ANNALYNN：BON（Vo）
Crystal Lake：Ryo（Vo）
インタビュアー：荒金 良介

－ヒップホップも聴く点は、Crystal Lakeとも共通してますね。

Ryo：そうですね。基本みんななんでも聴きますからね。

BON：うん、そうだね。

－では、現在のタイのメタルコア・シーンの状況は？

BON：メタルコア・バンドだと、LAST FIGHT FOR FINISH、NOBUNAとか若いバンドが頑張ってる感じだね。で、メジャー寄りでトップを走ってるような......タイのONE OK ROCKみたいなバンドを挙げるなら、SWEET MULLET、この間日本にも来ていたRETROSPECTあたりになるかな。

－タイのメタルコア・シーンは活性化しているんでしょうか？

BON：う～ん、残念ながら、あまりそうとは言えないね。7年前はアンダーグラウンドのライヴハウスでも500～700人ぐらい集まっていたんだけど、今は50～100人ぐらいしか集まらなくて、ここ数年でシーンは落ち込んでいるんだ。バンド数も減っているし、観客が少なくなっているのが現状だね。EDMやテクノ・ミュージックが流行っていることもあって、バンド・シーンはだいぶ縮小していると言っていい。

－そういう意味でも、タイのメタルコア・シーンを盛り上げたい気持ちも強い？

BON：そうだね。今日出演しているバンドと同じようにパッションを持ち続けて、シーンを盛り上げていきたいという想いは当然あるよ。

－2バンドとも世界各地でツアーをされてますが、自国との違いを感じることもありますか？

Ryo：どの国のお客さんも、ピュアなパッションで動いている感じがしますね。モッシュがどうとか、曲を知ってる知らないにかかわらず、よりダイレクトに感情をぶつけてくるなと。特にタイはそうですね。最初にCrystal Lakeが行ったときも、初めてバンドを観る人たちが多かったから、どう反応していいかわからないという感じだったけど、最後はめちゃくちゃ盛り上がってくれましたからね。お客さんも気持ちで音楽を聴いているんだな、と思いました。

－いままで変わったリアクションがあった国は？

Ryo：インドネシアに行ったときに、ずっと前の柵に立ち続ける人たちがいて、邪魔だなと思ったけど（笑）、すげぇ嬉しかったですね。

BON：これまでシンガポール、ベトナム、香港、台湾、中国と回ってきたけど、どこも違った反応だったんだ。その中で台湾のお客さんはリアクションがすごく良かった。今回、初めて日本でライヴをやることになるけど、おそらく日本がナンバーワンになるんじゃないかな。これは個人的な意見になるけど、アジアのバンドにとって日本に来ることが一番の目標なんだ。ほかのアジア圏のバンドも日本に来たいと思っているんじゃないかな。

－アジアの中だと、日本の音楽シーンは魅力的で成熟しているように映るんですかね？

Ryo：どうなんでしょうね。台湾はデスコア・シーンが根づいていたり、中国は日本よりもDjent、テクニカルなメタルコアが多くいたりするんですけど。トータルで見ると、日本は海外のバンドも多く来日するし、お客さんがいろんなバンドを知っているという意味でシーン自体が大きく見えるのかもしれないですね。だから、彼らからすると、うらやましく映るのかなって。

－BONさんから見た日本の印象は？

BON：実は日本に来るのは今回で2回目になるんだ。1回目はプライベートで来たんだけど、そのときにCrystal LakeのCDをTOWER RECORDSで買ったんだ。

Ryo：ははははは（笑）。

BON：CDが好きだからね。日本食も大好きだから、いろんなものを食べたよ。一番好きなのは鮮魚だね。ワサビも好きだし、寿司が好きかな。

－では、冒頭でも話が出ましたけど、ANNALYNNの『Stare Down The Undefeated』収録の「Never Coming Down Feat. Ryo Kinoshita Of Crystal Lake」でRyoさんが参加したときの状況を教えてもらえますか？

Ryo：曲はデータで貰って、日本でエンジニアとふたりでヴォーカル録りをやったんですよ。"君のヴォーカル・スタイルが好きだから、自由にやってくれ"と言われたので、好きにやらせてもらいました（笑）。当時は直接会ったことはなかったですからね。やっぱりこうして直接会うと、結びつきを感じますね。曲を聴いても、あのときに自分がやれることを全力でやったなと。

－BONさんは実際に歌が入った曲を聴いて、どう感じました？

BON：Ryoのヴォーカルが入った音源を聴いたときは本当に最高だったよ。彼の歌声はパワーがあるし、何も言うことはなかったね！

－ANNALYNNの『Stare Down The Undefeated』は完成度も高いですし、メタルコア好きはもちろん、Crystal Lakeが好きな人なら要チェックですね。

Ryo：間違いないですね。

BON：今日はありがとうございました！