INTERVIEW
Jien Takahashi(VIOLET ETERNAL)×冠 徹弥(THE冠) 対談
2025.05.16UPDATE
2025年05月号掲載
2023年、Jien Takahashi(MAJUSTICE)が"究極のメロディック・メタル"を体現すべく、Ivan Giannini(DERDIAN/THE 7TH GUILD/ex-VISION DIVINE)にコンタクトを取り、結成したVIOLET ETERNAL。昨年は1stアルバム『Reload The Violet』をリリースし、10月には初の来日公演"Under the Violet Tokyo"を開催した彼等が、7月19日、20日にSHIBUYA CYCLONEにてTHE冠との対バン・ライヴ"THE VIOLET 冠"を開催する。サシでじっくり話すのは初めてと言う2人による、ライヴ開催を記念したこの日の対談。Jienの熱いラヴ・コールで実現したという共演への想い、そして両者のリスペクトやメタル愛を熱く語り合った。
VIOLET ETERNAL:Jien Takahashi(Gt)
THE冠:冠 徹弥
Interviewer:フジジュン
王道の方とどっぷりライヴしたいと思ってたんで、即決でした。高まってます!(冠)
-7月19日、20日の2日間にわたって開催されるVIOLET ETERNAL×THE冠の対バン・ライヴ"THE VIOLET 冠"。1万円のVIPチケットが発売30分でほぼ完売と、すごく注目度の高いライヴですが、まずはライヴ開催に至る経緯を聞かせてください。

Jien:VIOLET ETERNALが去年の10月、SHIBUYA CYCLONEで初来日公演を行ったのですが、すごくいい反響で、"これは頻繁に続けていかなきゃいけない"と思ったとき、どうせやるなら足し算ではなく掛け算にしないとダメだと考えて。例えば、ファン層が被ってるバンドとのライヴだと、お客さんにしたら安心感があると思うんですけど、それ以上の広がりはない。だったら両者のファンが被ってるようで被ってないバンドをお呼びしたほうが、呼ぶ側も呼ばれる側もWin-Winになるだろうと思ったのと。あとはファースト・インパクトを大事にしたかったので、VIOLET ETERNALとTHE冠の対バンという、誰も予測ができない組み合わせをやりたかったんです。
それで、冠さんにご出演のオファーをしたかったんですけど、私の周りに冠さんと繋がってる方がなかなかいない。そこで正面玄関を叩きに行くしかないと思って、公式サイトからオファーして。"こういうバンドをやってて、こんなライヴをやろうと思ってるんですが"とお願いしたら、"めちゃめちゃええやん。一緒にやろう!"とご快諾いただきました。あっという間に2デイズをご一緒させてもらうことが決まって、2組にあやかった"THE VIOLET 冠"ってライヴ・タイトルも決まりまして。それが去年の暮れくらいですよね?

冠:そうやね。僕はオファーが来てVIOLET ETERNALの曲を聴かせてもらったら、メロディックなパワー・メタルとかスピード・メタルとか、そんな印象でめちゃくちゃカッコ良くて。今まであまり絡みのなかったタイプのバンドだったんですけど、"実は俺そっちも好きやぞ!"と。ジャーマン・メタル大好きっ子で育ってきて、多種多様なメタルを聴いてきましたが、スピード・メタルも大好きなんで。
あまり絡んでなかったヘヴィ・メタルの人たちとやりたいなというのは常々思ってて、オファーをいただいたときは、"来た来た!"って感じでした(笑)。僕は異質というか、変なメタルと思われてると考えてたんで、"こんなふうに誘われるってことは、ちゃんとメタルとして認識されてるんや"って嬉しさもあったし。王道の方々ともどっぷりライヴしていきたいと思ってたんで、今回のお誘いはすごく嬉しかったし、即決でした。高まっております。
Jien:間接的な繋がりはあって、うちのドラムのYAMATOさんがやってるNeu:NOIZが、THE冠と対バンしたことがあるというのを伺ってて。やはりそうやってどこかカスってるのがすごく大事だと思うんですよ。どこまでギリギリを攻めて、大きい爆発を狙えるか? っていうのが今回はあったので。
冠:カスってるねぇ。ヘヴィ・メタルの円と円の端っこのほうでカスってんのよ(笑)。
-あはは(笑)。THE 冠のライヴは観たんですよね。感想はいかがでしたか?
