裏テーマは、"ギター弾こうぜ！"──"こんな表現もできるんだ"と思ってほしい

－「LET'S GET STARTED」のギターとベースの掛け合い、めちゃくちゃカッコいいです。

あと、「百花繚乱～咲き誇れ～」と「Way Home」のドラムはGRANRODEOでやってもらってるSHiN君と、ベースは瀧田さん。「DD BLUES」は石川隆一っていう昔から知り合いのジャズ・ベーシストにやってもらって、「HOPE for」は今井さんと二家本さんにお願いして、ストリングスを星野沙織にお願いして録りましたね。

－楽曲ごとにいろんなミュージシャンが参加することで、楽曲の多彩さも増したんですね。特にお気に入りの曲や思い入れのある曲はありますか？

全部気に入ってますけど、ひとつ挙げるとすれば「HOPE for」はすごくいいのができたなと思って。また、別バージョンを作ろうと思ってうちで遊んでるんですけど、それがまた良くて。そればっかり聴いたりしてたりするんですが、発表する機会はないかな？ と思ったり。

－聴くことのできない曲を挙げられても、もやもやするだけですが（笑）。

思い出ってところでは、「LET'S GET STARTED」がMVになったんですが、面白い感じになったし、改めていい曲だなと。この曲を聴いて驚いてもらうのもいいなと思いました。「Make It!」が最初に公開されたとき、もっとメタルなイメージを想像してた人は"こんなキャッチーなの！？"と驚いたと思いますし。

－メタルな曲を期待していた人には、「百花繚乱～咲き誇れ～」みたいな曲もありますし、どの切り口から興味を持つかという面白さもあります。

そうなんですよね。あと、今作の裏テーマとして"ギター弾こうぜ！"というのもあって。僕を通してなので、僕のやれることでしかないですけど、"こういう表現もギターでできるんだね"っていうのも感じてもらえると思うんです。あんまりひけらかしすぎると、やりたくなくなっちゃうんで、"これだったら、頑張れば弾けるかも"ってギリギリのラインを狙ってます（笑）。

－今の若い子たちが憧れるギター・ヒーローみたいな存在って、なかなかいなかったりもするので、ギターのカッコ良さを今一度、知らしめるのはすごいいと思います。

今AIがすごくて、僕も"Synthesizer V"っていうボカロのすごいのを買って。使ってみたんですけど、もうわかんないですよ、人間ですよ！？ そこで、"これ恐ろしいなぁ"と思ったのと同時に感じたのが、"まだギターはやれてないな"ということで。ギターで打ち込みでっていうのは、あまり良くない。まだ生を超えるものが出てきてないんで、ギターはまだまだアナログで勝負できると思ってます。

－最初に話していた、自分の財産になるような曲も揃いました？

揃いましたね。ひとりでカラオケ持って、47都道府県とか行きたいですよ。スナックとか回って、"演らせてもらえませんか？"って（笑）。

－腰からミニ・アンプをぶら下げて？ ただの流しじゃないですか（笑）。

今YouTubeでいいなと思うのが、アイソレーテッド・ギター・トラックっていうのがあって。LED ZEPPELINでも、Jimi Hendrixでも、ギターだけ抜いたトラックがあるんですよ。そういうのを聴くと、"これはいつかちゃんとコピーしたいな"と思ったりして。そういうのは老後の楽しみに取っておこうと思ったんですけど、それをYouTubeチャンネルで公開するのもいいですし。若い頃に買っただけで、まったく読んでいない教則本の山もちょっと手をつけてみようかなと思ったり。

－ギタリストとしての欲がまた出てきてるんですね。ギター道、奥深いですね！

奥深いというかね、弾けば音が出るんで、みんなに弾いてほしいですね。やっぱ、子供のときに何が楽しかったって、アンプ繋いでジャーン！ って音が出たのが楽しかったから。今なんて安いアンプもいっぱいあるし、繋ぐだけでBrian May（QUEEN）の音が出たり、いろいろ楽しめますから。本当は僕のシグネチャー・モデルを買ってほしいですけど（笑）。安くていいギターもたくさんあるから、今作を聴いて興味を持ってくれたら、ぜひギターを弾いてみてほしいです。

－では、最後にツアーに向けての意気込みを聞かせてください。

自分の曲をコピーして、練習するのが面倒くさいなというのがあって。なかなか弾き応えがある曲もあるので、挑戦し甲斐があるなというのは思うんですけど。ずっと歌のバックをやってたので、メロディを弾いてソロを弾いてってことになると、それを覚えられるかな？ っていう不安はあります（笑）。あと、収録曲が7曲しかないので、今まで作ったサントラの曲であるとか、GRANRODEOとしてのインスト曲とか。カバーもやりたいなと思ってて、MICHAEL SCHENKER GROUPの「Into The Arena」とかやって、けちょんけちょんに叩かれてやろうか？ と思ったり（笑）。今から準備して練習しとけば、まだ間に合うと思うので、ツアーも楽しみです！