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INTERVIEW

MOTIONLESS IN WHITE

2017.05.10UPDATE

2017年05月号掲載

MOTIONLESS IN WHITE

Member:Chris“Motionless”Cerulli(Vo)

Interviewer:宮原 亜矢

MOTIONLESS IN WHITEが老舗HR/HMレーベル Roadrunner Recordsへ移籍後初、通算4作目のスタジオ・アルバム『Graveyard Shift』をリリース。全米ロック・アルバム・チャート1位を記録した前作『Reincarnate』から約3年で拡大したファン・ベースをさらに押し広げるように、アリーナを見据えたような大きなスケールの楽曲が特徴的。個人的にはシングル・カットされた「Loud(F*ck It)」のミュージック・ビデオに込められた思いが気になり、米ネブラスカ州でライヴを終えたばかりのChris"Motionless"Cerulli(Vo)に電話で話を訊いたところ、クールな印象のChrisから熱い言葉が溢れ出したのだった。

-激ロックとしては2012年にインタビューを行っていますが(※2012年12月号掲載)、私が担当させていただくのは初めてで、とても光栄です。

取材してくれてありがとう!

-実はあなた方のアルバム『Graveyard Shift』の(日本盤)解説も手掛けたのですが、本当に素晴らしい作品ですね。早速そんなアルバムの話から始めさせていただきたいと思います。ツアーが始まったばかりですが、心境はいかがですか? 今作はあなた方にとって新たなチャプターの幕開けとでも言えるような、大きなステージへと進んだ作品だと思うのですが。

とても興奮しているよ。このアルバムの制作にはこれまでのどの作品よりもかなりの時間と労力をかけたんだ。今、君と話しているからというわけではないけれど、日本、オーストラリアやヨーロッパにもこのアルバムは普及していくんじゃないかって思っている。レーベルとそういった世界的な展開について語っているんだよ。今作がうまくいくように願っているし、世界中のファンが僕らのショーを観に来てくれる機会が作れることを願っているよ。

-確実にそうなると思いますよ。ちなみに今ここにレーベルのフライヤーがありまして、そこには"ヤング・ダーク・ヒーロー"とあるのですが、そのことに関してはいかがでしょう? 私は共感していますが。

アハハハ! 面白いね! これまでも僕らのバンドはいろんな形容をされてきてはいるんだ。時には僕らを言い当てているのか定かではないものもあるんだけど、そうやって人々が僕らの音楽について感じて、語ってくれることっていつだってクールだよ。時には言い得て妙なものもあるし、楽しいよ。

-そういえばあなた方は"ポストMARILYN MANSON"と呼ばれることもありますよね。日本にも大きなファン・ベースを持つMANSONのように、今作はとてもキャッチーで磨かれていて、より多くの人に届くのではないかと思います。あなた方の日本におけるヒストリーにおいて試金石のようなものになるのではないかと期待していますが、あなた方はMARILYN MANSONから大きな影響を受けているのでしょうか? それとも少しだけ、といった感じ?

そうだね、僕はMETALLICAやROB ZOMBIEといったメタルやロックを好んで聴いて育ったんだ。幼いころは彼らがおっかなく映ったけれど、そういったものに魅了されたね。MARILYN MANSONの音楽面、アーティスト面においてアイコニックなところがとても好きだよ。ミュージシャンとして、またアーティストとしてアイコニックだしね。特にバンドにおいてのMARILYN MANSONからは、バンドにおける僕の見られ方や在り方について影響を受けたんだ。僕が若いころに影響を受けたものをファンへ伝えるのがとても好きなんだ。ファンが僕らのやり方を好きでも嫌いでも構わないよ。特に日本のファンが僕らのアルバムを楽しんでくれて、日本でのキャリアを築けることを本当に心から願っているよ。

-「Loud(F*ck It)」(Track.9)のミュージック・ビデオは、個人的にあなた方のステイトメントが込められているように感じてとても好きな曲です。Chrisさんはこれまで以上にとてもファッショナブルで、バックにはスケーターがいますが、そのうちのひとりがDevin"Ghost"Sola(Ba)で、いつもどおりのゴスな出で立ちでスケボーをしている。それがとてもユニークに映りました。一般的なイメージにおけるゴスというジャンルは、スケボーのようなエクストリーム・スポーツと直には交わらないと思いますし、もっと言えばアメリカの映画ではゴス・ファンは虐げられているような演出もまま見られるように、どこか孤立している気がするのですが、このビデオでは誰も虐げられることなく、ユナイトしている。"分断されることなく、それぞれのありのままを受け入れて繋がろう"といったメッセージこそがあなた方が今作を通して放ちたいステイトメントなのではないかと思えたのですが、いかがでしょうか。

このビデオに関しては何度も話してきたけれど、たいていの人が"おぉ、スケートボードね!"って言う程度で、メッセージを捉えて僕に語ることができたのは、正直言って君が初めてだよ。僕らのファンや、あるいは僕らのようなオルタナティヴな音楽のファンは、その他のいわゆる普通の生活を送っている人々や音楽ファンにとって受け入れられないようなことが多い、オルタナティヴなライフスタイルを送っていると思うんだ。今、世界中の人々が分断されていることが残念だよ。音楽においても批判的なヴィジョンを持つ人たちがいたり......僕はそれが嫌なんだ。僕らの誠実な音楽を通して、音楽は楽しくて、エンターテイメントであり、みんなをひとつにしてくれるはずのものだってことを伝えているんだ。どんな音楽嗜好やライフスタイルを持っていたとしてもね。君が初めてそんなふうに言及してくれたことで僕は幸せだよ。どうもありがとう。