Jien:すごくカッコ良かったですし、これを共有しなきゃダメだと思いました。"名前は知ってる"とか"動画は観たことある"という洋楽メタル・ファンの方って、結構いらっしゃると思うんですけど、そういう方たちも冠さんのライヴを1回観たら、絶対に好きになると考えているんです。それは逆もしかりで、"DERDIANとかVISION DIVINEとか、なんか聞いたことあるけど、チケット代も高そうだしライヴはやめとこう"って人も結構いて、そういう人たちに観ていただける機会になればと思いました。
-今なんて動画でライヴ映像を観たら知ってる気になっちゃいますしね。
Jien:そうなんです。なので"それじゃダメだよ!? VIOLET ETERNALのライヴを観ろ! THE冠のライヴを観ろ! 洋楽しか行かないみたいなこと言ってんじゃないよ!"と。そういう人たちにとって、今回は本当にいい機会になると思いますし、チケット代も正直洋楽のライヴでは不可能に近いくらいの金額まで攻めて、敷居を下げてますし、2日間やることによって、都合が合わないとは言わせない。もう観てもらったら絶対それ以上の価値があるっていうのは分かってるので。
-VIOLET ETERNALは、昨年の10月以来の貴重な来日ライヴですしね。
Jien:そうですね。メンバー2人がイタリア在住なので、集まるだけで大変で。
冠:リハーサルはどうしてるの?
Jien:ライヴ前に前乗りして、2~3日長めにリハーサルやってます。前回それでものすごく上手くいったので、このやり方で大丈夫だろうと。みんなものすごい実力がある人ですし、シナジーのあるメンバーを選んでるっていうのもあって。特に今回、リズム隊のOllie Bernstein(Ba/ILLUSION FORCE)とYAMATOさんに関しては、Mike Vesceraのツアーでもリズム隊をやってて下地が敷かれてるので、VIOLET ETERNALのクオリティの高さは間違いないです!
-昨年10月のライヴは、1stアルバムのリリース・ライヴみたいな感じだったんですか?
Jien:そうですね。正直アルバムを出した後にライヴをやる予定はなかったんですけど、Ivan Giannini(Vo)が"ライヴはやるべきだ"と言って、同じ時期にDERDIANのライヴがあったので、Ivanが全部まとめてくれてライヴが実現しました。今回はそれも大きくて、前回Ivanがライヴの話を引っ張ってくれたので、"今回は俺にやらせてくれ"と。
冠:(MVで)公園で寝ながら歌ってるあの曲(『Reload The Violet』収録「Under The Violet Sun」)もやってくれる? 寝ながら、すげぇカッコいい声で歌ってるやつ。
-なんちゅう雑な聞き方ですか(笑)。
Jien:あはは、やります(笑)。あのMVはたまに木陰からリスが出てきてかわいいんですよ。
-JienさんはIvanさんにお声掛けしてVIOLET ETERNALを結成するとき、"究極のメロディック・メタル"を体現したいと考えてたそうですが、実際1stアルバムを出して、ライヴをやっての手応えはいかがでした?
Jien:そもそも10月のライヴをやる前後が自分の中でターニング・ポイントとなった時期で。それまでは僕はいくつか並行してバンドをやってて、そのうちの1つとしてVIOLET ETERNALをやっていこうという気持ちだったんですけど、いざライヴをやって、お客さんの反応だとか反響を見て、"そんなバカみたいなこと言ってる場合じゃない!"と思ったんです。"自分の中のいろんな活動をVIOLET ETERNALに集約させて、自分の核として考えないとダメだ"という気持ちになったんですよ。だから最初自分の中の音楽を表現する1つの媒体だったVIOLET ETERNALが、さらにソリッドなものになっていって。"いかに多くの人に聴いてもらうか?"を考えるようになりましたし、Ivan Gianniniというヴォーカリストのすごさをもっと多くの人に知ってほしい気持ちも、大きくなりました。