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INTERVIEW

MOTIONLESS IN WHITE

2017.05.10UPDATE

2017年05月号掲載

MOTIONLESS IN WHITE

Member:Chris“Motionless”Cerulli(Vo)

Interviewer:宮原 亜矢

-先ほど挙げた話ですが、「Loud(F*ck It)」に関してあなたがSNSで発表したステイトメントにあるように、あなたはこれまでステージを降りると人々とは距離を置いていたのに、昨年の"Warped Tour"ではワークショップへ足を運び、人々との対話を心掛けた。そのことが今作とこれまでの作品との違いを生んでいるのではないかと感じています。もちろん過去3作も素晴らしい作品ではありましたが、今作が格別に好きだなと思うのは、人々と繋がろうとするあなたのアティテュードによるものが大きいように感じています。

僕は作詞においても常々正直であろうとしている。これまでは僕の出自について人々に覗き込まれることを好んできたけれど、長年それを続けてきて、いろんな世界や人々の考え方や見方を学び、自分自身についてこれまで以上に心を開こうと思ったんだ。今作の楽曲はとてもパーソナル且つ進化しているから、そんなふうに感じているんだと思う。これまではすべてを曝け出さずに虚飾したところもあって後悔したこともあるんだけど、今作は僕がそうしたかったというよりも、すべてがそうすることを必要だと感じて行ったことなんだ。君が気づいてくれたように、今作の歌詞を読んでもらえればいろんな意味を感じてもらえるはず。

-光栄です。

君は僕らのことをとても理解していると思うよ。僕はファンのみんなが君のようなマインドを持っているように願っているよ。改めて礼を言うね。

-インタビュー時間が残り5分になってきましたので、日本のファンも知りたがっているであろう、Josh Balz(Key)の脱退に関してうかがわせてください。私的な見解として、彼は10年の活動をもってMIWから卒業したという意味合いで受け取っています。Joshに関するあなたの今の心境を教えてください。彼がいなくて寂しさが募っていたりしますか?

僕らはJoshの脱退の日がいずれ訪れることは随分前から知っていたんだけど、みんなを悲しませたくなかったんだ。彼は前へ進みたかったんだよね。君が言った、まさに"卒業した"ってことなんだ。彼は普通の生活や結婚の願望があって、家を持ち、そこで暮らしたかったんだ。常にツアーを続けて、制作を続けているとそういうことを実現するのは本当に難しくて。卒業の前から想像できていたことだったから僕らも心構えをしていたよ。僕らはよくやったと思っているし、悩まされているなんてことはないよ。彼がいなくなった当初はとても変な感じがしたし、以前と比べてかなり変わったなって思ったけれど、みんなにとってこの決断は良かったと思う。僕らは彼をハッピーにするために彼の望むようにしてあげたかったし、長い間ツアーやっているとこういうことは起こりうるんだ。彼は前に進む道を見つけて、僕らも前進した。双方にとって最善の選択だったと思う。

-現在はサポート・キーボーディストを迎えてツアーを行っていらっしゃいますが、新しいキーボーディストは見つかりましたか? あるいは探し始めていますか?

しっかりと考えて時間をかけて探すつもりだよ。僕らはみんな友達同士だから、そこに迎えるに相応しい人を見つけるのに焦りたくはないんだ。見つけたあとも、関係を築いていきたいからね。僕らがオリジナル・ドラマーを失ったとき(Angelo Parente/※2013年に脱退)、直後に新ドラマーを迎えたけれど、うまくいかなかったんだ。僕らはその失敗から学ぶ必要があるからね。新メンバーを探すには時間が必要だよ。

-それから、耳がタコになるほど受けた質問かもしれませんが、Jonathan Davis(KORN)とのコラボレーション(Track.3「Necessary Evil」)についてうかがわせてください。単なるコラボではなく、クラシックなポップ・ソング「It's My Party」(※Leslie Goreが1963年に発表した楽曲)のカバーも含まれていてうかがうことが多すぎるのですが(笑)、まずはコラボ実現の経緯を教えてください。

実はこれはジョークから始まったんだよ。スタジオに入ってこの曲の作業をしていたときに僕がふと、アクシデントというかジョークで「It's My Party」を入れるっていうアイディアを出してみたんだ。この曲用に作っていた、普段の僕らのサウンドに「It's My Party」のメロディを乗せてみたら、これまでの僕らの曲とは違っていて、ユニークでクールだなって思って。他のメンバーも賛同して、楽曲の著作権保有者に連絡して許可をもらい制作をしていたんだけど、ふとJonathanのことを思い浮かべたんだ。KORNとのツアーを終えたばかりで、僕らはKORNから大きな影響を受けているから、この曲に彼の声がかなりの頻度で聞こえてきて、"彼にお願いしなきゃ! お願いしなきゃ!!"って思ったんだ。そしたら彼もこの曲をとても気に入ってくれて、レコーディングもとてもうまくいったんだ。聴いてもらえば、彼の声がいかにユニークで素晴らしいかがわかってもらえるはずだよ。

-サウンド面はKORNとMIWをいい具合にミックスしたような印象を受けました。2006年の英国の"Download Festival"でJonathanが病気のためステージに立てなかった代わりを埋めるために、出演バンドが次々とKORNのヴォーカル・パートを務めていましたが、そのほとんどのヴォーカリストがJonathanの特異なヴォーカル・スタイルを踏襲できていなかったのを思い出します。でも、この曲を聴いてあなたならその代わりも務められそうと思ったんですよね。

(笑)たいていの人は、僕のヴォーカルを聴いたら即座に"MARILYN MANSONを彷彿させる"と言うんだけど、KORNまで引き合いに出されたらまさに完全だね(笑)。

-あなた方の音楽からはレジェンドからの影響をダイレクトに感じることができます。ですがそれに終始せず、MIWというアイデンティティをしっかりと確立なさっている。だからこそ、レーベルがあなた方を"ニュー・ダーク・ヒーロー"と称することに賛同しています。このアルバムの成功を心から祈っていますし、成功を確信しています。

結果が出たら"やったぜ!"って、このインタビューについて振り返りつつ語る日を楽しみにしてるよ!