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INTERVIEW

GRANRODEO

2024.09.25UPDATE

2024年09月号掲載

GRANRODEO

Member:KISHOW(Vo) e-ZUKA(Gt)

Interviewer:長澤 智典

皆さんも今のGRANRODEOの気分に乗っかって、共に楽しく20周年を迎えましょう


-「大往生Everyday」は、20周年を彩るいろんな展開の幕開けを告げる楽曲という意識もあったのでしょうか。

e-ZUKA:そんなかしこまった感じじゃなく、もっと緩い感じかな。メロディだってめちゃめちゃキャッチーだし、仰々しく始めるよりも、もっと軽い感じで始めようかって感じだったからね、そこは。

KISHOW:GRANRODEOの20周年のアンセムとして、とても"らしい"曲に仕上がったなと思いますよ。「大往生Everyday」は、ライヴで演奏するたびに化けそうな曲ですね。その場の雰囲気に合わせて歌い方もいろいろ変えていけそうだし、ライヴで歌い続けていくなかで、改めて楽曲の良さに気付けるのはよくあることですし。秋から始まる全国ツアーでは「大往生Everyday」を筆頭に最新作に収録した曲たちを軸に展開していくけど、この曲は特に20本のライヴを通して歌い続けながら、お客さんと一緒にいろんな良さを発見していけそうだから、ライヴでやるのが楽しみです。

-「大往生Everyday」がフックを効かせた華やかなパーティー曲なら、2曲目に収録された「Floating Story」は、明るく弾けたGRANRODEOらしい王道スタイルという印象を受けました。

e-ZUKA:まさにね。最近はわりと重めの曲を作ることが多かったから、久しぶりにキラキラした明るい曲を作れたのは良かったなと思ってる。この曲、ベースの瀧田(イサム)さんが大好きで、レコーディングのときも"いい曲が来たね、これは人気が出るぞ"と喜んでいましたからね。

-歌詞で"僕はひとり君もひとり ストーリー 2人で"と書いているように、ここには自分なりの物語を日々の中で描きながらも、これからもファンと一緒に物語を書き続けようという思いと、同時にKISHOWさんとe-ZUKAさんとの関係にも重ねて書いたのでしょうか。

KISHOW:そう思ってくれたら嬉しいです。でもそのヒントをくれたのは、e-ZUKAさんがデモ音源を制作するときに仮歌として入れていた歌詞。その言葉がきっかけになったというか、一部はそのまま使っているんだけどね(笑)。

e-ZUKA:いつも、思い浮かんでくる言葉を適当に歌いながら楽曲を作るんですね。理由は、そうしたほうが曲のイメージが沸きやすいし、具現化しやすいから。あのときは"僕はひとり君もひとり ストーリー 2人で"もそうだし、"ticktack×2"や"dingdong×2"も曲のノリを活かすためにそう歌っていたんだけど、蓋を開けたら歌詞に反映されていたという(笑)。

KISHOW:最初は、そのまま使うのもどうかな? と思ったけど、e-ZUKAさん自身が作曲をしながらそういう気分でいたんだろうなと考えたら、その言葉を活かしたほうがこの曲に相応しいと思い、そこから他の歌詞を広げました。それに、GRANRODEOを応援してくれるロデオボーイ/ロデオガール(※ファンの呼称)たちに向けて"僕はひとり君もひとり ストーリー 2人で"と歌ったら、みんなも嬉しいじゃない。応援してくれる人たちだって、それぞれの人生の物語を歩むなかで、時に寂しさを紛らわすためGRANRODEOの音楽を聴く人たちだっているだろうし、僕らも、みんなも、いつもはそれぞれの道を歩みながら、GRANRODEOのライヴという場所に集うことで1人じゃないぜという気持ちになれれば、一緒に物語を作る仲間にもなれる。それに20周年だって、みんなと一緒に物語を作ってきたからこそ迎えられることで。いつもなら照れてしまうようなことだからあまり言わないけど、こういうときだからこそ改めて思いをしっかり伝えようと、e-ZUKAさんの歌詞をモチーフにその思いを膨らませて書きました。

-3曲目に収録したのが「Pepper Cave」。この曲、かなり遊んでいません?

