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INTERVIEW

BULL ZEICHEN 88

2018.03.26UPDATE

2018年04月号掲載

BULL ZEICHEN 88

Member:沖 さやこ

Interviewer:栄二郎(Vo) sebastian(Gt) IKUO(Ba) 淳士(Dr)

-今回もIKUOさんがすべての曲のアレンジを?

IKUO:今回はスケジュールの関係もあって、「One Step As You Are」と「オルターエゴ」はレコーディングでアレンジに手を入れていった感じなので、僕ががっつりとアレンジを考えたというわけではないんですよ。だからいままでよりはシンプルな仕上がりかもしれませんね。

栄二郎:「オルターエゴ」もほぼほぼ僕が考えたアレンジで。少しずつアレンジ力も上がっているので、古臭くならないようにシーケンスやEDMの要素を入れたりしましたね。

sebastian:「One Step As You Are」はコードとメロと大まかな骨組みとビート感だけ全部入れて、あとはよろしく、という感じのデモを送って。

IKUO:音の隙間のあるデモだったので、入れる要素はたくさんあって。ターンテーブルの音はDJを呼んで跳ねさせた音を入れたりして、実験しつつという感じでしたね。

sebastian:結果的に僕らの曲の中でも特に音に隙間があってシンプルなものになって。そのへんの音作りは結構こだわったかもしれないですね。このタイミングでIKUOさんが8ビートでルートとかをピックで弾き出したり、淳士君がものすごくファンクなことをやり出したりしたら、"えっ、そんなことやるんだ!?"って斬新で面白いと思うんです。そういう遊びをしたかったので、ファンキーなブラック・ミュージックっぽさを入れたりもしましたね。結果的にハッピーで、ライヴでも楽しめる曲になったと思います。やっぱりそのコンセプトは、僕らの根底にあるものなんですよね。


僕らはニセモノでいたい


-BULL ZEICHEN 88はその時々のラウドのトレンドを取り入れている印象もあります。

IKUO:それはあるかもしれないですね。バンドを始めたころはHOOBASTANKとかLOSTPROPHETSとかが売れていた時代だったからシンプルなものにしていたし。『Lovely』(2013年リリースの8thシングル)のあたりからEDMを取り入れて、FEAR FROM THE HATEの河原君(KOUICHI/Gt/Prog)にシンセを入れてもらってピコリーモをやるようになって、1曲の中にテンポ・チェンジやブレイクダウンがあって――ということをしてはいるのですが、基本的にBULL ZEICHEN 88は外タレみたいな本格的なバンドになるつもりはなくて。僕らはニセモノでいたいんです(笑)。

-前回お話をうかがったとき(※2015年10月号掲載)も、似たようなことをおっしゃっていましたよね。

IKUO:見た目もヴィジュアルなのかヴィジュアルじゃないのかわかんないし......どこの界隈でもニセモノ臭がする(笑)。だからこそサウンドもニセモノじゃないと面白くないと思うんです。だからこそ面白い詞を乗せたり、フックを入れたりして、本格派の人たちではできないことをやっている。そういうところをあえて出したいんです。だからその当時流行っている音色を使うのはあくまで要素としてなんですよね。寄せながらも寄せていないというか。それはこだわりかもしれないですね。だからこそなかなかフェスに呼ばれないのかもしれないけれど(笑)、いろんな意味で個性派だったらいいなと思います。開き直りですね(笑)。

淳士:歌詞を書くうえではいつも行き当たりばったり出たとこ勝負だったりするんですよ。IKUO君はデモ・テープに必ず仮歌を入れているんですけど、それがデタラメ英語なんですよね。その音の響き方は、作家のこだわりが表れていることがすごく多いから、そういうのをうまく拾っていって、言葉をハメていくんです。BULLは複雑なアレンジや展開が多いので、ひとつの物語を描くのは無理だなと思っていて。歌のリズムや歌として聴いたときの響きの感じや、印象に残るワードを1個入れるということが僕にとって大事なんですよね。

栄二郎:歌というよりはリズムですよね(笑)。徹底的に淳兄から演技指導を受けて、それをどう再現するかが重要で。

淳士:だからこそ栄二郎はヴォーカルの表現の振れ幅が広がったと思いますね。「とりあえず生」の"疲れた もう一人で歩けないよ/ああ... ビールが美味い"というところは美空ひばりさんですから(笑)。でもふざけているわけではなく、あくまでコミカルに。

栄二郎:指導を受けているときはあんまりピンとこなくても、録り終わったあとに必ず"あぁ、言っていたことがわかった"と思うんですよね。

淳士:リズムを重視するために、歌詞カードも全部カタカナで書いて、それを歌ってもらったりするんですよ。IKUO君のパートである"今日調子いい?"も"キョーチョーシエー"と書いてあるものを見て歌ってるから(笑)。文章で理解すると区切りたくなっちゃうところをスムーズに歌うための方法ですね。でもここはしっかり言葉を理解して歌ってほしいと思うところは、ちゃんと文章を渡すんです。

-なるほど。細部までの作り込みがしっかりしていてこそのサウンドであることがよくわかりました。では最後に、メジャーでどんな活動をしていきたいか教えていただけますか。

IKUO:いい悪いを判断されるところまで人の目に触れたい――それがメジャーに行く一番大きな理由だと思います。だめだと言われたら仕方がないし。人の目に触れないままなんてね。

淳士:そうだね。聴いてもらいたいですね。

IKUO:こういうバンドがいることを知ってもらいたいし、観てもらいたい。とにかくノれるし盛り上がれる新曲ができたので、ツアー(2018年4月から5月にかけて開催の"僕たちがブルゼッケンハチハチですTOUR 2018")も楽しみにしてもらえたらと思いますね。