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INTERVIEW

魔法少女になり隊

2018.06.18UPDATE

2018年06月号掲載

魔法少女になり隊

Member:火寺 バジル(Vo) gari(VJ/Vo) ウイ・ビトン(Gt) 明治(Gt)

Interviewer:秦 理絵

-(笑)今みたいな感じで、お互いにポンポン思いついたアイディアを出し合って、ましょ隊の面白い音楽が生まれてるんですね。

バジル:そうなんです。"いいじゃん、それ"っていうのを、どんどんやっていくんです。

-3曲目の「ミッドナイトシンドローム」はすごく新鮮でした。ハロウィンっぽいというか、ダーク・ファンタジーみたいな、暗めの曲って初めて。

ウイ:まさにホラー系ですね。

-何かインスピレーションを受けたモチーフはあったんですか?

ウイ:この曲は今回のシングルを作るうえで最後に書いた曲で。他の3曲が明るいから、違う印象をつけたいなと思ったんですよね。で、もともと僕がマイナー・キーで作るのが苦手だったから、マイナー・キーの曲がなかったんですけど、"一気に変化をつけたい"っていうところから制作に取り掛かったんです。で、なんだっけなぁ......「シェキナゴン」がディズニーランドで言ったら、リトルマーメイド的なイメージで。

バジル:"アンダー・ザ・シー"。

ウイ:それに対して、ホラー系がいいかなと思ったんですよね。

-"ホーンテッドマンション"みたいな。

ウイ:そう! っていうところから制作に入りましたね。

明治:毎回デモが上がったときに、"こういう引き出しがあったか!"って思うんです。ウイさんって、"アレっぽい曲"って説明できるやつを作ってくるんですよ。「ヒメサマスピリッツ」だったら日本っぽいとか。これ、あんまり言わない方がいいかもしれないんですけど、そういう曲を作るために、すごい勉強してるんです。いろいろなものをリスペクトして、消化してから出すっていうことをしてるから、そこは毎回尊敬するんです。

-今日のインタビューは、明治さんからウイさんへのリスペクトがすごい出てますね。

明治:ウイさんは人からの意見に対しても、"あ、いや、俺はこれだから"みたいなことは絶対にしないし、それを作品として、めちゃめちゃいい形に仕上げるんですよ。そういうメンバーがいるバンドにいられて光栄ですね。

ウイ:(笑)

-「ミッドナイトシンドローム」は、バジルさんの歌詞も、ダークなサウンドに合わせて暗めですよね。

バジル:今までと真逆ですね。私たちは前向きなものを求められてるというか、誰かの背中を押すような曲が多いんですけど、これはあえて自分の根っこの闇の部分とかを出した曲です。こういう曲だからこそ合うかなっていうので。

-"うんざりしたわ消えて"とか"「たすけて。」"とか生々しく歌ってるけど、悪い魔女が出てきたりするから、物語っぽくもあります。

バジル:深夜に気分が落ち込んだりしたときの曲ですね。ちょっとSNS系なことも要素として入れてて。一見ファンタジーっぽくてリアルから離れすぎてるように見えるかもしれないけど、よく見たら、現代を生きる人のリアルが入ってます。

-たしかにましょ隊って明るい曲が多いけど、結局ネガティヴな感情の裏返しだから、今回その根っこにある感情を書けた意味は大きいと思います。

バジル:そうなんですよね。自分がそんなに前向きじゃないので。歌詞を書くときは、自分が人に言われたい言葉で、自分で自分を励ますために書いてるところがあるから。今回は励まさずに、そのままを書くっていう、新しい挑戦をしたところではありますね。


まず自分たちがワクワクしていくことが大事だし
飽きさせないためにも、常にワクワクを更新していきたい


-最後に4曲目の「変幻自在のスパーキングZ」です。これはgariさんがラップに挑戦してるのがポイントですね。

バジル:ORANGE RANGEっぽくていいですよね。

gari:もともとウイさんが作ってきたデモでは、もっと低めで、言葉を詰めたラップだったんですけど、僕のキャラクターにハマらなくて......。僕の中では電波ソングっぽいイメージで歌ってみた曲なんですよ。

ウイ:俺はラップの曲として作ったつもりなんですけどね(笑)。

バジル:そこはgariさんのこだわりなんです。

明治:たぶん自分の気持ちの作り方がそうなんだろうなっていう。

gari:自然にかっこつけられないんでしょうね。決してラップをする人をバカにしてるわけじゃないんですけど、自分はそれができない人種だったんだなって思いました。一応、韻だけは踏んでますけど。

-ウイさんは、gariさんにラップをさせる狙いで作った曲だったんですか?

ウイ:というより、シャウトをしない曲を作ってみようっていうことですね。

バジル:曲調は"ザ・魔法少女になり隊"なんです。

ウイ:やっぱり、より広い人に知ってもらえるタイミングだから、僕らはこの曲調が好きだっていうのをちゃんと提示していけたらなっていうことで入れたんです。で、もうひとつのテーマが"シャウトしない"だったんですよ。

明治:gariさんはシャウトじゃないと、地声もいい声をしてるんですよね。

バジル:だから、今回のシングルは全曲通して新しいことをやってるんです。

-ましょ隊にとっては、自分たちが面白い! と思うことに対して、どんどん新しいチャレンジをしていくっていうのが大きなテーマですからね。

バジル:まず自分たちがワクワクしていくことが大事だし、そのうえで、いろいろな人を飽きさせないためにも、常にワクワクを更新していきたいんです。今回もまた"次はどんなことをしてくれるんだろう?"っていう期待値を高めてもらえるような1枚ができたと思うので。ライヴでお客さんがどんな反応をしてくれるのか、楽しみにしてます。