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INTERVIEW

over print 山脇孝志 × Heather Baron-Gracie(PALE WAVES) 対談

2023.09.19UPDATE

2023年09月号掲載

over print 山脇孝志 × Heather Baron-Gracie(PALE WAVES) 対談

over print:山脇 孝志(代表)
PALE WAVES:Heather Baron-Gracie(Vo/Gt)
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)
Translator:原口 美穂 Photographer:濱谷 幸江


夢見たことが叶うってとても素晴らしいことよね――それを始めるのに遅すぎるってことはないと思う(Heather)


-世界中をツアーしているといろんな国の様々なファッションを知ることができると思うんですけど、Heatherさんはどちらかといえば様々なカルチャーのエッセンスをミックスしていくというより、自分オリジナルなファッションのポリシー、自分の芯となる部分を突き詰めていくスタイルなんですね。

Heather:もちろんお気に入りとかに波はあるけれど、やっぱりダークな世界観というのは常にあると思うし、あとスカートと大きい靴、ブーツとかそういうのはブレないわね。

-山脇さんもブランドをやるうえで、そのようなご自身のポリシーというのはありますか?

山脇:そうですね。ブランドではBLINK-182とかの2000年頃のスタイル、ワイドパンツで下にボリュームがあるようなシルエット感というのは、普段から自分もそういう服を好みますし、ブランドの世界観としても強く打ち出しています。

Heather:あの時代ってファッションだけじゃなくて音楽やすべてのものがいい時代だったわね。バギー・ジーンズを履いたり、スケートボードをやったり。

-Avril Lavigneもそういったファッションでしたよね。

Heather:子供のときからAvrilのそのスタイルにすごく憧れていたの。今の彼女も素晴らしいと思うけど、特に初期の2枚のアルバムのときの彼女の世界観が大好きだった。すごい"典型的な女の子"って感じではいたくなかったの。バギー・パンツを履いてスケボーやって、でもピンクを着たりとか、お人形で遊ぶんじゃなくて、ああいう女の子にすごい憧れてたわ。共感してた。

-山脇さんもAvrilみたいな女の子に憧れたんじゃないでしょうか?

山脇:そうですね。カッコいいなと思っていました。

-当時は憧れの存在だったと思いますが、ファッション・アイコンとしても、アーティストとしても今はAvrilと同じ憧れられる立場になっています。今、自分がそういった立場に立ってみてどう感じていますか?

Heather:正直変な感じがするわ。Avrilみたいにステージに立って、パフォーマンスするっていうのはすごく夢見てたことだから、それが今叶って自分が実際にそこにいるっていうことはやっぱり変な感じ。でも本当に素晴らしいしありがたいことだと思う。

-山脇さんも音楽とファッションを置き換えて、感覚的には近い部分があるんじゃないでしょうか。もともとはそういうファッションに憧れて、お店に足繁く通っていて、今は逆に自分が作って影響を与える立場ですが?

山脇:そうですね、自分は今38歳なんですけど、5年前にこのブランドを始めるまではずっとメーカーで働いているサラリーマンだったんですよ。それでその会社をやめて、少し遅いんですけど、本当の自分の夢を目指して、独立して自分のブランドを買ってくれるお客さんがついてきてくれることを踏まえると、今の場所に立たせてくれてありがとう、という感謝は強く思います。それはブランクがあってから、そこに立てたから、より強く感じますね。

Heather:夢見たことが叶うってとても素晴らしいことよね。それを始めるのに遅すぎるってことはないと思う。

-今後の山脇さんの夢のひとつとして、近い将来アメリカ進出を狙っているということですが、そのことについて語っていただきつつ、Heatherさんからアイディアやアドバイスがあれば聞かせてください。

Heather:over printは日本でもすでに人気があるみたいだし、必ずアメリカでも成功すると思うわ。

-先ほど日本のファッションが素敵とおっしゃっていましたが、ファッションの流行やおしゃれなスタイリングなど、アメリカやイギリスと日本を比べると結構違う部分があるのではないでしょうか?

Heather:アメリカは大きいから州ごとに違ったりするんだけど、全体をまとめて私は日本のファッションのほうがいいなと思う。こういうこと言っちゃうとアメリカの人から顰蹙を買っちゃうかもしれないんだけど、日本のほうが清潔感があるというか、まとまっててきちっとしてるって思うの。アメリカの人ってレギンスとTシャツとか、ジムに行くみたいなワークアウトの格好で歩いている人が多くて。もうちょっと気合を入れたほうがいいんじゃないかなって人が多いかな。でも日本はちゃんと気にかけてるって感じがするわ。

-日本のファッションをアメリカやイギリスに広められるといいですよね。

山脇:そうですね。もともとはアメリカに憧れて始めている気持ちも強いんですけど、そういう憧れている国でもあるアメリカの人に、好きと言ってもらえるような服を届けられたら幸せですね。

Heather:Tシャツを着ている人も多いし、人気だから絶対うまくいくと思うわ。日本ですでに築き上げているものもあるし。

-話は変わりまして、PALE WAVESは単独としては去年ジャパン・ツアーを行いましたが、"サマソニ"としては4年ぶりのステージとなりますね。どんなライヴにしようと考えていますか?

Heather:前回のライヴよりいいものになると思う。もちろん前回のショーも良かったと思うんだけど、4年前からツアーもいっぱい重ねてきて、もっともっと自信がついているの。自信に溢れた力いっぱいのショーを期待してもらえたらと思う。

-最新作の『Unwanted』リリースから1年ほど経ち、リスナーの耳にも馴染んで曲を覚えているかと思います。

Heather:ツアーのときはみんなに"歌って!"ってマイクを向けたりしたんだけど、みんなそれを予想してなかったみたいでびっくりしてた。でも向けたら歌ってくれたりして。日本人はいい意味で真面目よね。悪いことをみんなにさせようとしちゃってたみたい。

-去年は観客全員コロナ対策のためマスクでしたが、今年はもう外してOKになったので、また違った風景が見られるかと思います。では、最後に日本のファンに向けてメッセージをお願いいたします。

Heather:みんなのことが本当に大好きだし、日本も大好き。毎回来るのが楽しみ。みんな本当にキュートでかわいいし、いつもプレゼントをありがとう。


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"50%RETRO 50%STREET"を合言葉に2019年にスタートした新進気鋭のストリート・ブランド。イラストレーター、古塔つみと協業したデザインや、ロゴを前面に出したアイテムが中心の、どこか懐かしく感じる胸キュンなイラストや遊び心溢れる様々なプロダクトを生み出している。様々なブランドやアーティストとのコラボレーションも続々と行い、Instagramで映えるデザインが今若い世代から注目されている。

POP UP STORE INFORMATION

9月24日(日)原宿
東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ1F
ブランド・デザイナーやイラストレーター ZERO ZERO HEROはじめ、ブランド・モデルたちも勢揃いでショップ運営するPOP UP STOREを開催
詳しくはInstagramをチェック

PALE WAVES

UKマンチェスター出身の4人組インディー・ロック・バンド。レーベルメイトであるTHE 1975のMatthew Healy(Vo/Gt)とGeorge Daniel(Dr)プロデュースのデビュー・シングル「There's A Honey」(2017年)で脚光を浴びる。"SUMMER SONIC 2018"で初来日、翌年にはジャパン・ツアーを行い東京2公演をソールド・アウト。2022年8月、3rdアルバム『Unwanted』を発表した。


RELEASE INFORMATION

ALBUM
『Unwanted』

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