INTERVIEW
激ロック × over print × 粗大BAND × AIRFLIP
2024.02.20UPDATE
2024年02月号掲載
昨年12月に7年ぶりの台湾公演"Overprint presents GEKIROCK -THE MOST FAMOUS ROCK MUSIC DJ PARTY IN JAPAN- collaborated with over print POPUP STORE"を大成功させた"激ロック"が、3月22日に再び台湾に上陸! 前回に引き続き、アジア圏でも話題沸騰のブランド over printとタッグを組んでの開催となる今回"Overprint presents GEKIROCK in TAIWAN vol:2 collaborated with over print POPUP STORE"はさらに、日本から同ブランドと親交の深いAIRFLIPと、現地大型フェスでも超満員の動員を誇る台湾のポップ・パンク・バンド 粗大BANDがライヴ出演する! 本イベントに向けて、4者による座談会を実施。これまでの交流や日本と台湾での音楽体験の違いについて語った。
over print:山脇 孝志(代表)
粗大BAND:盧 雋朋(Gt/Vo)
AIRFLIP:Satoshi(Gt/Vo)
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)
発信者側の私たち全員がイベントを楽しんでるその空気を丸ごと楽しんでもらうこと――そこに行かないと楽しめないことこそを体験してほしい(山脇)
-今回開催するこのイベントは、over print主催による、台湾の粗大BANDと日本のAIRFLIPの2バンドを迎えた、私たちのイベント"激ロック"、その4者が力を合わせて台湾のライヴハウスでひとつのイベント作る、奇跡の巡り合わせの座談会となりますが、まずはそれぞれの出会いについてお話をうかがえたらと思います。
盧:AIRFLIPのSatoshiさんとはコロナ前にInstagramを通して出会いました。実際にお会いしたのはコロナ収束後に、台湾にライヴ("GLOBAL MONSTER EXPRESS 全球怪獸快遞")で来ていただいたときです。山脇さんともそこで出会いました。2023年5月に(粗大BANDと)AIRFLIP、See You Smileで対バンしたのですが、その前夜にみんなで火鍋を食べに行った際に山脇さんと初めてお会いして、ブランドをやっていて、AIRFLIPさんとコラボして服を出しているということを知りました。それから7月に日本に行った際(["Far East Fam Tour"-粗大Band GLOBAL MONSTER EXPRESS-])に、3バンドのトリプルネームでグッズを作っていただいたことで交流がさらに深まっていって、そこから2024年1発目のイベントで激ロックさんを含めた4者でイベントができることが楽しみです。
-Satoshiさん、最初はどちらから声を掛けたのですか?
Satoshi:粗大BANDさんからだった気がするんですが、台湾で自分たちと同じようなジャンルの音楽をされているバンドがいるのをそこで初めて知って、コロナ前に繋がって"一緒になんかやりたいね"って話してたんですけど、そのあとコロナ禍になってしまって、そのまま叶わずにずるずると過ぎてしまっていました。彼のインスタに載せている写真を見ると、台湾のほうが日本よりコロナの収束が早かったんですね。めっちゃモッシュとかダイブしてるじゃん! みたいな。そういうのがあったから、"こっちもコロナ終わったらまた一緒にやりたいね"みたいな話をしてて、去年ようやく実現って感じで。山脇さんと初めましては"DIE ON ROCK(FES)"でしたっけ?
山脇:そうですね。
Satoshi:たぶんもっと前からお互い名前は知ってたと思うんですけど、"DIE ON ROCK"っていうFABLED NUMBER主催のイベントで初めて挨拶させていただいて、そこからの繋がりで、台湾に行くときもたまたまポップアップ("'over print with ZERO ZERO HERO'TAIWAN POP UP STORE")が重なったのか、山脇さんが合わせてくれたのか――
山脇:合わせました(笑)。
Satoshi:それで、向こうでグッズも作っていただいて。そこからガッツリ一緒にやらせていただいてます。
-なるほど。コロナ前にやりとりしていたってことは、コロナがなければもっと早い段階で一緒にイベントをやれていたってことですかね。
盧:そうですね。
-山脇さんはAIRFLIPさんにポップアップのスケジュールを合わせたということでしたが、粗大BANDさん主催のイベントですよね? そもそも粗大BANDさんとの面識はあったんですか?
山脇:そうですね。そのときは面識なくて、AIRFLIPさんと一緒に台湾に行ったタイミングで、イベント前夜の飲み会で初めましてをして。結構話しましたし、臭豆腐も一緒に食べました。
Satoshi:仲良くなるのは一瞬でしたね。
山脇:そうですね(笑)。
-盧さんは、日本のブランドと話す機会は今までなかなかなかったと思うんですけど、山脇さんと話してみていかがでしたか?
