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INTERVIEW

ARCHITECTS

2022.10.14UPDATE

2022年10月号掲載

ARCHITECTS

Member:Sam Carter(Vo)

Interviewer:菅谷 透 Interview interpreted and translated by 川原 真理子

-本作はDanとJoshがプロデュースし、あなたも追加のプロダクションを手掛けています。どのようなことを担当されたのでしょうか?

俺の担当は、サウンドやアイディアやエフェクトやストラクチャーが大半だった。最初から最後まで音楽を作ることは俺にはできない。DanとJoshはそれが得意だけどね。俺は耳がいいし、行き方やサウンドをうまく説明できたりするから、彼らは俺に対してオープンなんだ。すごく楽しかったよ。特にヴォーカルに関しては、俺とDanでとってもうまくやれるんだ。ふたりで頑張ったよ。アルバムに関して俺もいろいろと意見することができて、結果こういうアルバムになったんだ。

-インダストリアル・サウンドもあなたが手掛けたのでしょうか?

そう、俺とAliで各曲の仕上げを手掛けたんだ。シンセやサブ・ベースに一生懸命取り組んだよ。あと、各曲にはパーカッションもかなり入っているんだけど、これもとっても楽しかったな。俺がこっちをやっている間、Danは歌詞を仕上げていた。俺は部屋のゴミ箱の蓋や缶をコインで叩いたりして、変てこなメタル/インダストリアル・サウンドを出していたかと思うと、部屋に戻ってヴォーカル録りを始めていたよ。一方、エンジニアはすべてのチューニングを下げてすごくヘヴィなサウンドにしていた。だから、とっても良かったよ。

-ここからはいくつかの楽曲についてうかがえればと思います。Track.1「Deep Fake」はインダストリアルな質感が新たなサウンドを感じさせる楽曲となっていますが、この曲について詳しく教えていただけますか?

「Deep Fake」は、このアルバム用に書いた最初のころの曲なんだ。俺たちが集まって、最初のセッションでやった曲なんだけど、それがバッチリだったんだな。インダストリアルな世界に向かいつつも、ヘヴィさはそのまま保つことができた。シンセ・ベースやサブ・ベースをブレイクダウンで初めて使ったよ。すごい楽勝で、いい感じでできあがった曲だ。超楽しい曲さ。つい何日か前にこれがリリースされたんだけど(※取材は9月上旬)、この曲に対する反応を見ていると、みんな大喜びしてくれているみたいで嬉しいよ。

-前作のタイトルに関連するフレーズも出てくるような気がします。

そう、"the rest of us wish to exist"というフレーズだね。あれは前作に対するちょっとした挨拶なんだ。

-Track.2「Tear Gas」はビッグでヘヴィなビートが強烈な楽曲で、ユーモラスなMVも印象的です。この楽曲についてもうかがえますか?

あのビデオは超楽しかったよ。これまでやったことのなかったことがやれてすごくクールだったと思う。昔のBEASTIE BOYSやFOO FIGHTERSのビデオみたいに、バンドの別の面を見せることができて良かった。ああいう個性もあるんだってことを示すことができたからね。これまた、Joshのリフと共にあのインダストリアル路線にモロに向かっている。ヴァースも超インダストリアルだね。作っていてとっても楽しい曲だったよ。アルバムの中でも俺のお気に入りだし、バンドとしてはシングルとしてリリースするのがいいと思ったんだ。超楽しかったよ。とても気に入った。いい時間だった。

-Track.3「Spit The Bone」はヘヴィさの中にどこかポップなテイストも感じさせる楽曲になっています。

「Spit The Bone」はとっても楽しい。すごくクールな曲で、めちゃくちゃ実験的だ。スタジオにいる間にできあがっていく気がしていた。まさにコラボレ-ションだったよ。曲作りをしているときは、"これはとんでもないな! すごく変な曲だ!"って思ったんだけど、そのうち"いいんじゃないかな。これでいい。とりあえず出して様子を見てみようじゃないか"と考えるようになったんだ。とっても気に入っているよ。

-ポップなサウンドの中で、ブレイクダウン前にはいわゆる"BLEGH"がセルフ・パロディ的に用いられている気がしましたが、意図的なものなのでしょうか?

あれをまたやったら楽しいと思ったんだ。前のアルバムではやっていなかったし、あれはファンが本当に激しく大好きなものだからね(笑)。俺もしばらくの間はもうやりたくないと思っていたんだ。ちょっとギミックというか、ジョークっぽくなっていたから。でも、あんまり真剣に考えずに、単なる楽しいものとしてまたやったらいいんじゃないかと思うようになったんだ。このアルバムからあれが聞こえてきたら、みんなきっと驚くよ。

-なぜファンはそこまで好きなんでしょうね。彼らに実際に聞いてみたことはありますか?

