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INTERVIEW

THE OFFSPRING

2024.10.11UPDATE

2024年10月号掲載

THE OFFSPRING

Member:Noodles(Gt)

Interviewer:菅谷 透 Translator:伴野由里子

ステージに立っている俺たちが歳を取っていくのに、 最前列の人たちはいつまでも若いままなんだ(笑)


-「Get Some」はイントロがQUEEN「Stone Cold Crazy」のオマージュになっていて、ハード・ロックのテイストも感じられる楽曲になっていますね。先日QUEENのBrian May(Gt)と「Stone Cold Crazy」を演奏していましたが、その際にこの曲は完成していたのでしょうか?

Brianと共演していたときには、もうアルバムは完成していたね。彼は"STARMUS Festival"という、ミュージシャンだけではなく天文学の教授や科学者も参加するイベントをやっているんだ。彼は天文学者でもあるからね。Dexterもそういった分野に関心があるから、俺たちも参加できるか尋ねてみたらBrianがOKしてくれて、(THE OFFSPRINGの楽曲)「Gone Away」で一緒に演奏したんだ。スロバキアのオーケストラとも共演したバージョンでね。最初はDexterとオーケストラだけで、その後にフル・バンドになったんだけど、Brianがすべてにソロを入れてくれた。それから「Stone Cold Crazy」を一緒に演奏できないか訊いたら快諾してくれて、本当に最高だったよ。彼は今まで出会った中で最もいい人であり、天才で、そして正真正銘のロック・スターだ。

-アルバム後半の「Hanging By A Thread」、「You Can't Get There From Here」はシリアスな雰囲気になっており、アルバムを聴き終えたときに気が引き締まるような不思議なフィーリングが得られますね。こうした構成や曲順にした狙いを伺えますか?

だいたいは曲の雰囲気で決めているよ。歌詞の内容ももちろんあるけど、それよりも曲の感じを重視している。アルバムの最初には、この曲があればもっと聴きたくなるだろうなって曲を選んでいるし、最後の曲もどうするか考えて決めているね。「You Can't Get There From Here」は、周りから"お前等には無理だ"と言われるような声や、自分自身の中でそういうふうに思ってしまうような自信のなさ、自分への疑問を1人のキャラクターとして描いた曲だよ。Dexterがそのキャラクターを演じているような感じだね。「Hanging By A Thread」はさっきも言ったけど前作のときに書いていて、今回のアルバムに持ってきた曲だ。みんな人生でとてもつらい時期や、もう無理かもしれないと思うときがあるはずだし、俺たちにもそういった経験があるけど、パンク・ロックと出会って、それを頼りになんとか生きてきた。俺たちは1人じゃないんだと分かったし、自分の道を見つける手助けをしてくれたんだ。

-2024年はバンドの結成から40周年のメモリアル・イヤーになります。活動を始めた当初は、ここまでバンドが続くと想像していましたか? また、バンドが続いてきた秘訣を伺えますか?

全く想像していなかったよ(笑)。40年前の1984年に、Dexterと2人で俺の実家のリビング・ルームで一緒に音楽を鳴らし始めたんだ。ただ純粋に楽しかったから、趣味としてやっていた。人によってはゴルフだったり釣りだったりするだろうけど、俺たちにとっては音楽がすごく楽しい趣味だった。それを続けていたら、30年前に『Smash』が出て、そこから音楽で食べていけるようになったんだ。

-先日はEd SheeranやYUNGBLUDといった、若手のアーティストと共演する機会がありましたが、彼等とパフォーマンスすることで刺激はありましたか? 特にEdはTHE OFFSPRINGが初めて買ったCDだったとのことで、こうしたエピソードを聞いてインスパイアされるものがあったのではないでしょうか。

2人とも本当に共演して楽しかったよ! まずEd Sheeranは、彼が最初に買ったアルバムが俺たちの『Conspiracy Of One』という2000年の作品だったんだ。「Million Miles Away」を一緒に演奏したんだけど、彼は昔その曲を鏡の前で、大きなスタジアムで演奏している自分を想像しながら聴いていたらしい。今や本当に大きなスタジアムで演奏するようなアーティストになったわけだ(笑)。そのとき("BottleRock Napa Valley 2024")は楽屋に挨拶に来て、1回だけ一緒に合わせてそのままステージに上がったんだ。彼は本当に才能があるよね。YUNGBLUDはエネルギッシュで元気いっぱいなやつで、フェスで一緒になったんだ。その後また別のフェス("Open Air Gampel")で会って、「Self Esteem」を一緒にやったよ。彼はナイス・ガイで、とにかく元気ですごかった(笑)。だから、どちらのアーティストも俺たちにとって刺激になったよ。Edはミュージシャンとしての技量が素晴らしいし、声色もいい。YUNGBLUDは、彼の音楽センスやエネルギーがすごく刺激になったね。

-また、近年では「You're Gonna Go Far, Kid」(2008年リリースのアルバム『Rise And Fall, Rage And Grace』収録曲)がSpotifyで10億回再生を達成し、バンド史上最も聴かれた楽曲になっています。10代や20代の若者がTikTok等のSNSで皆さんの楽曲を"発見"してリスナーになるケースも多いと思いますが、こうした現象についてどう感じていますか?

世界中をツアーで回ると、最前列はいつも若い人たちで埋まっている。ステージに立っている俺たちが歳を取っていくのに、最前列の人たちはいつまでも若いままなんだ(笑)。やはり、最前列に来る若い人たちのエネルギーは本当にすごく刺激になるよ。彼等はまだ理想を持っていて、世の中に対してすごく希望を持っている。だから俺たち自身も、そういった気持ちを忘れずにいたいと思わされるよ。

-最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

俺たちはもう30年以上、何度も何度も日本を訪れているんだ。日本の文化も食事も大好きで、ファンのみんなも本当に素晴らしい。いつ行っても最高の体験をさせてもらっているよ。だから、いつも応援してくれてありがとう。来年の4月にも日本でツアーをするから、楽しみにしているよ!