盧:初めてお会いしたときは、熱量を感じたなっていうのと、みんなで火鍋を食べてお酒を飲んで酔っ払って、同じそのコラボしてる服を着て道路の真ん中で写真撮ってみたいな、そういう空気感がすごく好きだったので、そういったところで気が合うなと思いました。
-山脇さんは一緒に台中にも行ったんでしたっけ?
山脇:僕は台北だけでした。
-そうすると、AIRFLIPさんと粗大BANDさんが一緒にバスに揺られて。台中って結構遠いですよね。3時間くらいかかりましたっけ?
Satoshi:そうですね、2時間半くらいですね。
盧:バスで台中まで行って帰ってきたんですけど、それが結構揺れて、隣の人とぶつかったりとか、本当にサークル・ピットみたいな、そんな感じで行き帰りしました(笑)。
Satoshi:行きのバスはみんな大人しかったんですけど、帰りは(ライヴが)終わってからさらにもう2時間くらいかかるんで、打ち上げをバスの中でしたんですよ。みんなお酒飲んで酔っぱらいまくって、スピーカーで音楽かけてバスの中モッシュしたりダイブしてました(笑)。
-その5月の台湾のあと、7月に東京、大阪でのライヴがあって。そちらもover printさんも絡んでるんでしたっけ?
Satoshi:コラボTシャツを一緒に作りました。
-ちなみに山脇さんは、初めて観た台湾のバンドは粗大BANDですか?
山脇:そうですね。思いっきりモッシュ・ピットに突っ込んでサークル・モッシュして楽しみました(笑)。かっこ良かったです。
盧:当日の写真にも山脇さんが楽しんでいる様子が写ってて、すごく楽しんでるのが伝わりました(笑)。
山脇:そうなんですね(笑)。
一同:(笑)
-日本でモッシュ・ピットで暴れてる社長ってなかなかいないです(笑)。山脇さんが特別だということを覚えておいてください(笑)。
盧:OK(笑)!
Satoshi:最高だと思います(笑)!
-盧さんはステージから山脇さんが見えましたか?
盧:見えましたし、大阪のときも見えました(笑)。
一同:(笑)
-音楽のバックグラウンド的なところでも、みなさんポップ・パンクやパンク・ロックの影響が強くて、シンパシーを感じる部分があるんじゃないかなと思いますが、そこらへんはいかがですか?
盧:私はもともとポップ・パンクやパンク・ロックを聴いて育っていて、エモーショナルだったり、スピード感のある曲がとても好きで。日本の"PUNKSPRING"にも行く予定です。
Satoshi:僕もポップ・パンクが好きで、バンドを始めたきっかけはELLEGARDENなんです。"こんなにきれいな英語で歌う日本人がいるのか"みたいな感じで。それから外タレのバンドをググり出して、ちょっと順番は逆なんですけど、NEW FOUND GLORYとかSUM 41とか、そのへんの海外のポップ・パンク・バンドにどっぷりハマっていって。そういったバンドに影響を受けて、AIRFLIPの曲を作るとき参考にしてます。
山脇:自分も以前FABLED NUMBERのN'Eita(Vo/Gt)とかとバンドをやっていたんですが、その当時NEW FOUND GLORYやZEBRAHEADなどの曲をカバーしてたのでポップ・パンクは好きですね。
-盧さんにお聞きしますが、欧米のバンドだけじゃなくて、ELLEGARDENなど日本のバンドからの影響もありますか?
盧:それこそELLEGARDENは子供の頃から聴いてました。カバーもしたこともあります。ただ、バンドとして影響を受けているというよりは、個人として影響を受けていることのほうが大きいかな。
-すごい。そうやって子供の頃からELLEGARDENや日本の音楽が聴けるような環境にあるってことですよね。台湾の方は日本のアニメのタイアップ曲はめちゃ知ってるイメージがありますが、アニメに絡まない、いわゆるライヴハウスを主戦場にしているような、ストリートなロック・バンドやパンク・バンドも聴いていらっしゃいますか?
盧:もともと台湾の人たちもみんながみんなロックを聴いてるわけじゃないので、流行のアニメ・タイアップを聴くほうが多いんですが、その中でもロックを聴いている人もいるというような状況ですね。最近だとラップとかヒップホップみたいなところがどんどん人気になってきてるので、よりいっそうロック・リスナーの人口は台湾でも減ってきてるような気はします。
-山脇さんやSatoshiさんは台湾に行かれたうえで、日本、台湾のシーンの違いを感じましたか?