e-ZUKA:先に誕生の経緯を説明すると、"GRANRODEOは20周年に向けてこんなことをやっていきますよ"と発表した"ロデオ組 presents 「Road to G20 かなけんサミット」"というイベントを今年1月に開催して。そのときに、新しいシングルのc/w曲の1つとして"僕らのハモりがきれいな曲"と、"今年瀧田さんが60歳を迎えるから、彼のベースをフィーチャーした曲"のどちらが欲しいかアンケートを取ったところ、選ばれたのが瀧田さんをフィーチャーした楽曲で。そこから、瀧田さんのベース演奏が活きるかっこいい曲を制作して、でもサビでは瀧田さんらしくちょっとふざけた感があったほうがいいかなと、四つ打ちも加えた曲を作って、それを(KISHOWに)渡したんだけど。上がってきた歌詞を読んだら"えっ、「Pepper Cave」?? 「ペッパー警部」(ピンク・レディー)と掛け合わせたダジャレ??"と驚かされました(笑)。

KISHOW:"こんな60歳いないでしょ"と言いたくなるくらい、瀧田さんはいい意味でヤンチャな先輩アーティストで。大好きな先輩が60歳を迎える年だからこそ、ちょっと悪ノリで先輩をいじらせてもらおうと書いたのが「Pepper Cave」になります。瀧田さんは普段から色っぽい男で、周りにはいつも女性の匂いが付き纏っている、そういう艶のある男だからこそ"あなたはいつまでもしょうがないよね"と、色恋沙汰を題材にした歌詞を書かせていただきました。でも基本はフィクションというか、僕の想像ですから。

e-ZUKA:瀧田さんは僕が通っていた専門学校の先輩で、もう30数年来の付き合いで。今でも印象深く覚えているのが、上京して間もない頃、学校の中庭のベンチで両手に女性をはべらせている男性がいたんですよ。それが瀧田さんで。あのとき"都会の人は怖いな"と思ったことは、未だ記憶に焼き付いていますからね。

KISHOW:その馴れ初めは以前から聞いていたし、GRANRODEOのファンなら知っている人も多いから、"アカンヤンチャな中庭"は事実として書いていますけど(笑)。あとの歌詞は、僕なりに想像を巡らせて書いたフィクションです。

-「ペッパー警部」というモチーフも、瀧田さんの世代に合わせたもの??

KISHOW:その意識があったんでしょうね。加えて、"Pepper"を刺激的な言葉として、洞穴という意味の"Cave"をエロスを示す暗喩として用いて、"私たちこれからいいところ"という物語を瀧田さん自身に(想像の上で)投影しながら歌詞を書いています。しかも、楽曲のところどころにご本人が登場して叫んでいますからね。

e-ZUKA:瀧田さんに"夢中です"や"チューしたい"というセリフを言ってもらったり、2人(e-ZUKA、瀧田)でコーラスを入れたり。瀧田さんは昔から本当にエロかったですからね。以前やっていたバンドでは"女性が瀧田さんに触れると妊娠する"という噂話まで出ていたほどでしたから(笑)。「Pepper Cave」もライヴでやるとすごく楽しそうだから、今から楽しみです。

-最後に、改めてできあがった『GR STORY』についての思いや感想の声をいただけますか。

e-ZUKA:いい意味で期待を裏切る楽曲であり、ライヴで叫ぶなど、一緒に盛り上がりを作っていける曲たちの揃った、秋から始まるライヴが楽しみになる作品です。

KISHOW:3曲とも毛色の違う、それぞれに味わい深い楽曲になりました。「大往生Everyday」はいろんな遊び心を詰め込んだ、"20周年を迎えるGRANRODEOもよろしく!!"というアンセム曲で。「Floating Story」からは、GRANRODEOと僕たち、私たちは、これからも一緒に物語を作り続けてゆくという思いを感じ取れれば。「Pepper Cave」は、マイクをみんなに向けて歌ってもらおうかと思っているくらい、ライヴでぐちゃぐちゃになって盛り上がりたい曲。この3曲を秋から始まる全20本のツアーの主軸に、20周年へ向けてのいい弾みにしていきたいなと思っています。ぜひ皆さんも、今のGRANRODEOの気分に乗っかって、共に楽しく20周年を迎えましょう。