ロックで日本中を元気にしたいという使命感や志がある

－湾岸の羊って、なぜ全国ツアーをやるのか？ なぜ歌舞伎町でライヴをやるのか？ その1つ1つにしっかり意味があって、メンバー全員がそれを理解したうえで、アクションを取れていることが説得力に繋がっていて。ライヴ会場に足を運んでくれる人だけでなく、その行動に触れた人たちすべてにリアルが伝わってると思います。

HIRØ："歌舞伎町アンプラグド"をやった次の日、新聞各社で報道されたのですが、ちょうど同じ日に警視庁が歌舞伎町のラブホテル23ヶ所を一斉捜査して。僕らのアクションが直結してるわけじゃないですけど、たまたま同じときに、同じようなアクションを起こしてて、それと併せて報道してくれた報道機関に"俺たちのやったことがちょっとは報われたな"と思いました。ロック・バンドだから、自分たちの音霊で届けるのが真っ当なんですけど、ティッシュを配ったりダイレクトに届けたいという思いがすごく強かったんです。

－そうすることでより広い層、ライヴハウスに集まる人以外にも届けることができます。

HIRØ：そうですね。また、俺たちがこういうナリで行くから、面白がってくれるんですよ。ピエロですよね。ピエロでいいんです。

－僕はそういった湾岸の羊の一連のアクションを見ていて、"正しいことは正しい、間違ってることは間違ってると声を上げることこそがロックだ"と思いました。

HIRØ：嬉しいですね。実際に大久保公園に行って、10代の女の子たちが立ってるのを見ると、親心みたいな気持ちもあって、本当に切なくて......。でも僕らが偉そうなことを言っても、彼女たちは絶対に聞く耳を持ってくれないですが、ティッシュにも印刷した"未来の家族のためにあなたを大切にしてほしい"というメッセージだけは伝えたくて。

－歌舞伎町にいる子供たちのような、家にも学校にも行き場のない子たちって全国にいるわけで。ツアーではそんな子たちに大人たちが手を差し伸べてあげられるような、熱いメッセージも届けてほしいです。

HIRØ：もちろん、そういったアクションもします。さっき言ったように楽器とメッセージと気合を詰め込んで、日本全国を回るっていうのが使命ですから。ただ、そこであまり使命ばかりになっちゃうのも窮屈なんで、"ロックンロールなんだから、楽しく元気にいこうぜ！"っていう気持ちで、上手いバランスでやれたらいいなと思います。

－そして今回のツアーは、マニュピレーターのONODUBさんも全箇所参加となります。

ONODUB：僕はまず、皆さんと一緒に全国を回れることにドキドキしてるんですけど。アルバムのレコーディングで制作に携わらせてもらって、ライヴにもマニュピレーターとして参加させてもらって、そのたびに皆さんからすごく刺激を貰ってきたし、ライヴでは一緒に作ってきた楽曲をリアルに伝えられることの喜びをすごく感じているので、全国ツアーに参加させてもらえることがすごく嬉しいです。

HIRØ：ONODUBさんはもともとヒップホップでリアルを伝えてきた人なんだけど、一緒に活動するなかでロックのハチャメチャさもすごく刺激になったんじゃないかな？ と思うし、やっぱり一番刺激になってるのは俺たちの行動力じゃないかな？ と考えてて。歌舞伎町でアンプラグドをやって、ツアーで1ヶ月半拉致されるなんて考えなかったでしょ？

ONODUB：はい（笑）。でも人生って、選択の繰り返しだと思ってて。HIRØさんの選択はいつも"どっちがワクワクするか？"だし、みんなで大きなことを成し遂げることがすごく刺激になっているので。全国ツアーで僕も一緒に、大きなことを成し遂げたいです。

－9月8日、神奈川 Thunder Snake ATSUGIで始まる全国ツアー。24本目となるツアー・ファイナルは10月19日、東京 Club eXでの開催が決定しています。ツアーが終わる頃には、どんな湾岸の羊を見せたいでしょうか？

HIRØ：全国23ヶ所で、現場の対バンとガチで勝負して、ワンマンの箇所ではハウスに合わせたサイズのライヴをどれだけマックスに見せられるか？ ってところで勝負して。それを全国の皆さんに体感してもらって、たくさんエネルギー貰って、"もっとすごいもの見せるから東京に来てくれ"ってところで、去年のワンマンをよりブラッシュアップしたもの、MVに近い世界観をファイナルではお見せしたいですね。

－では、最後に全国でライヴを心待ちにしてるファンへのメッセージをそれぞれください。

ONODUB：自分たちのメッセージが伝えられるのが本当に嬉しく思ってるので、よろしくお願いいたします。

CHARGEEEEEE...：ロックは自由なんで、みんな自由にシンプルに楽しみましょう！

Ryo-Ta：たくさん笑顔になって、たくさんアイ・コンタクトして、幸せな思い出を全国でいっぱい作りましょう。

TATSU：まずはみんなと会えるのを楽しみにしています。そこにある、目に見えないヴァイブスのやりとりとか、そういったものを大事にして、全国でライヴをしてきたいです。

REDZ：人生一度きりなんでね、俺たちと一緒にツアーに参加して楽しめるチャンスを逃さないでほしい。ぜひみんな来てほしい、一緒にやろう！

HIRØ：僕は約5年前に大病をして死にかけたんですけど、なんとか生かしてもらって、そこからはやることすべて遺作だと思って挑んでいて。"アートは妥協した時点で死ぬ"というのをモットーに、一本一本、一曲一曲を全身全霊でロックするので、ぜひ観に来てください！