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INTERVIEW

アラウンドザ天竺 × ダイノジ 大谷ノブ彦

2018.12.10UPDATE

2018年12月号掲載

アラウンドザ天竺 × ダイノジ 大谷ノブ彦

アラウンドザ天竺:ロンドンタナカ(歌と6弦) アラウンドザ長老(上手い方の8弦) ジョン・カッター(4弦と高い叫びと色んな声) ガワ(雑用)
ダイノジ:大谷ノブ彦
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by RIO NAKAMURA

-ネズミ講的なやつですね(笑)。先ほどライヴでいかに楽しんでもらうかという話が出ていましたが、今回のベスト・アルバムは「サークルモッシュに入ろう」や「LOUD体操第一」など、ライヴで楽しめそうな新曲がだいぶ増えていますね。意識的にこうした曲も増やしているんですか?

ロンドンタナカ:そうですね。1stミニ・アルバム(2017年にリリースした『タイトルなんでもいい』)とシングル(2018年3月にリリースしたコラボ・シングル『男男男子』)を出したんですけど、そのときはまったくライヴを想定しないで作ったんです。想定せずに作ったら、ポカーンとするお客さんが多くて。だんだんとお客さんがアラ天のライヴに慣れてきたときに、1回ライヴを想定して作ってみようってやったのが、「サークルモッシュに入ろう」とか「LOUD体操第一」とかです。今回のベスト・アルバムでは新曲が4曲入っているんです。初めはこの4曲だけで出そうとなっていたんですけど、この4曲だけだとライヴしか想定していないから、音源にしてもまったく伸びないだろうなと思って。

大谷:うんうん。

ロンドンタナカ:曲だけ聴いてもなんの思い入れも残らないなと。

ジョン・カッター:そこまで言わなくても。

ロンドンタナカ:って自分で思ったんですよね。これ売れねぇだろうなって。それで考えた末にベスト・アルバムにしたんです。

-お客さんは、最初はポカーンという感じなんですね。

ロンドンタナカ:好きなことをやりすぎたのが1stアルバムとシングルで。曲の途中でいきなりサッカーの応援歌になったりするので、初見だと"何をしてるんだろうこの人たちは?"っていう感じになっちゃうんです。ステージはグワーってやってるんですけど、フロアはポカーンとしているという、その温度差がすごくて。

大谷:曲は4人で作るんですか?

ロンドンタナカ:一応僕がネタみたいなのを考えていって、みんなで作っていくという感じです。

大谷:で、途中でなんか盛り上がったら、その方向に行っちゃうみたいな。

ロンドンタナカ:そうですね。ちょっと表現はあれですけど、"うんこ投げる作業"っていうのがあるんです。ちゃんと1曲丸々作って、でもこれだとかっこ良すぎるから、これにうんこを投げていこうってどんどん変なものを入れていくという作りなんですよ。

ジョン・カッター:"うんこ足りんなぁ"っていう会話があるんですよ。

大谷:"これ普通やな"ってなるのね。

ロンドンタナカ:カッコ良すぎていいんでしょうけど、変にしていくっていう。変っていうか、個性を出していこうと。

-でもギター・リフはずっとかっこいいですよね。

ロンドンタナカ:崩しちゃダメなところもあるので(笑)。僕が長老(アラウンドザ長老)に"だいたいこういう曲を作りたいから、なんかギター弾いて"って言うんです。そのギターから組み立てていく感じですね。

アラウンドザ長老:まぁ、メタラーは僕だけなので(笑)。

-その様式を知っている人がまず土台として曲のもととなるものを作ると。そのいったんできあがったものを壊していく作業のなかで今の形になっていくわけですね。

ロンドンタナカ:そうですね。自然とこうなるという感じなんですけど。

-ただ、ロンドンさんの元ネタの時点でも、結構な変化球を投げてきている感じはあるんじゃないかと思いますけどね。

ロンドンタナカ:きっと脚本とかも一緒だと思うんですけど、生きてるなかで"これ面白いな"とか"みんなこんなこと思うんじゃないか"とか、閃いたことを曲にしたというだけなんです。「LOUD体操第一」なんて、タイトルを思いついて"これ絶対作りたいな"っていう感じですから。

大谷:あぁ、タイトルからっていう感じがありますね。

ロンドンタナカ:タイトル付けるの楽しいんですよ。

大谷:1年前のイベントのときにステージで何回もやった、「ヤバイ、新聞屋さん。」(『タイトルなんでもいい』収録曲)って曲あるじゃないですか。すごく初歩的な質問ですけど、これ、なんで"ヤバイ、新聞屋さん。"なんですか?

ロンドンタナカ:そのときちょうど"ゲスの極み越生"って曲があって(笑)、そういうあるバンドにかけたタイトルがいいんじゃないかって思ってたんです。そのときヤバTが売れていたので"ヤバイ、新聞屋さん。"って付けたんですよね。でも曲を聴いてもらうとわかりますけど、デートの下見で緊張して眠れなくなって、新聞屋さんのバイクの音が聞こえて焦る......っていうふうにしてあります。

大谷:なるほどね(笑)。

ロンドンタナカ:これ、激ロックさんが1stミニ・アルバム出すときにツイートしてくれて。そこで結構伸びて、ヤバイTシャツ屋さんから"いいね"がきたんですよ。"ヤベェ、バレたぞ!"っていう。

大谷:めっちゃいいな。でもこの曲すごくポップでキャッチーですよね。印象に残っているんですよ。

ロンドンタナカ:自分でも好きな曲なんです。大谷さんのイベントに出させてもらったときは結成したばかりで曲が少なくて。

大谷:そうか。それで何回も同じ曲を演奏してたんだ。俺BiSHみたいなことやってるのかなって思ってた(笑)。パンクなことやってるんだなって。

ロンドンタナカ:いえ、自信があるのがその曲しかなかったので。

大谷:はははは(笑)!

ロンドンタナカ:曲がないんです。あってもクソみたいなやつばかりで。やっと今、違う曲ができるようになってますけど。

-そういうまだ曲も少ない時期に"出してください"って大谷さんに言っちゃうという。そこですよね、アラ天の勢いって。

ロンドンタナカ:そうですね。でもまさか本当に呼んでいただけると思わなかったので。名前を知っていただきたいくらいの気持ちで送ったら出られることになったんです。

大谷:でも僕の周りの子たちもみんな好きですからね。アラ天のファンになってます。

ロンドンタナカ:はい。この間名古屋でツーマン("ジャイコナイトナゴヤVSアラウンドザ天竺")をやらせてもらえましたし。

-ちゃんと繋がるものがありましたね。

大谷:イベントのスタッフにキッズの子とかいるんです。"今、アラ天とアシュラシンドロームと超能力戦士ドリアンですよ、大谷さん。この3バンドはチェックしてください"って言ってきますからね。

ロンドンタナカ:その中だと、結成して約2年なので僕らがダントツで下なんですよ(笑)。でも、年は一番上なんです。年は一番上で一番売れてない。で、一番フレッシュっていう。

大谷:はははは(笑)。全部面白いっすね。