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INTERVIEW

アラウンドザ天竺 × ダイノジ 大谷ノブ彦

2018.12.10UPDATE

2018年12月号掲載

アラウンドザ天竺 × ダイノジ 大谷ノブ彦

アラウンドザ天竺:ロンドンタナカ(歌と6弦) アラウンドザ長老(上手い方の8弦) ジョン・カッター(4弦と高い叫びと色んな声) ガワ(雑用)
ダイノジ:大谷ノブ彦
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by RIO NAKAMURA


クアトロが満員になったら泣きましょう。 泣いて一番バカな歌みんなで歌いましょう(大谷)


-今回、せっかくなのでアラ天から大谷さんに聞いてみたいことはありますか?

ロンドンタナカ:さっきも言ったような、売れる/売れないとか、人気が出る/出ないバンドっていうのは、どういうところで分かれていくのかということですよね。

大谷:俺もそこは全然わからないですけど、大前提として、一番好きなことをやっているというのがたぶんいいと思うんです。もちろんそれが当たり前だと思うんですけど、僕ら芸人も超多いんですよ、売れてない人が。僕は吉本所属なんですけど、吉本だけで芸人って6,000組いるんです。その内バイトをしないで飯を食えているのが350人だけらしいんですよね。となると5,650人はお笑いで飯を食えてないんですよ。すげぇなと思っちゃって。そういうなかで、さっきも言ったんですけど、フックのあるキャッチーな1曲があるのは強いと思うし。曲なんですよ。曲さえあれば、さっき言った"うんこ"をいっぱい入れてもいいんですよ。曲がいいかどうかに関しては4人で超厳しくやった方がいいと思いますね。

ロンドンタナカ:そうですね。

大谷:もうひとつは、僕は記号化される奴がすごいと思うんですよね。ヤバTだとピンクのTシャツ着てる子(しばたありぼぼ/Ba/Vo)がいるじゃないですか。ずっとピンクのTシャツを着続けてますよね。芸人だったら当たり前のように衣装、同じ格好をしている奴が偉いなと。アラウンドザ天竺もそうだと思うんですけど、批評的な作品を作る人たちってツッコミをやっちゃうので、自分の作品まで自虐してツッコんじゃうんです。でも、"ハズキルーペのCM"あるじゃないですか。あれお笑い芸人、大好物なんですよ。

ロンドンタナカ:僕も好きですね。

大谷:でも、あの"ハズキルーペのCM"を作る奴の方が全然すごいと思うんですよ。言ってる意味わかりますかね? "ハズキルーペのCM"を批評してバカにして笑いを取る奴よりも、あのCMを作る奴の方が全然すごい。中尾 彬さんのねじってるやつも、あれをしようって思った中尾 彬さんがすげぇと。ステージに上がってる人は、そっちをやってほしいなって。超批評的であってもね。だってマキシマム ザ ホルモンとか、こんなにポップにヘッドバンギングできた人っていないし。その前のバンドでも、僕が大好きなSEX MACHINEGUNSというバンドの「みかんのうた」とか、すごくエモーショナルじゃないですか。

ロンドンタナカ:そうですね。

大谷:ガチでマジな感じがして好きなんですよね。あの歌はギミックのように見えてガチでマジなんですよね。あの歌を聴くと感動するんですよ。さっきの打首の話でも、打首の動員が増えたのって、もちろん楽しいライヴもあるんですけど、楽曲に魂があるからで。だから打首をいじれるんですよね。そっち側のステージの人になったから。でも批評、ツッコミをやってる限りは、一生そっちにいかないっていうイメージがある。アラ天は、僕の中ではその狭間にいるっていう感じなんです。自分たちで自虐を言ったりとか、インタビューでもすごく解説してくれたりするじゃないですか。そんなに説明してくれなくてもいいなって思うんですね。すごく真面目な話してますけど──

ロンドンタナカ:いえ、ありがたいです。すごく。

大谷:僕ら、DJダイノジでは、いじられるようにしてからめっちゃオファーが増えたんですよ。

ガワ:そうなんですか?

大谷:でもやってるときは大マジなんです。大マジでやらないと曲に失礼ですからね。大マジでその曲が好きなんですよ。だから盛り上がるとかが第一じゃなくて、この曲が超好きで夜泣いてた、その気持ちをマジでやるみたいな。そうすると、それを(周囲が)いじってくれるんですよね。そうするとめっちゃ広がっていくから。アラ天に関しては、これからいじってくれる人が増えると思うんですよね。こうして約2年経って、ベスト・アルバムを出して。そういうマジなところがわかりやすく出たらいいだろうなって感じます。

ロンドンタナカ:なるほどー!

大谷:超能力戦士ドリアンとか、あの怪獣みたいな着ぐるみのやつやってるじゃないですか。あんなのようやるなって半分思うんですよ。でも毎回ちゃんとやるじゃないですか。あの着替えてるところって、やっぱ見たら泣いちゃうんですよね、俺。

ジョン・カッター:(笑)

大谷:打首さんと初めてイベントしたときも、舞台袖で岩下の新生姜の被り物を汗だくで被るのとか見ているのが、一番感動しちゃったんですよね(笑)。すげぇ変な話ですけど。それがすごい大事だっていうか。

ロンドンタナカ:そうですね、そうだと思います。

大谷:ピースの綾部(祐二)が若手のときに、ずっとダイノジの付き人みたいなことをやってくれていたんです。あるとき名古屋でのダイノジの単独ライヴで、オープニング・コントで大地(洋輔)のテンションが上がってなくて、そのコントの途中から俺、怒ってたんですよ。で、転換中俺が袖で大地に、"単独ライヴやめていいぞ。そのお前の態度だったら俺やりたくねぇわ"って、次のコントの準備でハゲヅラを被りながら言ってるわけです。綾部はそれを3ヶ月くらい経ってから笑い話にするんですけど(笑)。でもそのときは、俺は全然気づいてないんですよね。マジで怒ってるから。

ロンドンタナカ:(笑)

大谷:銀杏BOYZのドキュメンタリーとか観ていて超笑ったんですけど、峯田(和伸)君がドラムの人にすげぇ怒るんですよ。"そんなんじゃねぇ!"って。で、"貸せ、こうだよ!"って言ってドラムを叩くんですけど、全然叩けないんですよ。それがすげぇ面白くて。情熱とかの方が先なんですよね。そういうのが迸るときがあるじゃないですか。そういうときに、そのバンドに心奪われちゃうんですよね。だから盛り上がるのもすげぇ大事なんだけど、超大事なのはそっちの部分なんかなって。

ロンドンタナカ:真剣さというか。

大谷:そうそう。笑っちゃいません? アラ天は批評性の高いバンドだと感じるから、そこの部分は意識してもいいんじゃないかなっていうのは見ていて思いますね。このベスト・アルバムを聴いていても、いい曲だなっていうのがありますから。「振り向けば小手指」とか大好きですね。

ロンドンタナカ:ほんとですか、ありがとうございます。

大谷:あとはそういう真剣さが出てきたときに、どーんと行っちゃうのかなっていう。

ロンドンタナカ:ありがたいです。