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INTERVIEW

GRETA VAN FLEET

2021.04.15UPDATE

2021年04月号掲載

GRETA VAN FLEET

メンバー:Jake Kiszka(Gt)

インタビュアー:菅谷 透


世界を回ってあらゆる美しいものや希望を見てきたけど、同時にその反対側も見てきた


ロックンロールの未来を担う若き 4 人組バンド GRETA VAN FLEETが、2ndアルバム『The Battle At Garden's Gate』を完成させた。前作『Anthem Of The Peaceful Army』が全米トップ・アルバム・セールス・チャート1位を獲得し、ツアーも日本を含む5大陸13ヶ国で開催と、デビュー以来濃密な目まぐるしい日々を過ごしてきた彼ら。約2年半ぶりの新作は、そうしたバンドの経験と精神的成長を反映し、大きな飛躍を遂げた神秘的な作品だ。新たな境地を感じさせる本作について、バンドを代表して、ギタリストのJake Kiszkaに話を訊いた。

-2019年1月には来日公演を東京と大阪で行いましたね。このツアーは5大陸13ヶ国にまたがって行われたそうですが、ツアーを今振り返ってみていかがでしょうか? 特に日本の思い出などはありますか?

たくさんあるよ! 移動では東京から大阪まで新幹線に乗ったんだ。窓から富士山が見えて、圧巻の眺めだったよ。でも僕にとって一番印象に残っているのはやっぱりファンだな。みんなが曲に反応してくれるときのやり方がすごくリスペクトに満ちていて、僕たちのプレイしていることにしっかり耳を傾けてくれているという手ごたえがあった。心からスペシャルな気分になったよ。

-そのツアー後、2020年はCOVID-19が流行し、音楽活動をはじめとした様々な行動が制限されることとなりましたが、バンドにはどのような影響がありましたか?

僕たちにとってはとても興味深い時期ではあったね。長い間ツアーに出たあとのロックダウンだったから。ただ、クリエイティヴな部分をリフレッシュできたのは良かったと思う。

-ロックダウンの最中はどのように過ごしていましたか?

実は、ニュー・アルバム『The Battle At Garden's Gate』の大半はロックダウン前に作り終えていたんだよね。でもロックダウン中に2曲書くことができたよ。できあがりがアルバムにぴったりの内容だったから、追加することにしたんだ。

-では、そのニュー・アルバムについてうかがいます。今作では、Greg Kurstinをプロデューサーに迎えていますね。彼はFOO FIGHTERSからPaul McCartney、Kylie Minogueまで、幅広いジャンルを手掛ける人物ですが、彼を選んだ経緯を教えていただけますか?

初めに、自分たちがどんなアルバムを作りたいか、基本的な考えをまとめたんだ。それはシネマティックなロックンロールを目指そう、ということだった。Gregの他にも何人かプロデューサー候補はいたんだけど、彼が一番興味を持ってくれた印象だった。で、僕たちが作りたいものを鑑みるに、それを達成するのを手助けしてくれる役は、Gregが一番適しているんじゃないかという話になったんだ。とても聡明でクリエイティヴな考え方をする人だったよ。やっぱり年齢や経験が表れているなと思ったね。

-彼との制作で得たインスピレーションなどはありましたか?

アルバムのレコーディング・プロセスでは、Gregからたくさんのことを学んだ気がする。僕が特にインスピレーションを得たのは、彼が問題を"音楽的に"解決する力だった。例えばブリッジのところに取り組む段になって、展開の候補が3つあるとする。彼は"どれも素晴らしいけど、音楽的にベストなのはこれだね。理由はこうだ"ときちんと系統立てて説明してくれるんだ。他のときでも、何か壁にぶち当たると、彼の知識や知恵、そして音楽に対する深い理解が大きく作用してくれて、それに助けられたことが多かったよ。

-2018年の前作『Anthem Of The Peaceful Army』は、大地や自然への讃歌といった雰囲気がありましたが、今作ではそこから上へと目を向けた、天界での祝祭のような、神秘的な印象を受けました。今作で掲げたテーマはどのようなものでしょうか?

興味深い感想だね。――ここ数年のツアー中に経験した、様々なことがもとになっている気がする。アルバムの歌詞だけじゃなくて、音楽的なところにも影響しているんじゃないかな。いろんなところを訪れて、いろんな人々や文化を垣間見ていくうちに、僕たちの心の中で異文化の神秘みたいなものが形成されていったんだ。僕たちは世界を回ってあらゆる美しいものや希望を見てきたけど、同時にその反対側も見てきた。例えば貧困とか飢えとかもね。だからこそ、曲の中で取り上げている一部のテーマやサウンド、それから全体の美的感覚というのかな、そういったものが前回より少しダークになっているんだ。前作に出てくる"Peaceful Army(平和な軍団)"が、今作では戦争に向かって行進していく......みたいなところもある。世界で見てきた様々な光景が、このアルバムで伝えるストーリーのアイディアを与えてくれた。

-なるほど。もしかして、それでタイトルに"Battle(戦い)"という言葉が入っているのでしょうか。これまでバンドは平和、愛といったメッセージを打ち出してきたというイメージがあるので、少し意外ではあったんです。

そう、今話したところから来ているよ。

-今作のアートワークは門をかたどったジャケットをはじめ、各楽曲にそれぞれシンボル・マークが作られているのが面白いと思いました。これらはどのように制作されたのでしょうか?

僕たちとクリエイティヴ・ディレクターの人とで考えたんだ。僕たちが思いついたものを、その人が具体的な形にしてくれた感じかな。このアルバムは何かシンボルで表すことができる要素がとても強いような気がしてね。各曲も、何曲目みたいに数字で表すよりもシンボルで表したほうがしっくりくるような感じ。そういう意味で、我ながら興味深かったんだ。それらの曲をまとめるのに"門(Gate)"が必要だという話になって、いろんな形の門をみんなでスケッチしたり、門の写真や絵を何ページ分も探してきたり、アイディアを書き留めたり......そして最終的に理想的だと思える形に辿り着いたのがあれだった。すごいんだよ、クリエイティヴ・ディレクターの人に集めたものを資料として送ったら、彼女は僕たちが思い描いていたものぴったりの門をデザインしてくれたんだ! その時点で、最終的にジャケットになった門がほぼできあがっていて、僕たちも"これだよ!"と大満足だったよ。たった1回のデザインで決めてくれるなんて最高だよね。

-すごいですね。特に気に入っているマークなどはありますか?

そうだなぁ、特に好きなのは......「Light My Love」のやつかな。丸い輪っかなんだけど、少し指輪みたいに見えるんだ。すごくきれいなシンボルだと思う。

-わかります。このシンボルを布地に連続で印刷して模様みたいにしてもきっときれいですよね。どのシンボルもそうしたくなりますよ。

(※親指を立てて)でしょ?

-アルバムのオープナー「Heat Above」は、ハモンド・オルガンやクワイアが神秘的な楽曲です。白を基調としたMVも印象的でしたが、楽曲のテーマについてうかがえますか?

あの曲は、アルバムの内容をある程度まとめたようなところが興味深いんだ。前作に出てくる"Peaceful Army"のコンセプトがここでも続いていて、みんなで手に手を取り合ってひとつになって戦いに向かっていく。それから歌詞的なテーマは他にもあって、世の中の様々な葛藤や衝突の範疇を超えたところに向かって行こう、というのもあるんだ。自分たちの心がとらわれている、人間の経験よりも高いところ(=Above)に向かうような感じだね。