MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

BULL ZEICHEN 88

2018.03.26UPDATE

2018年04月号掲載

BULL ZEICHEN 88

Member:沖 さやこ

Interviewer:栄二郎(Vo) sebastian(Gt) IKUO(Ba) 淳士(Dr)

ex-SIAM SHADEのドラマーであり、現在はサポート・ドラマーとしても活躍中の淳士と、Rayflowerのメンバーであり、T.M.RevolutionやTETSUYAのサポート・メンバーとしても知られるベーシストのIKUOが中心となり2006年に結成されたBULL ZEICHEN 88。彼らが結成12年目にしてメジャーに進出する。2013年以降にリリースされたインディーズ時代のシングル表題曲と新曲4曲を収録した『アルバム2』は、これまでの歴史と新しい遊び心が感じられる、5年間を封じ込めた作品となった。

-なぜこのタイミングでメジャー・デビューをお決めになったのでしょう?

淳士:もともとBULL ZEICHEN 88はIKUO君と僕で始まって。音楽のことは全部IKUO君に委ねていたのですが、僕としてはやるからには長く続けたいから、とにかく10年バンドを続けることを目標にしていました。気がつけば2016年で結成10周年になっていて、その記念としてZepp DiverCity(TOKYO)でチケット代88円という思い切ったライヴ(2016年12月26日に開催した"BULL ZEICHEN 88円 ~おごるぜマジで~")をして大盛況に終わり――やっぱり大きなイベントのあとはやりきった感が出てしまう。さてどうしよう? と考えているときにIKUO君が"メジャー・デビューはどう?"と。

IKUO:淳士君も僕もサポートの仕事をメインでやっていて、そのうえでバンドをやっている――そのスタンスを理解したうえで集まってくれたのがsebastianと栄二郎なんです。どうしてもマイペースな活動にはなるけれど、それでもしっかりとした活動をしていきたい気持ちがあったので、必ず1年に1回はリリースをしてツアーもやって、イベントをやって、ちゃんと納得した活動をしてきました。でも10年以上たって、また新しい目標やカンフル剤みたいなものが必要だなと思って、経験したことがないことをやりたいなと。BULL ZEICHEN 88はフェスに出たこともないし、10年活動してきているのに経験していないことがたくさんある。そのなかでの"メジャー・デビューはどう?"という流れだったんです。人がやっていないことをやるのが好きなので、このいまさら感も面白いかなって。

淳士:"そろそろメジャー・デビューする?"ってノリっぽくメジャー・デビューするの、何気にかっこいいよね(笑)。

IKUO:(笑)ほんとラッキーだったね。

-なぜ淳士さんは長く続けられるバンドを組もうと思われたのでしょうか?

淳士:サポートのお仕事をさせていただいている人たちの音楽はすごく愛しているし、ものすごく幸せなんですけど、もともとがバンドしかしてこなかった人間なので"自分のわがままな音楽を貫けるホーム"に憧れがあるんです。僕にとってそれがバンドなんですよね。とはいえ10代で結成したバンドでもないので、完成された人間が集まってひとつのことをやるのは容易ではなくて。だからメンバー・チェンジや解散があって、そのたびにメンバーを探して......というのがとてもいやだったんです。本当に信頼できる仲間と長くやりたかった。継続は力なりという言葉はそのとおりだと思うんです。僕がかっこいいと思うバンドは、やっぱりキャリアが長いんですよね。だからそういうバンドをやりたかった。

sebastian:最初に組んだときは、こんなふうに(12年も続くバンドに)なるなんて思ってもみなかったですけどね(笑)。

IKUO:そうだね、続けられるかどうかなんて最初はわかんないし。でも蓋を開けてみると、この10年あっという間でしたね。

淳士:メンバーそれぞれが自立したうえでのバンドだから、それがいい作用を起こしていると思いますね。

栄二郎:うん。メンバー間がいい距離感で活動できています。

-メジャー・デビュー・アルバム『アルバム2』は2013年以降のシングルに新曲を加えた全10曲。5年間の軌跡を封じ込めた作品になりました。

sebastian:そういうコンセプトがあって作ったわけではなかったんですけど、結果としてこういうかたちで出すしかない状況になってしまって(笑)。

-ははは(笑)。みなさんサポートなどのお仕事もお忙しいですものね。

IKUO:インディーズでは自分たちがいいと思うタイミングで出すことができたんですけど......さすがメジャーですよね。"この日には出して!"という期日が決まっていて、"無理無理! そんなに曲作れない!"って(笑)。それで、シングル曲が6曲あるからあと4曲足せば10曲になる、これならいける! ということでこの内容になりました。新しいお客さんにもBULL ZEICHEN 88が過去にこういうことをしてきたということを見せられて、新しいBULL ZEICHEN 88も見せられて。

栄二郎:まさしく名刺代わりの1枚になりました。

-新曲はシングル曲とのバランスをとってアルバム用に作られた4曲ですか?

IKUO:いやー、そういうのとはまたちょっと違うんですよ(笑)。4曲必要なので、sebastianと栄二郎にも"とりあえず出してみて"と1曲ずつ出してもらって。「とりあえず生」と「kowashite」の作曲が僕、作詞が淳士君、「オルターエゴ」が栄二郎作詞作曲、「One Step As You Are」がsebastianの曲ですね。BULL ZEICHEN 88は音楽の方向性が決まっていないので、sebastianは西海岸的なミクスチャー・サウンド、栄二郎の曲はエモいという得意技を出してきて。うまい具合にバランスはとれたと思いますし、それぞれの持ち味で勝負できたのも良かったと思いますね。

栄二郎:"すぐに絞りださないと間に合わない"って感じのタイム感だったので、いつもの栄二郎節をメジャー第1弾で出せればなという感じでした。

sebastian:アルバムとしてのバランスをとると言うよりは、全員自分が書きたい曲を書いたらたまたまこうだった、という感じですね。

IKUO:BULL ZEICHEN 88の音楽はライヴで盛り上がることが大前提にあるので、バラードをやらないんですよ。盛り上がる曲ばかり集まったのはそういう理由もありますね。BULL ZEICHEN 88はラウド・バンドだとは思うんですけど、世のラウド・バンドよりは楽しげだと思うんです。だから僕は最近"ハッピー・ラウド"と呼んでいて――ウォール・オブ・デスはないですし、本当に誰でも楽しめるラウド・ミュージック。好きに楽しんでくれればと思うので、バラードはあんまり作っていないんです。

栄二郎:ずっとわちゃわちゃしてた方が楽しいしね。

IKUO:フル・アルバムのために全10曲を書き下ろすときは、1曲くらいバラードがあってもいいのかな......とは思うけど、なんせそういうシチュエーションがないからバラードを作るタイミングがゼロという(笑)。

淳士:BULL(BULL ZEICHEN 88)の曲は本当にスピードと打数が半端じゃないので、ドラマーとしては全然休めないんですけどね(笑)。ずっと無呼吸な感じ(笑)。