BLOOD STAIN CHILD：RYU（Gt/Composer） Yakky（Ba） YASU（Dr）
YUZUKINGDOM：YUZUKI（Vo）
インタビュアー：荒金 良介

－YUZUKINGDOMとしてのコンセプトというと？

RYU：とにかくエクストリームなものにしようと。やりたいことを全部やりたかったんですよね。ブラステではできないけど、ほかにやってみたいことはあるし。だから、曲の難易度で言えば、ブラステよりも難しいし、ギターも弾きまくってますからね。そこにポップな要素も入れたくて。メジャー進行の明るい感じはブラステでは出せないから、メリハリのある曲にできたと思います。タイプ的にはブラック・メタルみたいなコアな曲もあるし、かと思えば、爽やかなアコギから始まる曲もあるし......。

－「Bleeding」ですね。

RYU：ほかにエモ、パンクっぽい曲もあるし、ライヴを想定して大合唱できるパートも入れてますからね。

－ラスト曲「We All Fight to Live」はそうですね、アリーナ・メタルみたいな。

RYU：うん、あと1曲通してデスボの曲もありますからね。

YUZUKI：デスボは難しいですね（笑）。

－YUZUKIさんのデスボはかなり本格的でビックリしました。

RYU：邪悪な声を発してますよね。

YUZUKI：いろいろ研究してます。もとの声がアホっぽいので、グロウル系を頑張ってはいるんですけど、逆にもとの声が出る感じがいいのかなって。そこは葛藤してますね。

－曲を聴いたときの印象はどうでした？

YUZUKI：ハードなデス・メタル系の曲からエモ系の曲まで、その曲の中にもキャッチーなフックがあるものが多いなと。だから、歌詞も書きやすかったですね。

RYU：わかりやすさを重視しているんですよ。難解なものは、自分が聴いてつらくなってきますからね。

YUZUKI：「Eyes Shut Tightly」の歌詞は、自分が知らない世界に対して、目を閉じないでほしいという気持ちを綴ってます。最初だから......そういう気持ちが結構強いかもしれない。私も自分の世界を飛び出したから、ほかにもいろんな世界があるんだよって、知ってほしいなと。

－「Eyes Shut Tightly」はMV曲でもありますが、突然入ってくる歌メロがとんでもなくキャッチーで。

RYU：うまく転調させて、そこにキャッチーなメロディを入れて、印象を強くさせようと。

Yakky：今回はRYUが作ってきたものに忠実にやりました。まだ一緒に音を合わせてないので、そのときにどう変わっていくのかが楽しみですね。

YASU：ブラステは"オラーッ！"って感じだけど、（YUZUKINGDOMの方は）心は家来気質ですからね。

YUZUKI：ははははは（笑）。

YASU：キングがこうしてほしい、ああしてほしい、という気持ちがあれば言ってほしいですね。今回はキングが歌う点で新鮮さを感じたし、自分の中ではまだ無色というか、今後色濃いものにしていけたらいいなと。これが完成ではないと思ってます。

RYU：ツアー（7月に開催する"Album Tour 2018「ODD PARADE」"）もあるからね。そこでステップアップできたらいいなと思います。

－今のシーンを見渡しても、YUZUKINGDOMはあまりいない立ち位置の音楽性かもしれないですね。

RYU：それこそ最近はアイドルでもヘヴィなサウンドを取り入れる時代になりましたし、女性ヴォーカルのバンドでヘヴィな音楽をやってる人たちもたくさんいますけど、ここまでコアな曲をやってるグループはいないんじゃないかと。それぐらい邪悪だし......自分も作ってて、"ほんとにこれでいくの？"と思いましたから。"これはただのスウェディッシュ・デス・メタルだぞ！"って。

一同：ははははは（笑）。

RYU：AT THE GATES、GATES OF ISHTARとかが大好きだから......喜んで作ったんですけどね。いざできたら、めちゃくちゃアンダーグラウンドだけど、そこにYUZUKIというキャラクターがプラスされると、ただのアンダーグラウンドではないものに仕上がったので、これは新しいなと思って。クリーンはポップだけど、デスボは邪悪ですからね。

YUZUKI：自分で聴いてもわけがわからないくらい斬新なので（笑）、お客さんも面白いと思ってくれるんじゃないですかね。

－今作の中で「Empty hours」は一番ポップですね。

RYU：それは僕の趣味が全開ですね。これは言わない方がいいかな（笑）......生ドラムも入っているけど、ヴォーカルやAメロはエレクトロ処理をしているんですよ。これはアニメ"進撃の巨人"とかの音楽をやられてる澤野弘之さんの影響が出ている曲ですね。"この曲が一番いい！"と言う人もいるかもしれない。

－あと、「Evil Game」の"はちみつたっぷりパンケーキ"の歌詞は曲調と凄まじくギャップがあります！

RYU：そのへんが原宿ですよね（笑）。

YUZUKI：ちょっとかわいげが欲しかったんです。そのなかにホラーな要素もあるので、ギャップを見せられたらいいなと。今回のツアーもどうなるのかなって、ワクワク感でいっぱいですね。