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INTERVIEW

over print 山脇孝志 × AUTHORITY ZERO 座談会

2023.06.30UPDATE

2023年06月号掲載

over print 山脇孝志 × AUTHORITY ZERO 座談会

over print:山脇 孝志(代表)
AUTHORITY ZERO:Jason DeVore(Vo) Brandon Landelius(Gt) Mike Spero(Ba) Chris Dalley(Dr)
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ) Translator:川原 真理子 Photographer:濱谷 幸江


既存の影響を受けたブランドと違うことをしないとクリエイターにはなれないと思うので、ストレートには表現しないようにしています(山脇)


-みなさんは今日このあと渋谷Spotify O-WESTでライヴですが(※取材は5月26日/[CAFFEINE BOMB 20TH ANNIVERSARY AUTHORITY ZERO "OLLIE OLLIE OXEN FREE"JAPAN TOUR. 2023])、渋谷の街を歩いたりはされましたか? 

Mike:今日はすでに渋谷の楽器屋さんに2度も行って、Brandonはエフェクト・ペダルを買ったり、Jasonもピックを買ったりしてね。楽器屋さんに行くのが好きだから楽しかったよ。

-渋谷は、日本で最も音楽やファッションなどのストリート・カルチャーが融合した街と言えます。実際みなさんの目にどう映っていますか?

Mike:渋谷は最先端の街なんだなって気がするよ。ファッションもそうだし、音楽もそうだね。ライヴ会場とかも新しい感じがする。

Chris:渋谷のストリートを歩いているとひとつのトレンドでみんな同じってわけじゃなくて、すごくバラエティに富んでいて、人それぞれ個性的なファッションでそれがすごくいいと思うよ。

山脇:ファッションはここ数年でより多様化しましたよね。アンテナになるような影響力のあるひとりの芸能人とか有名人とか、誰かのファッションを真似するっていうのはなくなって、それぞれが気に入った服を着て、それぞれの推しがいる感じです。ある意味テレビ離れ、YouTubeやSNSの、テレビ以外のメディアを見てっていうところに話は繋がると思うんですけど、"街に出てこんな雰囲気で歩くのがステータス"とかはなくなっていると思います。それぞれの人がデジタルを通じて、音楽もそうですけど好きな人がおすすめしているものを取り入れているので、街で見るとバラバラな感じが加速しましたね。

Chris:なるほど。アメリカは今グランジ・ファッションが流行っていて、90年代のファッションを今のキッズがしているんだ。当然彼らがリアルタイムなはずはないから、知らず知らずのうちにそういうところからリバイバルしているのかな。

-over printはその年代の少し後ろですよね。

山脇:over printは90年代後半のスケート・カルチャーのスタイリングに近いですね。

-90年代後半から00年代に流行ったAtticus Clothing、Famous Stars & Straps、Volcomなどのパンク・ロック・シーンとの縁の深いUSストリート・ブランドが山脇さんのルーツとのことですが、その点を詳しく教えてください。

Mike:Volcomは今でも着ているよ。

Brandon:今日は全身Volcomなんだよね。

一同:(笑)

山脇:バンドをやっていたので、当然そういったブランドを好きになるのもあったんですけど、当時携帯電話とかもなかったので、海外の雑誌をCDショップで買っていました。言葉は何が書いてあるかわからなかったけれど、写真をずっと見ていたので、特にそこに載っているブランドがかっこいいなと。

Mike:昔からずっとファッションに興味があったの?

山脇:そうですね、バンドをやめたときからもう服、という感じです。

-そのルーツはover printのデザインに生かされていますか?

山脇:自分が提案する服は既存の影響を受けたブランドとまた違うことをしないと、クリエイターにはなれないと思う気持ちがあるので、ストレートには表現しないようにしています。今自分が履いているのもover printのものなんです。生地や形はバスケットボールのパンツのようで、着こなしはDickiesみたいにするとか。

Jason:ファッションも音楽も誰にだって影響されたものがあるけれど、それを取り入れてそこから独自のものを生み出すっていうのはどんな世界でも重要で、山脇さんはファッションで、自分たちは音楽でそれをやっているね。

Mike:やっぱり自分のアイデンティティを確立するっていうことが大事だね。

Chris:そのパンツを見てDickiesが好きなんだなと思ったよ。自分もDickiesが好きだからね。

Mike:アメリカでは90年代からDickiesは大流行していて、スケボーをやっている人たちはみんなDickiesを履いて、かっこいい技をキメるみたいな。それがすごくかっこいいものとされていたし。

Jason:94~5年頃は女の子たちもDickiesを履いてスパイダーベルトをして、あっという間にそれが流行っていたよ。