INTERVIEW
GUNIX
2020.10.14UPDATE
2020年10月号掲載
Member:アミ(Vo) K-BOM(Vo/Prog) Arly(Gt) Matsubai(Ba) とよてつ(Dr)
Interviewer:山口 智男
激ロックの読者に"ええやん!"と思ってもらえるものにしたいなと思って作りました
-今回の『WIRED』は、ラウドロックなサウンドと煽情的なシンセ・サウンドが、かなりインパクトがあるんです。でも、歌詞に目を向けると、どの曲も周りの言っていることなど気にせずに、自分のやりたいことをやれ、勇気を出して一歩踏み出せというメッセージが込められていますね。
K-BOM:たしかに。
-K-BOMさんは、これまでもそういうメッセージを歌うことが多かったんじゃないかと思うのですが、音楽を作るうえで一番大事にしているのは、やはりそこなんでしょうか?
K-BOM:歌詞はそうですね。人にアドバイスって、みんなしたがると思うんですけど、僕的にはアドバイスって何もいらないと考えているんですよ。僕、人の意見を聞きたくないタイプなので(笑)、人の意見を聞かずに、自分の好きなようにやれっていうのが常にメッセージという意味ではあると思います。日本人って忖度も含め、人の心を読もうとか、おもんぱかろうとか、ホスピタリティとか、大好きじゃないですか。そんなの全然いらないと思っていて、自分の好きなことをやることがあなたの人生だよってことを、みんなに伝えなあかんなと考えているんです。
-それと同時にパーティーを楽しもうぜとも歌っていますね。
K-BOM:一瞬一秒を無駄にせず、今を楽しもうってことですね。
アミ:曲もそうですけど、歌詞もメッセージ性が強いやつと、メッセージがあるようでないパーティーみたいなやつが入り交じっているから、歌いながら情緒不安定になるんですよ(笑)。
K-BOM:ハハハハ(笑)! それは繊細なところは基本アミちゃんが歌うから、パート的な問題だと思うんですけど。僕は基本的に怒りや憤りの部分を歌うので、常にイライラしながら歌っていればいいっていう(笑)。
-全曲がそうだと思うのですが、おひとりずつあえてお気に入りの曲を1曲挙げるとしたら?
Matsubai:1曲に決めるのは難しいんですけど、うーん、強いて言うなら「#wonderland」。このバンドに誘われて、デモの状態のこの曲を聴かせてもらったときに、めちゃくちゃかっこええなっていうのが一発目にきたんですよ。そのときはまだ歌も入ってなくて、歌が入ってさらにかっこ良くなって、自分らの演奏が入って。今、ライヴでは最後にやることが多いんですけど、最後を飾るにはぴったりなんです。ぱっと聴いたらダンサブルなんですけど、細かいフレーズも含め、いろいろな要素を取り込んでいて。僕はこれが一番気に入ってますね。
-サビのメロディはすごくキャッチーで、ポップで。
Matsubai:その裏で鳴っているシーケンスのメロディと音色もすごく好きですね。
Arly:私はMVにもなった「WAVY TOXIC」が一番気に入ってます。サイバーパンクという世界観に一番合ってるし、このバンドを1曲で紹介してと言われたら、間違いなく私はこれを挙げますね。楽器陣のアレンジもかなり緻密に作り上げたので、アレンジの完成度もかなり高いと思っています。
とよてつ:「WAVY TOXIC」は演奏していても、マジでなんも考えんでもええぐらい気持ち良くなれるんですよ。でも、Arlyに取られたので(笑)、「INSIDE OUT!!」にします。最初バンドに誘われたとき、送られてきた曲の中で一番、自分的にきた曲なんです。冒頭からいきなり勢いもあるんですけど、それが途中、劇的に変わるところが自分的にはすげぇいい! ってなりました。
アミ:私は「PARTY MONSTER」です。この曲はとにかくサビのキーが高くて、最初送られてきたとき、マジか!? と思ったぐらいで(笑)。だから最初は全然歌えんかったし、レコーディングも地獄みたいだったし。何テイクも重ねて、一番いいところを目指していったんですけど、まるで修行しているみたいでした。でも、レコーディングを経てからも練習を続けてたら、全然歌えるようになれて、私頑張ったなって(笑)。私、偉かったなっていう達成感が一番感じられる曲ですね。
-そして、最後にK-BOMさん。
K-BOM:今回、全体的に激ロックに載っている人たちを意識したというか、そういうバンドを聴いている人たちに"ええやん!"と思ってもらえるものにしたいなと思ってやっていたんですけど、最後にできたのが「ZERO GRAVITY」だったんです。アレンジはまっつんの"こういう曲の、この感じにしたら"っていうところから始まって、Arlyがリフを考え、とよてつのキックに合わせるところも含めサウンドありきで作ったので、そういうところも新しくて僕は好きですね。激ロックの読者にも気に入ってもらえるんじゃないかなというのが一番強い曲ですね。ジャンルで言ったらDjentって言うんだっけ?
Matsubai:そこまでゴリゴリじゃないけど、ドラムのキックとギターとベースが全部ユニゾンして合わさっているっていうのが聴きどころですね。
K-BOM:メタルとダブステップを混ぜてみました。
-最後にGUNIXをどんなふうに発展させたいと考えているのか聞かせてください。
Arly:ラウドな音楽が基盤にあるバンドなので、状況的にはまだ厳しいですけど、ライヴで育っていきたいです。気兼ねなくライヴできるようになったらばんばんライヴして、多くの人を巻き込んでいって、大きなところでできたらなと思ってます。
とよてつ:僕の言いたいこと、いつもArlyに取られるんですけど(笑)、Arlyが言うように曲と共に育っていって、有無を言わさんとフロアを盛り上げることができる、説得力を持ったバンドになれたらもうイケイケですね(笑)。
K-BOM:イケイケって(笑)。
Matsubai:スタートがドラマチックで、マンガに描かれたような出会いとそのあとのスピーディな展開があったので、もうこのまま海外にも行きまくって、世界中の人に聴いてもらって、マンガみたいになったらいいですね(笑)。あと僕は最終的に、自分らを見てバンドを始めましたって人がひとりでも増えてくれたらいいなと思っているので、そういうバンドになれたら嬉しいです。
アミ:バンドをやりたいと志したときから持っている全国Zeppツアー即完売という夢を、このバンドで実現したいです。
K-BOM:僕の展望としてはグローバリゼーションとマーチャンダイジングの2本だと思っています。まっつんも言ってたように海外進出も目論んでいるんですけど、今、まっつんが頑張ってグッズをブランド化しようとしていて。音楽だけにとどまらず、サイバーパンクというコンセプトを表したものを着て、全部トータルでバンドを打ち出していきたいんです。なので、ファッションと海外進出を重要視した2021年にしたいと思っています。ぜひ、ついてきてください。10月~11月はリリース・パーティーを東名阪でやりながら、主催イベントもあります。とにかくライヴに来てほしいので、ぜひチェックしてください。激ロックの読者なら絶対僕らを好きになると思うので、よろしくお願いします。