INTERVIEW
BRIDEAR
2019.12.03UPDATE
2019年12月号掲載
Member:KIMI(Vo) MISAKI(Gt) AYUMI(Gt) HARU(Ba) NATSUMI(Dr)
Interviewer:杉江 由紀
グルーヴの部分に集中してそれが上手くいくと"こんなに楽しいんだ"と気づいた。最高です、うちのメンバーは。今のBRIDEARは間違いなく最強です!
-それから、肉感的な16ビートに色気と刺激を加味した「MIRROR」。こちらもまた、新生BRIDEARとしての新しい表情が明確に表されたものに仕上がっていませんか。
HARU:そうなんですよね。このリズム感は今までのBRIDEARにはなかったです。
-曲を作られたAYUMIさんからすると、「MIRROR」に対していかなるヴィジョンをお持ちだったのでしょう。
AYUMI:これはBRIDEARに入って初めて作った曲で、このバンドでやるならどんなのがいいんだろう? って考えながら、試行錯誤しつつ作った感じでしたね。最初、私はMUSEが好きなのでそれっぽいギター・リフをデモ段階では入れてたんですけど、そこの部分は結果的になくなってしまいましたし(笑)。そして、なんとか完成したあとに今度はライヴに向けてのリハをみんなでしてみたら、"この曲、演奏するの難しいねぇ......"って私自身も含めてなりました(苦笑)。なかなか思い通りにはいかなかったです。
-もっとも、それだけ試行錯誤した成果は出ているのではないですかね。ロック・バンドが16ビートをモノにしていくのは、そう一筋縄ではいかなったはずですよ。
NATSUMI:え......あの、私何も考えないで叩いてました(笑)。
AYUMI:天然ビートだ(笑)。
HARU:そうなんだよね。叩いてるの見てても、そんな感じだったもん。NATSUMIちゃんは天然なタイプの天才だと思う。
NATSUMI:自分としては"あ、これ好きなリズムだな"と思ったので純粋に楽しく叩いただけなんです。
HARU:私は、その楽しそうなNATSUMIちゃんにひたすら合わせていく感じでしたね。ベース的に言うと、この曲って運指は簡単なんです。だけど、グルーヴを出すのはすごく難しくて。難しいんですけど、そこが合ってくるとどんどん楽しさが感じられてくるんですよ。あれは新しい発見でした。
MISAKI:わかります。HARUさんが言ってるのと同じことを、私もこの曲に対しては感じましたね。基本的にはこの曲だとバッキングしかしてなくて、そこまで難しいことはしてないんですけど、とにかくグルーヴを出していくのが大変で(苦笑)。だけど、グルーヴの部分に集中してそれが上手くいくと"こんなに楽しいんだ!"っていうことに気づいた曲でもありました。
AYUMI:作るのも大変だったし、難しい曲にはなっちゃったんですけど、この完成形には私もすごく満足してます。BRIDEARでこの曲をかたちにできて良かったです。
KIMI:おそらく、「MIRROR」はここからライヴでさらに進化していく曲になるんじゃないかと思いますね。音源としての正解をこのかたちにするまでが大変だっただけに、すごく勉強ができましたから。ここからは、その経験を生かしながらライヴでもさらに成長していきたいなと思ってます。
-それから、ギャルバンとしてはなかなかのいなたさを醸し出しながら迫ってくる「Awakers」も、今作の中では相当に際立った存在感を持つ楽曲ですね。
HARU:ですよね。私も、メチャクチャいなたい曲になったなと思いました(笑)。ほんとはこれ、当初はもっとノリのいい雰囲気になるはずだったんですよ。
-それがなぜ、ここまでの逆方向に極まったのです?
HARU:そこはきっと、この5人になったことが大きかったと思います。これまではギター押しで曲を展開させていくことが多かったんですけど、現体制になってからはリズム押しでやっていく曲もあったほうが面白いなって感じるようになったからですね。この曲は歌詞のハマり方もヤバくて、"神の裁きを"っていうフレーズがきたときに感動しました!
KIMI:良かった、褒められた(笑)。
-なお、今作にはアコギと歌を軸としたフォーキーなバラード「You」も収録されております。この曲からもBRIDEARの中に吹く新しい風を感じました。こちらはAYUMIさんが作られたものになりますね。
AYUMI:これは、メンバーからの"アコースティックな曲が欲しい"というリクエストに応えて作った曲なんですよ。個人的には、アコギでリードやソロを弾くということ自体が初めてでした。
KIMI:これは歌詞もAYUMIが書いているんですけど、私には書けないような優しくて温かい言葉や未来に向けての思いがたくさん並んでいたので、そこを大切にしながら歌いましたね。
-そのほかにも、今作にはBRIDEAR流の豪快なロックンロールを体現した「Sick」、研ぎ澄まされたメタル的手法と、それとは真逆のガールポップ的なエッセンスをひとつに融合させている「Crybaby」、ダイナミックな躍動感が溢れる「Dance Macabre」、どこか透明感を漂わせた「thawing」、全編にエモさの漂う「misery machine」などなど、たくさんの楽曲たちが収録されています。なおかつ、アルバムのラストを飾っているのは、ストレートさとポジティヴさを持った「Again」となりますが、もしこの曲をこのポジションに置いた理由があれば教えてください。
KIMI:私たちにとっての新しい一歩になるアルバムを、こういう曲で締めくくれたらいいなという思いは実際ありましたね。明るいロックでスカッ! と終わりたかった、というか。イメージ的には、昔Janne Da Arcさんのアルバムで『ANOTHER STORY』というのがあったんですけど、その最後に入っていた「Shining ray」っていう曲を聴いたときの感覚をちょっと意識しました。ポップな曲なんだけど、そこにはちゃんと深い意味もあってっていう曲にしたかったんですよ。
HARU:その感覚、すごいわかる! ほんとこれはそういう曲だよね。
-かくして、今作には"Expose Your Emotions"というタイトルが冠されました。ここに込めた思いについても教えていただけますか。
KIMI:これもメンバーみんなでLINEをしながら決めたんですけど(笑)、特に私としては"感情"っていう単語をどうしても入れたかったんですよ。そうしたら、話し合っていくうちに感情を曝け出すっていう表現に行き着いて、私たちのほうからそうしているのはもちろんなんですけど、聴いてくれるみなさんに向けてもこの音を聴いて感情を曝け出してほしいなという気持ちでこのタイトルは付けました。そういう意味では、このアルバム・タイトルは今後のライヴにも繋がっていくものになってますね。
-演者側も、オーディエンス側も、ともに感情を露わにできるような空間を作っていきたいというわけですね。
KIMI:今からすごく楽しみですね。この5人でここまでのアルバムを完成させられたということもあって、今の私たちはとてもやる気に満ち溢れているので、今度の12月7日に名古屋でやるライヴ(名古屋HeartLandで開催する"BRIDEAR Tour 2019 『Glaring Rapt Eyes』")に対しても今から前のめりになってるんですよ。
HARU:もう最近はほんとにバンドをやってるっていうことが楽しくて仕方ないんですよね。今回のレコーディングでも思ったんですけど、とにかく最高です! うちのメンバーは。今のBRIDEARは間違いなく最強です!