅力的だなって。Kabaya'nとの腐れ縁もあったし、当時自分がメンバーだったMAKE MY DAYが活動終了することになってから、自然に"入ってもいいかな"と思うようになりました。

-せきゆさんは?

せきゆ:僕もずっとバンドを探してたんですけど、SMAPや嵐みたいに、誰がセンターに立っても違和感がないようなグループに加わりたいと思ってたんです。で、曲に関してはメロディがしっかりしてるのが良くて。"あれ? Tweyelight、いいじゃん"ってサポートしてる間に段々気付いていきました。

-4人体制になってから現在までの約1年間の活動については、どう振り返りますか?

Juno:この4人になってからが本当の始まりやったなって思います。3枚のシングルを作るなかで、"これ、革命みたいなこと起こせるな"って。

Kabaya'n:去年の9月にリリースしたEP『Last Utopia』も、当時サポートだった2人に演奏してもらってはいたんですけど、やっぱりまだ壁がありました。今年の3ヶ月連続シングルは、メンバー全員が参加してスタジオで意見交換をしながら制作したので、ようやくバンドとしてみんなで作品を作り上げられたっていう実感を得られましたね。

Tkken:正式加入前はクライアント同士みたいな立場でしたけど、シングル3作では制作にしっかり加わって、シンガロング・パートでは声もレコーディングして、"バンドの一員になったんだなぁ"っていう感覚でした。

せきゆ:たしかに、僕も意見を言うようになりました。Kabaya'nに"サビのメロディを変えてほしい"って電話で伝えたり。

-1年かけて、メンバー同士の対等な関係が築けたんですね。

Juno:やっと土台ができたんですよ。ずっと土を耕してて、ようやく花や木を植える準備ができた。これから、私が信じてきたまっすぐでカッコいいラウドロックの新時代に殴り込んでいきたいです。

Kabaya'n:12月に開催するワンマン・ライヴ([Tweyelight 1st ワンマンライブ''Emberlight''])が、ある意味この4人でのTweyelightのスタートラインになると思ってます。

-では、楽曲制作のプロセスについて教えてください。

Kabaya'n:土台になるデモを僕が書いて、各パートを100パーセントまでは仕上げずに投げた上で、好きなようにアレンジしてもらっています。

-先程お話に出たシンガロング・パートも含めて、ライヴでの盛り上がりが目に浮かぶ楽曲が多いですが、やはり制作時からステージのことを意識しているのでしょうか?

Kabaya'n:ライヴを想像するというのももちろんですけど、それよりもJunoちゃんが歌ってる姿を想像して作りますね。ここでスクリームしてる姿がカッコいいんじゃないか、ここでこんなMCをしてたら映えるんじゃないか、とか。なので、制作段階でのJunoちゃんへの要望が、歌以外の部分に関わっていることも多いです。

Juno:常にライヴでの見え方までがワンセットやな。

Kabaya'n:演出込みで考えますね。照明の色とか。

-ライヴで照明さんに提出するセトリ表の内容が、すでに制作段階で見えているような感覚?

Kabaya'n:そうそう。

Juno:私たちのライヴって、ちょっと舞台っぽいよな。曲が曲だけで終わらんというか。頭から終わりまでを、1つの物語みたいにしたいってよく話すんですよ。その上で、エンターテイナーである以上は、お客さんを誰一人置いてけぼりにせずに巻き込むことが目標で。横にいるのが知らない人であろうとも、みんなが輪の中にいるんだよ、Tweyelightの温かい光の中にいるんだよっていうのを、音楽を通して伝えたいんです。

-音の情報だけじゃなくて、そこに生まれる空間をイメージしていると。

Juno:そうですね。だから色や光を大事にしてる。人間って、目でも耳でも肌でも何かを感じられるから、そうやって全部を使って届いたものは、心にちゃんと響いて忘れられなくなるんですよ。そういう瞬間を4人で作ってます。