INTERVIEW
MINAMI NiNE
2018.10.09UPDATE
2018年10月号掲載
Member:ヒロキ(Vo/Ba) ワラビノ(Gt/Cho) スケロク(Dr/Cho)
Interviewer:山口 智男
-スケロクさんの音楽的なバックグラウンドは?
スケロク:僕も姉ちゃんの彼氏がギターを弾いていて(笑)、ギターを貰ったので、GLAYの曲を弾き語りしようと思ったんですけど、曲を弾けるまでいかなかったんです。そしたら、お父さんが"家族バンドをやろう"って、ドラムを買って(笑)。(お父さんは)実はドラムをずっと叩きたかったんだけど叩けなかったから、僕がギターを弾き始めたタイミングで、一緒にバンドをやろうと思ったらしいんです。でも、僕がドラムにハマっちゃって。結果、一緒にバンドはやらずに僕がドラムを取り上げる形になってしまいました(笑)。
-そんな3人でMINAMI NiNEを始めて、初ライヴの前に新曲を10曲作ったということは、やりたい音楽ははっきりしていたということですよね?
ヒロキ:そこからのスタートだったので、そのあといろいろなエッセンスが加わったりはしてますけど、大まかにはブレてないですね。バンドのスタイルから、音から、ライヴの運びまで、1回目のライヴのときから変わってないです。
-じゃあ、迷うことなく続けてきた、と?
ヒロキ:はい。方言も含め、こんな感じなので(笑)。ツアー先で、いろいろかっこいいバンドに出会って、"このバンドのライヴ、めっちゃかっこいいな"って思っても、"でも、俺たちがこれをやったってこうはならんだろう。俺たちは俺たちでしょ"って思うので、そこは周りに影響されることなくずっとやってくることができました。
スケロク:なまっているつもりはないんですけど、なまっていると思われるので(笑)、かっこいいことを言ってもかっこがつかない。だったらライヴのMCはもう、ゆる~くやって、曲でしっかり聴かせようって。そのスタイルは全然変わってないですね。
ヒロキ:喋りだすと、だいたいお客さんみんなニヤけますからね。だから、これは自分たちのチャームポイントというか、武器なんだなと思いました。
-そして、今回メジャー・デビューを飾るわけですが。
ヒロキ:最初、MINAMI NiNEをこの3人でやろうと思ったときに、目標のひとつとして"メジャー・デビューできるバンドになりたいね"って言ってたんですよ。
スケロク:僕の地元ってCDショップがなかったんです。しかも、宮崎って民放のチャンネルがふたつしかないから情報が入ってこない。そういうところで、おじいちゃんおばあちゃんに"認められたんだね"って思ってもらうにはメジャーから出すことが一番わかりやすかった。それがあったからメジャー・デビューにこだわってたところはあります。
ヒロキ:だから今回、こういう形でメジャーからリリースできるのは良かったと思うし、もっともっと頑張ろうと思いましたね。
スケロク:だいぶ遠回りしたけどね(笑)。
ヒロキ:メジャー・デビューできるバンドになりたいと思いながらも、やっていることはどインディーズだったんです。かなりドサ回りしてましたからね。
スケロク:誘われたライヴには、ほぼ全部出てましたし、1回のライヴのためだけに地方にも行ってましたし。それぐらいアグレッシヴにやってたんです。
ヒロキ:ライヴを観た人がひとりだとしても、その人が友達に話したら、ひとりがふたりになるんじゃないかって、ずっとずっと思ってました。だから対バンも、弾き語りの女性ひとりっていうときもあって、その女の子が呼んだお客さんひとりに向かって演奏するみたいなことをずっと続けてたっていう(笑)。
-でも、時間はかかってしまいましたけど、自分たちで実際いろいろなところに足を運んできたわけだから、自分たちの音楽がいろいろなところに届いているという手応えや実感はあるんじゃないですか?
ヒロキ:そうですね。ライヴをするたびに少しずつですけど、歌ってくれる人が増えたり、自分たちのグッズを身につけてくれる人が増えたりっていうのを、自分たちの目で見てきたので、そういうスタイルでやってきて良かったと今になって思いますね。
-メジャー・デビューをきっかけに、MINAMI NiNEの音楽を聴いてくれる人をさらに増やしていこうということだと思うのですが、『LINKS』はどんな作品になりましたか?
ヒロキ:5年ほど前に自主で出したCDに入っている曲も2曲(2013年リリースの『LIVING』収録曲「Over and over」、2014年リリースの『NAKED』収録曲「Niar」)入っていて、それプラス新曲4曲なので、昔から知ってくれている人たちにも楽しんでもらえる作品になったと思いますし、これから新たに出会う人たちにも、"あ、MINAMI NiNEってこういう感じのバンドなんだな"っていうのが、これを聴いてもらえればわかるんじゃないかと思います。
-今お話しされていたように、1曲目の「Over and over」と3曲目の「Niar」は自主で出したCDに入っていた曲の再録ですが、その2曲を選んだのは特別に大事な曲だからなのでしょうか?
ヒロキ:もちろん、どの曲も大事なんですけど(笑)、「Over and over」は、お客さんや聴いてくれた方から、"いい曲だね"ってすごく言われてきたんです。そう言われることで、"あ、この曲にはそんな力があるのか"って自分たちがあとから気づいて。「Niar」もそうなんです。今まで応援してくれた人が"いい"って言うなら間違いないだろうって。新たに歌詞もつけ加えるところはつけ加えて、今の自分たちの表現にしました。当時とはサウンドもアレンジも全然違うんですよ。