彼らはやみつきになっているんだ。『Lost Forever // Lost Together』(2014年リリースの6thアルバム)と『All Our Gods Have Abandoned Us』(2016年リリースの7thアルバム)でたくさんやったし、『Holy Hell』(2018年リリースの8thアルバム)でもちょこっとやったから、なぜかウケたんだな。なぜだかわからないけど。ただ俺がアルバムで出していた音だったんだけど、それをみんなが気に入ったんだよ。

-Track.4「Burn Down My House」はARCHITECTS版のグランジといった趣の、ダウナーなサウンドの楽曲ですね。

そうだね、超気が滅入る曲だよね(笑)。君が言うようにグランジっぽい、ポスト・ロック的なヴァイブがあるよね。スタジオに持って行ってすごく楽しくやれた曲だ。音が何層にも重なっている曲で、いろんな種類のドラム・ビートが入っているし、ピアノやグロッケンシュピールといったいろんな要素を組み合わせてあの壮大な音の層になっている。大好きな曲だ。アルバムでも俺のお気に入りのヴォーカル・テイクなんだ。

-本物の楽器を使ったのですか? それとも、サンプリングしたものを使ったのですか?

あの曲にはサンプルはひとつも入っていないんじゃないかな? すべて俺たちがプレイしたんだ。グロッケンシュピールとピアノは、Aliがスタジオで弾いたんだよ。

-Track.6「When We Were Young」はキャッチーでパワフルな楽曲で、演奏にフォーカスを当てたMVも公開されています。

これもシングルになった曲で、楽しかったな。これまたスタジオで超早くできあがった曲なんだ。ある晩、アルバムにはこの手の曲が必要じゃないかと俺がJoshに言ったところ、翌朝スタジオにやって来た彼はこの曲を書き上げていて、俺たち全員に聴かせたんだよ。そしてその日が終わるころには曲は完成して、Danがドラムをちゃんとレコーディングしていた。というわけで、あの曲は文字通り朝から夜までに完成したんだ。そういうことって稀にしか起こらない。これまでそういうことが起こったのは「Animals」(『For Those That Wish To Exist』収録曲)だけだったから、あれはいい兆しだったんだな。

-Track.7「Doomscrolling」やTrack.10「All The Love In The World」は、スタジアムが一体になるようなビッグなビートや、シンガロングが用いられた楽曲です。大規模な会場でのパフォーマンスも想定して制作されたのでしょうか?

そうだね、俺たちはいつだってそういうときのためにビッグなコーラスを書くよう心掛けている。会場全体が声の限りを尽くして自分の歌詞を歌い返してくれることほどいいことはないから、大きな会場でみんながああいった曲をシンガロングしてくれたらと思っているよ。彼らはそのためにそこにいるんだからね。

-前作、本作とで新たな方向性のARCHITECTSが確立され、バンドのサウンドもより幅広いものになりました。今後ライヴではどのようなセットリストが組まれるのでしょうか?

超うっとうしいよ。なんせ曲が山ほどあるんだから(笑)。組み始めはしたけどね。もうすぐ完成するけど、選ばないといけない曲が山ほどあるんだ。でも、『Lost Forever // Lost Together』より前のものはやらないつもりだよ。それほど出来が良くないから、ここ最近の4、5枚から選ぼうと思っている。4、5枚だって選択肢は結構あるんだよ!

-昔の曲はやらないんですね?

あんまり昔の曲はやらない。俺たちは長年やってきたから、すごく古い曲をやっても知らない人が大勢いると思うんだ。

-冒頭で述べたように、日本でのライヴは2015年が最後とかなり間が空いてしまっていますが、今回は日本に行く計画はありますか?

ぜひとも行きたいよ。あの日本への旅はすごく楽しかったねっていつも話しているんだけど、それ以降誰からもオファーが来ないんだ(笑)。オファーさえあれば、ぜひとも行きたいと思っているから、実現することを願っている。日本の大きなフェスティバルはとっても楽しそうだからね。すごい規模みたいだし、また行けたら本当に嬉しいよ。日本に行ってから日本が大好きになったから、また行ってプレイしたいな。

-楽しみにしています。最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします。

しばらく行っていなくてすまないけど、また行くからね! あれからずいぶんといろんなことがあったけど、また行って君たちのために曲をプレイするのを楽しみにしているよ。できるだけ早く行くからね!