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INTERVIEW

GRETA VAN FLEET

2021.04.15UPDATE

2021年04月号掲載

GRETA VAN FLEET

Member:Jake Kiszka(Gt)

Interviewer:菅谷 透

-続く「My Way, Soon」は、打って変わって開放的なリフとビートが心地よい楽曲です。MVはバンドが撮影から監督まで手掛けたようですが、制作してみていかがでしたか?

興味深いプロセスだったよ。僕たちを撮ってくれているカメラマンのひとりから、Super 8というカメラ(※コダック社の8mmカメラ)の存在を教えてもらって、それを使ってたくさん映像を撮ったんだ。ツアー中も、僕たちもカメラマンもそれぞれSuper 8を使って、ライヴやその他の映像を撮っていた。いつか使える機会がちょこちょこ出てくるんじゃないかと思ってね。でも撮っているうちにその映像の重要性が増してきて、アルバムの曲を代表するのに大切なものなんじゃないかと思うようになっていったんだ。それで1年くらい経ってからSuper 8 で撮った映像を全部ひもといてみると、これらをまとめたら「My Way, Soon」に合うんじゃないかと思いついた。映像自体もとても興味深くて面白いし。実はSuper 8を手に入れてからは、どのミュージック・ビデオもSuper 8の映像がどこかしら使われているんだ。

-「Age Of Machine」はシリアスな雰囲気が漂う大作ですね。あのビデオについてはどうご説明されますか。

そうだなぁ......"Ethereal(極めて優美)"という感じかな。あの曲はテネシー州のどこかにある小さな山小屋から始まったんだ。まずリフが生まれて、"よし、このリフを中心に書いてみよう"なんて話になったけど、そこからいろいろ書いていったら曲がひとり歩きを始めて、テクノロジーの時代についての曲へと発展していった。今の人間はテクノロジーとデジタルの世界に暮らしているけど、その一部になってしまったことの代償が始まっているような気がする。テクノロジーの発達があまりに速すぎて、科学が必ずしもついていけていないような。そんな状況の中での人間関係について語っている曲なんだ。人間界のそういう新しい進化の中での人間関係の軌跡をね。音楽的にはひとつのギターのフレーズから始まって、それがどんどん育って7分間くらいになってしまったんだ(笑)。もともとはもっと短い曲にするつもりだったんだけどね。今までやったどの曲とも違う、ユニークで興味深い曲だよ。

-「Stardust Chords」はいかがでしょう。ストリングスが楽曲を効果的に盛り上げています。ストリングスと絡み合うようなあなたのソロも印象的ですが、この曲についても詳しく教えていただけますか?

これもまた興味深い曲だよ。リフがふたつのコードでできていてね。それを"Stardust Chords"と呼んでいたんだけど、もともとは仮のタイトルだったところを、"でも、これって曲の雰囲気に合ってるんじゃないかな?"と、とっておいたんだ。歌詞は"Garden's Gate"にまつわる神話を歌っているよ。この曲はサウンド・チェックのときに偶然生まれて、"あれ、これいいね"と思ったから、そこから発展させていったんだ。

-「Light My Love」ではきらびやかなピアノも相まって、アルバムの中ではポップな色彩を放っている楽曲だと感じました。

そうだね、ポップだと僕も思う。「Light My Love」のストーリーは面白いよ。Greg Kurstinとスタジオに入って、どんな感じか一緒に1曲トライしてみたいと思ったんだ。それでうまくいかなかったとしても痛手にはならないしね。

-トライアルですか。

そう。一緒にやったらどんなふうに仕事ができるんだろうと思ってね。それでしまってあった曲を取り出して"試しにこれを"と言って、Gregと一緒に少し手を入れてみた。そうしたら"こんなにいい曲になるなんて"と思えるものができたから、アルバムに入れたんだ。さっき君も言っていたけど、アルバムの全体像の中ではポップな役割を担っている曲だと思うね。

-ラストの「The Weight Of Dreams」は、あなたのギター・ソロも素晴らしく、曲がクレッシェンドしていく様子など、まさにアルバムの最後を飾るに相応しい楽曲ですが、おそらくバンド史上最長の楽曲になるかと思います。

そう、今のところ僕たち史上最長の録音だね(笑)。

-ギターの部分も長くて情熱的です。あの部分はあらかじめ書いたのでしょうか。それとも熱中して弾くあまりどんどん長くなっていったとか?

この曲はあらかじめ弾いておかないと、スタジオでプレイしたときにああいう感じにならなかったような気がするんだ。そういう意味で興味深い曲だね。実はこの曲は「Black Flag Exposition」という別の形でやったことがあったんだ。もともとはライヴのとき、曲と曲の合間に演奏していたものだったんだけどね。それがどんどん長くなっていって、ショーの中でも重要な役割を果たすものに発展していったんだ。とても実験的なジャムから始まってね。今回レコーディングすることができたのは、すでに1年くらいライヴでやっていたからこそだったんだと思う。ジャムが発展して曲らしい形になったのが「The Weight Of Dreams」なんだ。ギターのパートは自分であらかじめ書いたよ。僕のギター・ソロは計画したり書いたりしないで思いきり自由に弾くときもあるけど、この曲に限って言えばその場である程度アレンジを作ったんだ。この曲をアルバムの最後に置いたのは、そういういろんな事情が相まって、僕たち全員にとってエモーショナルな曲になったからというのがある。このアルバムの集大成みたいな感じかな。

-そうして"Battle"は壮大な戦いの末、ハッピー・エンドで終わるという感じなのでしょうか。

そう! そのとおりだよ。

-アルバムが出るということで、ライヴへの期待も高まるところですが、依然として難しい状況ということもあり、日本に来てほしいと思ってもなかなか実現するには時間がかかるかもしれません。ライヴ・バンドとしての側面も持つGVF(GRETA VAN FLEET)にとっても、なかなかもどかしいものがあると思います。最近ではオンライン・ライヴを行うアーティストも増えていますが、こうした取り組みをどのように考えていますか?

オンライン・ライヴをやったらどうなるかなと考えてはいるよ。ただ、現時点での僕たちの結論は、本物のライヴ・ショーみたいな体験を提供することは難しいんじゃないかということなんだ。そもそも、そういう懸念があって躊躇しているんだけどね。オンラインやストリーミングのショーをやったらどんな感じなのか検討はしているけど、生のライヴと同じような体験をしてもらうのは無理だろうと。じゃあ僕たちにできる、その次にベストなことはなんだろう? と考えた結果、映画みたいな感じで観てもらうのがいいかもしれないと考えたんだ。例えばミュージック・ビデオをそういうものにするとかね。あとは、ライヴ的なもの以外でも人々が楽しんでくれそうなものをやれればと思っているよ。

-言われてみれば、新作のビデオには「Heat Above」、「Age Of Machine」とライヴ仕立てのものもありますね。あれを観ると、実際のライヴではどんな感じになるのかなと期待が高まります。

そうだね、ちょっとライヴの様子が垣間見られる感じになっていると思うよ。

-またGVFのライヴを生で観ることができる日が来ることを待っています。最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

日本にまた行くことは僕たちの中で何よりも楽しみにしていることのひとつなんだ。早くみんなの前で新曲をプレイしたいよ。初めてそっちに行ったときは短いツアーだったけど、心から楽しめたひとときだった。もっと日本を見たいってメンバー全員が思っているよ!