－わはは（笑）。ライヴに向けてというところで、現段階で具体的に見えてるヴィジョンはありますか？

冠：2日間ありますからね。1日目、2日目と、やっぱり違うことしたいし、観に来る人も2日共同じことやると思ったら大間違いやぞ！ っていうのは言っておきたいです。

Jien：僕等もそうで、だからこそ2日とも来てほしいですね。"あの曲こっちでしかやらなかった"みたいなことがあると、面白さもあるけど悔しさもあるんで、そうならないようにバランスも考えながらこれはやらなきゃってところは押さえて。あと今回、VIOLET ETERNALにはスペシャル・ゲストでJinn Jeon（ILLUSION FORCE／ASIANSOUL）が参加するんです。IvanとJinn君が仲良くて、ILLUSION FORCEのアルバム（『ILLUSION PARADISE』収録曲「Beast of the Earth (feat.Ivam Giannini)」）にIvanが参加したりしてるんですけど、一緒のステージに立つことはほぼなくて。

冠：彼のヴォーカルは俺も好きでね、あの才能はものすごいですよ！ IvanとJinnが一緒に歌うとかヤバいやん。俺どうしよう（笑）？

Jien：さらに面白いのが、OPアクトで甘い断頭台とPARADOXXが出演してくださるので、日本、韓国、イタリア、ガールズ・メタルと全然タイプの違うヴォーカリストが揃うんです。

冠：俺もハイトーンは使うけど、タイプが全然違うからなぁ。

Jien：いや、でも冠さんのハイトーンと、グロウルというかシャウトへのスイッチングってすごく独特で、ライヴを観て一番驚いたところで。あれができるのは、初期のPhil Anselmo（DOWN／PANTERA etc.）くらいじゃないか？ と。ハイトーンでもシャウトでも専業の人と戦える人ってなかなかいないですからね。

冠：......Jienは嬉しいことを言ってくれるね（笑）。俺は初期のPANTERA になりたくて、ずっとやってきたからね。Philが途中でハイトーンを捨ててからも、俺は出るうちは出そうと思ってずっと出し続けてきて。頭を坊主にしてたのも、Philを意識してたから。

－あと期待してしまうのは、せっかくの機会ですから、VIOLET ETERNALとTHE冠がステージに並ぶ、夢のコラボ"THE VIOLET 冠"が観たいです。

冠：そりゃやりたいですけど、Jinnもおるんやったら、俺なんて入る余地がないんじゃないか？ って。

Jien：いやいやいや、それは考えたいです。Jinn君を加えて、VISION DIVINEでもやってる日本の曲のカバーをやろうって話はあるんで、そこに冠さんも参加してもらって。

－では、夢のコラボが観られる可能性が高いと原稿に記しておきます（笑）。しかし、両者の気概もハンパないですし、話す程ライヴが楽しみになってきますね！

冠：楽しみですね。より多くの人に素晴らしい音楽を伝えたいって気持ちも絶対共通してると思うし。

Jien：究極と言えば、今回この組み合わせでのライヴがいろんな方面で上手くいくことで、"だったら俺等もやれるじゃねぇか"みたいに周りにも思ってもらいたいなって。

冠：そうやな。メタルってジャンルが狭まっていくのも寂しい話で、円のカスる部分を繋いでもっとデッカい輪になればいいなと思って。そこにはスピード・メタルがいてもいいし、俺みたいな変なメタルがいてもいいし（笑）。

－現在、メタル・シーンという大きなくくりで見たとき、若い世代ってどんな感じなんですか？

Jien：どこを取ってメタルなのか？ ってところもあって、今が一番不思議な状況ですね。あと日本の特殊な部分で、隠れメタル・ファンも多いし。メタルの音自体には嫌悪感がない民族ではあるんで、いかにそれを活かせるムーヴをバンド側ができるか？ というところで。そこに世代とかも関係ないし、それをやるかやらないか？ だと思うんですよね。その意味で、冠さんってメディア・ミックスとかもどんどんやられてた先駆者なので、そこは真似するというか、消化していかないとダメだし、若い世代の我々がやっていかなきゃダメだと考えています。

冠：メタル・バンドがでかいフェスとかも当たり前に出てる時代になってほしいしね。

Jien：そうですね。みんな観たら絶対にいいと思ってくれるはずだし。僕たちは自分たちがやってることが素晴らしいと思うのであれば、届ける努力をするのが義務だと思うし。メタル・ファンの方々には自分だけで隠していないで、いいものはいいと広めてほしいですね。例えば、夜のお店ですごくいい子を見つけて広めたくないから隠すみたいな、そんなことしてる場合じゃないと思うんですよ。

－すごく分かりやすい例えです（笑）。

Jien：だから、今回のライヴも"ライヴやった。楽しかった"で終わりじゃなくて、"行って良かった"や"こんなに面白そうなら行けば良かった"から、"だったらこういうライヴもあって、絶対面白そうだから行こう"とか。バンド側もお客さん側も活性化して次に繋がっていかなきゃダメだと思ってます。

冠：俺みたいな格好してたら"いや～、ふざけたメタルはちょっとなぁ......"と思うのは分かるのよ？ ただライヴ観たらそのイメージ変わりますよ。そんでこんな生粋のメタルの人が俺を理解して、リスペクトを持って誘ってくれてるんだから、そりゃあ期待に応えたいし、ライヴも全力で行きますよ！

Jien：はい、楽しみにしています。僕等もお互いのファンに満足していただけるように、2日間全力でやらせてもらいますよ！