山脇:日本で当たり前だと思ってた部分で少し違うのが、台湾では自然に音楽を耳にすることが少なかったんですよ。街の中で流れている機会が少ないように思えて。特にご飯屋さんとか、コンビニもそうですし、タクシーもそうですね。日本だといろんなところでラジオだったり、音楽が結構大きい音量で流れているのに気づかされて。台湾の百貨店に行ったときも思いましたけど、日本だと結構大きい音で流れてるんですよね。そこに文化の違いは感じましたね。
Satoshi:僕も山脇さんがおっしゃったように、それはたしかに思いましたね。日本よりも街で聴く体験は少なかったんですけど、とはいえ僕らのSpotifyのアカウントを見ると、台湾のリスナーが結構いたりするんですよ。だからそういうプラットフォームでみんな聴いてるのかなって思うのと、去年2回目に台湾へ行かせてもらったときフリーの大きいフェスティバル("2023新北市河海音樂季")に出演させてもらったんですけど、そこでもロック・バンドは比較的少なかったかなって。まぁ日本も一緒かもしれないんですけど、シティ・ポップとかそういうジャンルが多かった気がしますね。FIRE EX.というバンドをずっと前から知ってるんですけど、昔はメロコアな印象だったんですが、最近の曲だとちょっとポップに寄ってたりで、今はそういうふうに変わりつつあるのかなっていう印象を受けました。
盧:日本に行って台湾との違いを感じるのは、CDが全世界的にどんどん少なくなって、音楽プラットフォームとかに移行しているなかで、日本は台湾から見ても、CDとかレコードを買う人が一定数いるんだなと。レコード・ショップとかCDショップの数を見ても、かなり大きな違いだなと思っています。
-さっき山脇さんとかもおっしゃってましたけど、例えばアーケードを歩いても街鳴りが流れてますし、アパレル・ショップでも外に音が漏れてきています。そういった環境って台湾ではそんなにないのかなと思って。そこに関して新鮮に感じたりしましたか?
盧:台湾でもそういったお店は増えてきてます。食事をすると友人のバンドの歌を聴くことがあったり、音楽をかけているご飯屋さんとかは増えてきているので、そういったところでは日本に近づいていっているんじゃないかなと思っていますが、まだまだこれからな感じですね。
-ありがとうございます。さて、私たちのイベントがあと1ヶ月近くに迫ってきましたが、イベント開催に向けて、主催のover printさんはどういったイベントにしたいでしょうか?
山脇:この空気感や空間を届けられたらいいなと思っています。自分が粗大BANDさん、AIRFLIPさん、激ロックさん、みなさんと関わってきたこの1年の集大成みたいな感覚を持っていて。それはあの日、火鍋を食べて飲んで楽しかった思い出や、音楽を聴いてはしゃいだ思い出もそうです。激ロックさんとはもうここ数年、いろんなことでお付き合いしてますし、激ロックさんの日本でのDJイベント("東京激ロックDJパーティー EDGE-CRUSHER")にも出演させてもらったり、限定の服を発売したり。そういったことがすべてその空間で味わえる。それぞれが、発信者側の私たち全員が、イベントを1日中楽しんでると思うんですよ。その空気を丸ごと楽しんでもらうこと、そこに行かないと楽しめないことこそが、お客さんに知ってほしい、見て体験してほしいことかなと思っています。
-それを聞いて、出演する側のお二方はどういったライヴ、どういったパフォーマンスを見せようと思ってますか?
盧:当然100パーセントで臨みますし、何よりみんなが飲んで楽しめることが大事だと思っているので、それに向けて頑張ります。
Satoshi:去年の4回の公演で絆はガッチガチに固まっていると思うので、そこの繋がりの強さというか、仲の良さをステージでも見せられたら、お客さんも言葉の壁を越えて楽しんでもらえたらと思うのと、そのあとの発表になると思うんですけど、僕らもアルバムのリリースを控えていて、1曲盧にも歌ってもらってるんですね。それを会場でも披露できたらと思うので、そこも個人的にはすごい楽しみです。すごくいい日になるんじゃないかなと思ってます。
盧:楽しみにしていてください。
-これは確実にスペシャルなイベントになりますね。この座談会で確信を持ちました。
EVENT INFORMATION
Overprint presents GEKIROCK in TAIWAN vol:2
collaborated with over print POPUP STORE
3月22日(金)NUZONE(台北市大安區市民大道三段198號2F)
OPEN/START 19:30
出演:AIRFLIP、粗大Band、激ロックDJ CREW(ムラオカ、TATSUYA、YASU)
[チケット情報]
■前売りチケット
価格:NTD 800(内容:入場チケット1枚)
販売開始日:2024/2/7(水)21:00〜
購入はこちら
■当日チケット
価格:NTD 1,000(内容:入場チケット1枚)
前売りの時点でチケットが完売した場合、当日の販売はありません。
- 1